【水星の魔女】スレッタの瞳に光が走る描写の考察と、恋について<超個人的雑記>

先日は特番だった(本編がしんどい内容だからか、ナレーション等はちょっとおもしろかったですね、笑)ので、今週は脳内データストームは落ち着いていますが、これってこういうことかなと思いついた細かいことがいくつかあるので、ちょこちょこっと書き出しておこうと思います。
今日こそは長くならないはず!


スレッタの瞳に光が走るシーン

17話までの間で、スレッタの瞳にくるりと光が走る描写が何度かありました。
ひとつひとつの場面を振り返ってみます。

1.ミオリネからもらったトマトを食べる

これは1話で早速登場するシーンです。
ミオリネが、お腹を空かせているスレッタに、自身が育てている母のトマトを分けてあげたときですね。

水星で生まれ育ったスレッタは、「トマト味」は知っていましたが、生のトマトは知りませんでした。きっと水星では生鮮食品がほぼ手に入らないのでしょう。
食べ方もわからず、ミオリネが教えていましたね。

意を決して一口食べた瞬間、スレッタの瞳が輝き、くるりと光が走ります。
そして「おいしい…!」と感激していました。

2.「あなたは進める子。でしょ?」

2回目は12話でプロスペラに、エアリアルと一緒にテロリストと戦うことを求められたときです。

スレッタは最初、人を殺すこと・殺し合いをすることに対して強い抵抗を示しており、戦うことを拒んでいました。
しかしプロスペラは、「今みんなを救えるのは、あなたたちだけよ」と話し、「あなたは進める子。でしょ?」と言って手を差し伸べます。

ここでスレッタの目がアップになり、瞳に少し鈍い光が走ります。
そして、覚悟を決めるように拳を握りしめ、スレッタは立ち上がり戦いに向かいます。

3.グエルからの「大切なんだ」という告白

17話で、グエルから告白された場面。
このときは、これまでになく瞳が大きく揺れていて、スレッタにとってとても感情が揺さぶられた出来事だったことがわかります。
そのとき、瞳にくるりと光が走り、それから目を伏せ、一度目を閉じてから、グエルに返答をしています。

光が走らないシーンもある

一方で、瞳に光が差すシーンは他にもあるのですが、くるっと回ってはいないのですよね。
例えば11話で、ミオリネに抱きつかれた瞬間。
このときは、きっと思ってもみなかったミオリネの行動に驚き、また自身が必要とされていることを感じられたのだろうと思います。

こういったシーンと、前述の3つのシーンの違いは、何なのでしょうか。
個人的に「こうかな?」と思っていることがあるので、解説してみたいと思います。

何かしらの「気付き」がある

私は、瞳に光が走る場面では、何かしらスレッタにとって気付きがあり、新しい概念を得ているのではないかと考えました。

1.トマトを食べて得たものは

ここでの気付きは、「生のトマトはおいしい」です。

スレッタは、生のトマトを食べたことがありませんでした。スレッタにとってトマトは未知の食べ物です。
ミオリネにもらったトマトを食べたことで、スレッタは新しい概念を得たわけですね。

ミオリネの育てたトマトがおいしいということも表現していると思いますが、もしかしたらこのシーンは「この描写はスレッタが新しい概念を自分のものにしたっていう意味だよ」という宣言でもあったのかなと思ったりもしています。
単なる感動であれば、目の輝きの描写だけだったかもしれません。

2.母から言われて得たものは

ここでの気付きは「人を殺すことが正しいこともある」です。

スレッタは、人を殺すことは間違いだ、悪いことだと考えていました。
しかし、母が「進めば二つ」や「救う」という言葉を持ち出したことで、スレッタの中で「人を救うための人殺しは正しい」という概念が生まれてしまいます。

ただ、おそらくスレッタ自身が自分でも気が付いていない、心の奥底の感情としては、受け入れがたいものだったのだろうと思います。
ネガティブな肯定、とでも言うべきでしょうか。
だから他の2例に比べて、暗く鈍い光なのかなと思っています。

3.グエルの告白から得たものは

ここでのスレッタの心の動きは、少し複雑だと思います。
単純に考えると、グエルに告白されて感動しているように見えます。
ですが、ここはスレッタがそのあと、これまでとは異なる答えを出していることから、やはり気付きがあったと私は考えています。

