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円安と日銀について

2023年9月6日現在、円安が加速しています。
円安によって、ガソリンなどの輸入資源価格は上がり、電気代ガス代など光熱費も上がっています。日本の紙幣を発行しているのは日銀ですが、日銀の異次元金融緩和と円安はどんな関係にあるのか?対策はどうしたらいいのか考えてみました。

◻️結論
今の円安は日銀の債務超過を予想しての悪い円安だ。日銀がインフレ対策に1%利上げをすれば日銀は債務超過になる。一方、米国は、インフレ対策に5%を超える利上げを継続する。
日米金利差と日銀信用不安でドル円は、150円を超えて、近々200円に迫る。円安対策が必要だ。
社会インフラになるブロックチェーンを支えるビットコインは投資の対象として世界から注目されている。今からでも少しづつ投資する価値はある。

■円安のトレンド
日本円は、主要通貨ドル、ユーロ、ポンドいずれから見てもコロナ以降円安が進んでいます。
特にドル円では、昨年9月に150円を突破し24年振りに為替介入がありましたが、今年も9月6日現在既に147円台になっています。
主要通貨との比較では、実質実行レートが参考になります。既に1973年の変動相場制開始時点まで下がっています。強い日本円は幻となっています。

ドル円チャート
実質実行レート推移

■原因はなんでしょうか?
為替の変動には、短期的長期的な要因が関係しています。経済的政治的軍事的要因で大きく動きます。現在の円安加速は、黒田総裁が日銀総裁を始めた2013年からの異次元金融緩和が大きな要因と言われます。問題視されているのは、通貨を発行している日銀の債務超過リスクです。

■異次元金融緩和
日銀が発行する通貨は、福沢諭吉などが印刷された日本銀行券と、日銀当座預金というものに別れます。2023年9月現在、日本銀行券121兆円、日銀当座預金549兆円、合わせて670兆円あります。
日本のGDPは、550兆円ですので、GDPの1.2倍のマネーが日銀によって発行されていることになります。異次元金融緩和が始まった時は、139兆円でした。GDPは変わらないのに、通貨は4.8倍に膨らんだのです。

■日銀の債務超過問題
異次元金融緩和は、民間銀行や生命保険会社が保有する日本国債の日銀による購入によって進められました。日銀が国債を購入すると、日銀の資産に国債、負債に日銀当座預金という勘定が増えます。日銀当座預金は日銀当座預金から見れば負債ですが、民間銀行から見れば民間銀行の資産となります。民間銀行の資産が増えれば、民間銀行による貸出がやりやすくなり、景気が良くなることを期待しての施策でした。

日銀は現在596兆円の日本国債等を保有しています。国債は、満期までの金利が決まっている債権です。満期まで1年以下の短期国債や10年~40年の長期国債に分別できます。
日銀保有の日本国債は殆どが長期国債です。

インフレが3%を上回り、日銀の利上げが期待されるようになりましたが、利上げをすると言うことは、日本国債の本体の価値が下がる ことになります。0.5%利上げするだけで、日銀保有の国債の評価損は8.8兆円に登りました。1%利上げで23.5兆円の含み損になると言われています。

黒田総裁発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/121105261X00620230203/138

更に民間銀行も国債の含み損が拡大して破綻する可能性もあります。日銀は民間銀行に93兆円貸しているので、貸し倒れになる可能性もあります。
日銀の資本金は1億円、含み益は3.5兆円なので、
1%に利上げすると日銀は債務超過になる可能性があります。

また、金利引き上げは、日銀当座預金に対する金利払いも増加するので、日銀の経営はさらに苦しくなります。

■日銀の債務超過と円安 
通貨を発行している日銀が債務超過になると、日本円の信用が失われます。それを懸念して更に円安が加速するかもしれません。

外貨建てMMFという証券が人気になっています。
日本では2兆円のお金が流れています。
世界規模ではその数十倍のお金が流れています。
日本円からの逃避は加速していくと思います。

外貨建てMMF

■対策
日本円資産だけでなく、外貨建て資産を持つことが必要になります。
対策としては、外貨建てMMF、外貨預金、為替取引、外国株式や外国債券への投資、ゴールド等現物資産への投資、暗号資産への投資が考えられます。

中でも暗号資産は、次世代の社会インフラのベースになります。
株式も不動産も近い将来にネットで取引されるようになります。ネットで取引される時の裏付け資産としてビットコインなどの暗号資産が使われるようになります。AmazonやAppleの創業の時に株式投資していれば大きなリターンが得られました。
同じことが暗号資産投資でも起こります。
価格変動は大きい暗号資産マーケットですが、リスクとリターンは等価です。
4年に一度の大きな上昇相場はもうすぐやってきます。資産保全や将来への投資として、考えるのも良いと思います。

◻️参考

https://youtu.be/URLrzXpOhts?si=t8Kl9gIL0Su3oX3Q








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