合併と連結納税の加入制限

合併と連結納税の加入制限

今回は連結納税の加入制限について書いていきたいと思います。少し迷ったケースがありましたので、そちらは具体的事例として検討していきたいと思います。

まず、連結納税の加入制限とは何かと言うと、連結納税を行っていた法人のうち、国税庁長官の職権により連結納税の承認の取り消しを受けた法人または連結納税の取り止めの承認を受けた法人は、それから5年間は連結納税をすることが出来ません。(親にも子にもなれません)

また、連結親法人との連結完全支配関係がなくなったことにより、連結納税の承認を取り消されたとみなされた連結子法人は、それから5年間は同じ連結親法人のもとで連結子法人になることは出来ません。(他の連結親法人の場合には連結子法人になるので注意が必要です)

少し迷ったケースをご紹介します。
下記図のようなケースで、連結親法人Aと連結子法人Bの連結グループあります。

その連結子法人Bを合併消滅会社、関係のないC社を合併存続会社として合併が行われた場合には、当たり前ですが連結子法人Bは合併により解散することとなりますので、連結納税の承認取り消しとなります。

このケースの場合にC社(合併存続会社)が連結納税の加入制限を受けるかどうかですが、結論としては加入制限は受けないと考えられます。あくまでも存続する法人の100%支配関係が解消された場合の連結納税承認取り消し(法人税法第4条の5第二項第五号)について加入制限を設けているのであり、解散による連結納税承認取り消し(法人税法第4条の5第二項第四号)は加入制限の対象と考えられないからです。

逆のケースを考えてみます。
その連結子法人Bを合併存続会社、関係のないC社を合併消滅会社として合併が行われた場合には、連結子法人Bは存続法人なので合併により解散しないこととなります。ただ100%支配関係はなくなりますので連結納税の承認取り消しとなります。

このケースの場合には存続する法人の100%支配関係が解消された場合の連結納税承認取り消し(法人税法第4条の5第二項第五号)に該当することになりますので、連結納税の加入制限を受けることになるものと考えられます。

少し迷ったので情報共有です。

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