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一度も締切を破ったことのない私が、絶対に締切を守るためにしていること

ライターになってもうすぐ9年。何百、もしかしたら何千の原稿を納品してきましたが、一度も締切を破ったことがありません。ついでに徹夜もしたことがないし、人並みにお休みもいただいています。妊娠・出産、子どもや自分の体調不良も、なんとか乗り越えてきました。

劇的なハックはないけれど、どんな進め方をしているのか、一度まとめてみたいと思います。

■スケジュール・タスクの管理方法

まずは前提となる環境づくり。スケジュール管理はGoogleカレンダーとGoogleタスク、微妙にTrelloを併用しています。iPhoneではそれぞれ純正アプリを使用。

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<Googleカレンダー>
黄色が作業&外出、オレンジがプライベート、スモーキーピンクが夫との共有スケジュールです。外出時に移動が長いときは、ピンクで移動時間を入れたりもする。

集中力が続くタイプではないので、作業予定は詰め込みすぎない。タスクとタスクのあいだに、微妙なバッファを入れておくことが多いです。たとえば5日(月)の16~16時半、8日(木)の13~14時はバッファ。そうすると、急な修正やメール対応、SNSタイムが入っても、全体のスケジュールはずれません。

細かい日時が決まっていない予定は、終日の帯で「このへんで取材アポとりたい」「この週で15本書きまくる」みたいに入れます。上のカレンダーでは8日から「しまじろうプレイパーク」という帯が入ってますね。どっかのタイミングで息子を連れて行こうと、夫が入れてくれました。
<Googleタスク>
カレンダーの右には、Googleタスクを表示。やることを曜日別に登録しています。ちょうどお盆休みで来週水曜までは作業しないので、来週の予定は「15日」「16日」で登録。それより先の予定はざっくり「19日の週」などで登録します。幅があるときは「水木金」「週末」などと数日分をまとめて入れることも。ただ羅列しないで、なんとなくでも期限を切るのがポイントな気がします。

いずれやるべきだけど急いでいないタスクは、曜日や日にちに分けず、フリーのタスクとして入力。余裕があるときに「これやっとくか」という感じで、ピックアップしていきます。

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<Trello>
「自分がいまどれくらいの仕事を抱えていて、あとどれくらい受けられそうか」というボリューム感を把握するのに使っています。

取材&資料待ち…発注が確定して、取材や執筆資料を待っている案件
執筆待ち…取材が終わったり、資料を拝受して、あとは書くだけの案件
入稿&初校出し…原稿を納め、編集部チェック待ちになっている案件
先方チェック…編集部FBを受けた修正が終わり、取材先に確認がまわっている案件

この右に「納品」タブがあり、そこまでたどりつけばフィニッシュです。
ちなみにこの左には「企画中」タブがあって、揉んでいる最中のネタや、アポ取り中の企画が並んでいます。

案件量とそれぞれの進捗をざっくり把握したいだけなので、週1くらいしか更新しないし、ほかのいろんな機能はまったく使っていません(その場合の最適解がTrelloなのかは、じつは微妙なところ……)。

という環境で、どんなふうに仕事を進めていくのか。
ここからは時系列でまとめてみました。「スケジュール・タスク管理」「ライティング」の2ネタが混ざってしまったのは、お許しください!

■毎日やること

稼働日は一日の終わりに5分くらいで、翌日以降のスケジュールとタスクを整理します。「今日は明日のぶんまでタスク先取りできたから、この案件を前倒ししよう」「今日思ったより進まなかったぶんは、木曜の夜に取り返すか」みたいなかんじで、カレンダーとタスクを動かしていく。

基本は平日9~18時半に収まるように組んで、あふれたぶんを平日22~24時、それでもあふれたら土日(夫と要相談)に埋めていきます。

なんとなく「明日はどれくらい作業しないといけないか」を把握しておいたほうが、朝のスタートダッシュがいい気がするんですよね。あと、自分がどれくらい詰まってるかもつねに見直せるから、新規の打診にもけっこう正確なお返事ができるようになります。それが、無理のないスケジューリングにもつながってくると思う。

■打診を受けたときにやること

・初校出し、フィードバック、校了までの予定を聞く
オファーのときには、多くの編集者さんが取材日しか教えてくれません。でも、取材日が空いていてもそのあと詰まっていたら、すばやい納品には対応できない。なので余裕のなさそうな時期は「取材後はいつごろ納品ですか?」と確認します。
ほか案件を含めて締切順に作業予定を組み直し、無理がないことを確認したうえでお受けするわけです。

・作業予定を正直に伝える
取材後の予定が詰まっていたら「早くて○日、場合によっては○日の着手になりますが大丈夫でしょうか?」「資料をいただくのが○日を過ぎる場合、休暇中なので対応は○日以降になります」など、あらかじめ相談。この段階で、自分の作業日数をしっかり確保しておくのが大事だと思っています。

