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仕事を休みたくないのに、早生まれは保育園に入れない

noteではたびたび書いているけれど、私は産休・育休を取っていない(詳しくはこちらの記事で)。フリーランスだからもともと産休とか育休の制度がない、ということもあるけれど、単純に、楽しい仕事を休むのがいやだった。

だから、できるだけ早く、子どもを保育園に預けたいと思っていた。まずは都内の保育園について、わたし視点で簡単にまとめてみる。

認可保育園…いろいろと国の基準を満たした園で、世帯年収に応じた保育料がかかる。比較的安い。区が入園児を選考するため、区に申し込む。

認証保育園…東京都独自の基準に則った園。保育料はまちまちだが、区から補助が出る。選考は各園が独自に行うため、各園に申し込む。

認可外保育園…民間独自の園。個性豊かだが、保育料が月額10万~などと高く、補助もない。選考&申し込みはもちろん各園。

ふつうに考えれば、手堅くてリーズナブルな認可園に入りたい。でも、認可園は「12月に申し込み→4月から0歳児で入園」のタイミングを逃すと、欠員が出ない限り、0歳児では入れない。そして、12月時点で産まれている子しか申し込めないし、2月には入園児が決まる。つまり、3月中旬に産まれる予定の我が子は、産声をあげた瞬間に申し込んでも、キャンセル待ちの列に並ぶだけ。実質、翌年4月の1歳児入園を狙うしかない。そして1歳児入園の枠は、0歳児入園よりもぐっと減る。

早生まれというだけで、我が子が認可園に入るのはおそらく無理だった。だから、認証園と認可外園を探し始めたのが、妊娠5ヵ月ごろのこと。

でも、そもそも通える範囲にあるのは認証園が2つ、認可外園が1つ。近くの認可外園は生後6ヵ月からしか入れず、月額15万円もする。現実的なのは、生後2ヵ月から受け入れている認証園だった。それぞれ見学や問い合わせをしたけれど、どちらも「本申し込みは産まれてから」との回答。2月に認可園の結果が出て、落ちた子どもたちが認証園に殺到することを考えれば、我が子にチャンスはない。本当に、まじで、信じられないくらい、早生まれは保育園に入れないのだ。

妊娠5ヵ月、それこそやっと安定期に入ったくらいでさっそく、お腹のなかの子どもは保育園に入れないことがわかった。産後なるべく早くから、少なくとも1歳の4月まで、どうにか預け先を確保しなくてはならない。そこで、ベビーシッターを探した。いくつかの派遣会社を比較して、一番わかりやすくて信頼できそうだった『キッズライン』に登録。年度途中で保育園が空くことも夢見たけれど、結局まるまる1年間、キッズラインにお世話になった(ベビーシッター活用事情は、また別の記事で)。

基本的に、子どもを見ながら仕事はできない。「この子が寝たすきに原稿書こう」とか考えていると「早く寝ろ」とか思ってしまって精神衛生上よくないから、昼間はもう全部あきらめるのがベター。我が子は結構早めから、夜に3時間程度まとめて眠るようになったので、そのサイクルにかなり助けられた。取材や打ち合わせはシッターさんに子どもを預けて、原稿執筆は夜にまとめてやることで、なんとか乗り切ったわけです。

もちろん、定員に空きが出る奇跡を信じて、保育園にも申し込みを続けた。認可園に入れるのは、保育点数が高い世帯。点数は、勤務や育児の状況に応じて付与される。

私の住んでいる区では、夫婦ともにフルタイムの勤務で40点×2。すでに別の保育サービスを利用している場合は、プラス2点となる。うちはベビーシッターを使っていたため、途中からこの加点がついた。ちなみに、申し込み時点で育休を取得しており、入園と同時に復職を希望する世帯にも、2点が追加される。わたしは復職どころかずっと働き続けているのに、育休を使っていないからこの2点はもらえない。入園のボーダーラインは、81~2点だという。もしもシッターを頼んでいなかったら、わたしたちは、育休明け世帯と点数で並ぶことすらできないのだ。

厳しい状況だから、何人もの友達が育休を早めに切り上げて、0歳児で保育園に入れてしまう。本当は育休をフルに使って、もっと子どもと家でのんびりしていたいのに。一方わたしは早くバリバリ働きたいのに、0歳児の枠が空いていなくて、子どもを預けられなかった。預けたいひとと預けたくないひとの希望が、どっちも叶わない。そして早生まれには選択の余地すらないのが、いまの保育園システムなのです。

それでもなんとかこの4月から、息子は保育園に通い始めた。認可園の1歳児クラスに、すべりこみ。毎日の預け先を考えなくても仕事ができるなんて、本当に夢のよう。でも、2歳の終わりまでしか預けられない園だから、3歳児でも保活が待っている。それはもう避けられないけれど……これからもし2人目を授かることがあるなら、今度は早生まれだけは勘弁してください神様。

Photo: 生後3ヵ月。いまはもう使われていない電車のなかで。

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