それは、「この感情は恋なんだ」という気付きだったのではないでしょうか。

この辺りは、少し丁寧に見ていきたいと思います。

「大切なもの」に気付くまで

恋を知らなかった

水星には老人ばかりで、年の近い人もおらず、スレッタはライブラリから得た「物語としての恋愛」しか知りません。
しかもその物語は、男性と女性、つまり異性愛のカップルの恋愛ばかりだったと推測されます。
1話でホルダーとして花婿になった際、驚いてミオリネに「私、女、ですけど」と言っていましたからね。

そのため、スレッタはミオリネに恋をするという想定をしていなかったと思います。
当初はミオリネを「友達」として認識していた(やりたいことリストの内容など)でしょうし、「花婿」は取引で担うことになった役割でした。

ですが、7話で自分がピンチのときに、救ってくれたのは母でもエランでもなくミオリネでした。
それも、プライドも、地球へ行くという願いも投げ打って、「守るわよ。私が、あんたを」って。

惚れるでしょ?!
と、私は思いますが、スレッタは多分自覚していません(笑)

スレッタは、ミオリネに対する自分の感情を「花婿だから」と結論付けていたのではないでしょうか。
だって恋を知らないのです。恋心がどういうものなのかを知るより先に、「花婿」という特別な役割と肩書を得てしまっていたのですから。
だからこそ、10話で「妻じゃありません、婿です」というこだわりを見せた。
あのときにはもうとっくに、スレッタはミオリネに恋をしていたのではないでしょうか。

ソフィとの対峙で、自分の感情に疑念を持つ

花婿だからということにして、スレッタはミオリネを大切に思ったり、頼られたいと思ったりしてきたわけですが、14話でほしいもののために人を殺すというソフィとやり取りをする中で、その自分の気持ちに疑念を持つことになります。

そう、12話でミオリネを助けるために人を殺したことが頭をよぎり、「自分もソフィのように、ミオリネがほしくて人を殺したのではないのか?」と思ってしまったのですね。

スレッタは、そんな行為はおかしいという価値観を持っているわけですから、もしその疑念が真実であれば、自分の気持ちを認めてあげることができません。

そして、花婿だからと理由付けしてきたものが、自分の欲望のためかもしれないと思った時、スレッタは何をしたか。
そう、思考を放棄し、感情に蓋をしてしまいました…。
ソフィとの戦いで、母やエアリアルへの疑念も持ってしまいましたから…スレッタの心のキャパを超えてしまったのでしょうね。

グエルの告白が、自分の気持ちを肯定する

これについては前項で上げた記事でも書いているのですが、グエルからの告白を通して、ようやくスレッタは自分の気持ちを自覚し、肯定できたのではないかと思います。
「人を殺してでも奪いたい、欲しいもの」ではなく「人を殺してでも守りたい、大切な人」。
そして、このミオリネに対する気持ちは、「花婿」という役割や肩書によるものではなく、今グエルが自分に向けてくれているものと同じ、「恋」なのだと。

だからこそ、スレッタはグエルに対して「私、花婿ですから」と断ったりしませんでした。
「私にも今、大切な人がいるんです」
それは即ち、私も今、恋をしているんです、ということですよね。

そのあとの決闘中にスレッタが言った「私を選んでください!」というのも、定められた花婿・花嫁としてではなく、私はあなたと一緒にいたいという思いから出た言葉だったのかもしれませんね。

このあとのこと

まだ「気付かなければならないこと」が残っている

さて、スレッタは自分の気持ちに気付くことができましたが、この気付きの描写、もしかしたらあと一回はあるかもしれないな…と思っています。

私の雑記でしつこく言っている「罪」、または「善と悪は共存する」ということ。
あるいは、「命とは何か」かもしれません。

この気付きは、きっと地球寮の仲間たちとのやり取りの中で生まれると思っています。
瞳の光がくるっとするかな?
しなかったら…この考察は考えすぎだったかな?ってなりますね(汗)

それにしても、恋と気付いた途端に…

17話「大切なもの」は、こうしてみると本当に重要な回でしたね。
スレッタが恋を自覚する回ですよ?
ビッグイベントですよ。

それなのに、その同じ回で二人が離れてしまうなんて…悲しすぎます。
11話でも、気持ちを通わせたと思ったら即襲撃されて引き離されちゃうし。
公式さん、本気で最終話まで二人をいちゃいちゃさせてあげる気ないでしょ?

まぁでも、まだ解決しなければならない問題も残っているし、回収しなければならない伏線もたくさん残っていると感じます。
物語は終盤に向けて、きっと引き続き爆速展開で進んでいくと思うので、今回の特番での休憩があってよかったかも。
ここからがまた情緒がやばいと思いますが、みなさん一緒に乗り切りましょうね!


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