・カレンダーに「取材準備」「取材」「締切」を登録
カレンダーには取材そのものだけでなく、資料の読み込みや試写、質問案づくりといった「取材準備」も登録。締切は基本1日前に入れておきます。月曜締切の場合は前週の金曜日にしたり、締切前が忙しそうなときは自分的締切としてごっそり前倒しすることも。もちろん、カレンダー上の締切に合わせてやります。

■取材が終わってからやること

・納期をあらためて確認する
媒体や先方の都合で伸びたり、縮んだりすることがあるので、取材直後に念のため再確認。

・カレンダーに「構成」「原稿」「納品」を登録
全部まとめて「執筆」にすると長い時間がかかってしまうため、スケジュールが確保しづらい。構成(30~60分)・原稿(1~4時間)・納品(1時間)と3つの予定に分ければ、スキマ時間にも入れられます。しかも、各ステップで毎回推敲できるから、クオリティもアップ。

■納品するときにやること

・締切よりやたら早くできた場合は、理由を添える
ご依頼を受けるときには「○日から着手」って言ったくせに、ほかのアポがリスケになったり作業が前倒しできたりして、妙に早く書けちゃうことがあります。そんなときは一応「別件の予定が変わったため、思ったより早く着手できました!」と一言添える。でないと「早くできるくせに納期長めにとってたのかな?」「次の案件もこれくらい早く書けるのかも?」と思われてしまうリスクがあるからです。
いつも早くできるわけではないことと、誠実にスケジュール管理していることがそこはかとなく伝われば、編集さんの信頼も増す……気がする。

・以降のスケジュールも伝えておく
以降の進行が不明瞭、かつ自分が納品してすぐ旅行に行くなどの場合は、その旨も一言ご連絡。「このあと東京を離れるため、修正などがありましたら○日の対応になります」という感じです。初校出しまでがスムーズでも、そのあと滞ったら、せっかく守った締切も台無しになりかねません。

■子どもや自分の体調が悪いときにやること

2歳以降はほぼ熱を出さなくなったけれど、子どもが体調不良で保育園を休んだら、下記の3パターンで対応していました。

1、昼間はあきらめて、夜に子どもが寝てからやる
2、昼間に爆速で仕事をし、夜は子どもと一緒に寝る
3、病児保育対応のシッターさんや義母の応援を頼み、昼間の作業時間を確保する

前提は「お金がかかっても、受けた仕事を断らないで済む方法を探す」こと。夫とも予定をすりあわせて、動けるほうが動くスタイルです。

自分の体調不良は、もっとシンプル。具合が悪くてもやるのみです。40度の熱があるときも、ロキソニンを飲めば37度台まで下げられる。薬が効いている3時間でフル稼働し、熱が上がってきたらまた休み、それでも仕事が終わらないときはまた薬を飲み……の繰り返しです。朦朧としながら間に合わせた原稿、何本くらいあっただろうか……。もちろん5000%身体に悪いから、休めるなら休んだほうがいいですよ。

ちなみに、妊娠しているいまは熱が出てもドーピングできないので、なにがあっても体調を崩さないように気をつけてます。日ごろからそうすればいいのにね。

妊娠期は「横になってできる作業は全部ベッドでやる」がポイント。メールの返信、音声入力のテープ起こし、資料の読み込みや自宅試写などは全部、寝っ転がってやってます。家にいるときこまめに横になってるから、忙しくても身体が持ってくれているんだと思う。

■原稿作成で気をつけること

・取材の記憶が熱いうちに構成をつくっておく
執筆をはじめる前に、何をどういう順番で書くか、構成案をつくります。できれば取材のすぐあと、興奮が冷めないうちに。全3本などにわたる場合や、構成をつくってから執筆までに間が空く場合は、このタイミングで一度編集者さんチェックをお願いすることもあります。

・「原稿」タイムには、粗くてもいいからざっと書き上げる
カレンダーに「原稿」として登録してある執筆タイムには、構成に基づいて、まずざーっと書き上げることを心がけています。リズムよく、気持ちよく。リードやタイトルは後回しにすることも。書き上げたら一度読み直して、文章の気になるところなど、細かい部分をちょこちょこと手直し。

・「納品」タイムに、深くまで見直す
カレンダーに「納品」として登録してある時間で、書き上げた原稿をじっくり読み直します。「原稿」と「納品」はだいたいひと晩あけることが多いので、このときには編集者気分。テーマに合っているか、流れやネタは適切か、という大枠の部分も読み直します。リードや小見出しもここで追加することが多い。ここに推敲の機会があるからこそ、「原稿」タイムはとりあえず書くことを優先できるわけです。わたしの筆がそこそこ速い理由は、きっとこのやり方にあるのではないか? という自己分析。

……気づけば4000文字も書いてしまった! 締切が守れなくて悩んでいる方々に、なにか参考になることがあったらいいな、と思います。
とか偉そうに言っておいて、今後なにかの事情で締切が守れないときがきたら、そのときは本当にごめんなさい。

ここからは具体的なノウハウではなく、マインドのお話。

■わたしに締切を守らせている気持ち

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