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未練杯感想戦 23年ARI担当 前編

前書き

例年、4月のNFLドラフト前になると日本のNFLファンによる『未練•或爺杯』なる何をやっても怒られないと評判のモックドラフト大会が開かれるらしい。

しかし、全体3位を持つArizona Cardinalsというチームに一向に立候補者が現れない。単純に人気が無いのだろう。

そんなArizona Cardinalsのオフシーズンの補強情報をドラフト前にまとめようとしている奇特なNFLファンが偶々ここにいた。単にドラフト前の状況をnoteにまとめるにはアリゾナの補強も味気ないと思っていた頃合いでもあり、せっかくなのでこのモックドラフト大会に参加してみることにした。

事前整理

まず、GMを担当するにあたってArizona cardinalsの4/20時点でのロースター状況を整理した。

オフェンス※黄色背景がFA補強/再契約ポジション

優先度が高いのはC。目下の先発候補はOCの伝手でCLEから獲得したFroholdtだが、本職はGでCの先発経験はそれほど多くない。
他は一通りの先発はいるがRTが先発がベテランかつ層も薄いため、いい候補がいれば狙いたい。
RBもちょっと控えが手薄。
LGも手薄だが昨年2人ドラフト指名済、LT,LGの経験があるOLを何枚か補強済、昨年LTの先発を務めたJosh Jonesのコンバートも噂されている、昨年の先発Justin PughがまだFAなど、ここはドラフト後でもなんとかできるはず。

また、巷で噂されている通りHopkinsをトレードに出すならXタイプの大型WRもできれば取りたい。

トレード自体に関してはFA前のnoteでも書いた通り、本人が望まない限りトレードはないとの予想をしている。多分望んでるんだろうけど。成績としても昨年Murray,McCoy,Mcsorleyと異なるQBと組みながらyard/Gがリーグtop10。今シーズンも依然としてどのチームでもエース級の活躍が期待できると考えている。なので正直出したく無い、出すなら相応の対価は欲しい。巷での評価で行くと2巡後半から3巡前半くらいが相場だろうか。

ディフェンス

最優先はEDGE。4-3への移行が見込まれるが1番手は22年3巡の3-4 OLB Cam Thomasで2番手はほぼいないようなもん。候補に挙げるとしたらこれまた22年3巡の3-4 OLB Myjai Sandersだが、軽量高速型のEDGEであるSandersはPHIで言うところのHasson Reddickの枠(SLB)に置きたい。いずれにしても4-3DE的なEDGEはチームにほとんど居ない。せめてSEAのクソバストL.J. Collier様が先発する事態だけは避けたい。
また、DT,CBもFAで獲得してきた他チームの控えが先発しそうな状況、一方で生え抜きもCB Marco Wilsonはようやく一人立ち出来そうだがまだまだCB2が妥当。NTもRashard Lawrenceは怪我が多く、Leki Fotuはワッフルを焼くのが上手い。いずれも心許ない。両ポジション共、極力2日目までに指名したい。
Sも一応控えが手薄だがSimmonsも守れるため優先度は低め。というか新DCが想定するSimmonsの使い道が分からない。ここはドラフト後からキャンプにかけて正解が分かるのだろう。

つまり、SとILB以外ぜんぜんおらんやんけ…おのれクソハゲ。

最近、在任時以上にいらんこと喋りすぎてない?

ST

P,LSがその辺から拾ってきた選手。LSの方は長年先発だったAaron brewerがまだFAのため余裕はある。Pの方も先発だったAndy LeeがFAだがかなりの高齢のため可能であればドラフトしておきたい。

以上からポジションニーズは
特大:C,EDGE
大:DT,CB
中:RB,RT,(WR),P
小:S,LS
といった感じ。

また、指名権は
1巡3位、2巡34位、3巡66位、3巡96位、4巡105位、5巡168位、6巡180位、6巡213位
の8つ。

これとポジションバリューやプロスペクトの評価を組み合わせると以下のような指名が理想かなと考えていた。

1巡3位:EDGE Will Anderson
2巡34位:C,CB,DTのBPA
3巡66位、96位:C,CB,DTのうち2巡で取れなかったポジション
4巡105位、5巡168位:RT or RBのBPA
6巡180位:WR or S
6巡213位:P

できればもう少し3巡以降の指名権を増やしたり上げて先発級を確保したいものの、それをやるなら資源は2巡34位。未練杯的には関係ないので今回はスルー。

また、一度のドラフトで立て直せる状況では無いので、2巡からのトレードアップは考えないものとする。

今回の目標

以上の分析を踏まえたり踏まえなかったりして今回の目標は以下3点とした。

1)Will Andersonの確保
2)1)に失敗した場合トレードダウン
3)Deandre Hopkinsのトレード

1)Will Andersonの確保

まずはこの動画を見て欲しい。

これが未来のアリゾナの至宝、Will Andersonである🚩

正直なところ、全体3位を手にしている状況でこのWill Andersonを指名しない理由が未練杯的にあんまりおもしろくない以外にない。🚩
これもDEN含め中盤以降しっかり負け切った前HC Kingsburyのおかげ。彼もタイの草葉の陰で彼女と喜んでいるはず。(もうUSCにいるけど)
逆に指名するべき理由は
①アリゾナ最大のニーズであるEDGEの1番手。
②それどころか選手として今ドラフトで最も優れていると各ボードで高評価。
③NFLドラフト候補名鑑の村田さんのコラムを見る限り(ステマ)性格まで良いらしい。
④全体5位のSEAにAndersonを渡さなくて済む。

などなど。アリゾナのポジションニーズの多さを鑑みてトレードダウンすべきだという現地の記者もいるが、今年のドラフトではWill Andersonを指名せずにトレードダウンするのは勿体ない気がする。というわけで基本線はステイして指名。🚩

※ちなみにこれはステマでは無くマ。

2)1)に失敗した場合トレードダウン
仮にWill Andersonが2位でHOUに指名された場合、次の候補は
CB Christian Gonzalez, CB Devon Witherspoon, EDGE Tyree Wilsonあたり。
一方でHOUがAndersonを指名した場合、QB Young かQB Stroudがボードに残る形になるため、全体3位でそのまま上記の選手を指名するにはあまり旨味がない。そうなった場合のトレードダウン先も事前に様子を伺っておきたい。
このレアケース🚩でのトレードダウン交渉のねらい目はIND,HOU,TEN,ATL,LVあたり。 SEAは同地区の手前トレード候補には考え辛く🚩、INDから3巡が取れれば儲けものぐらいに考えていた。

3)Deandre Hopkinsのトレード
前述の通り本人が望まない限りは放出する理由はなさそう。

まあでもせっかくだからね!

トレード候補として考えていたのは、BUF、KC、CLEそしてHOUのAFC4チーム。それぞれのチームを選んだ理由としては

BUF、KC:優勝候補かつWRが手薄な印象があったため。
CLE:キャップ的に今年勝ちたいニーズがありそう。QB Watsonとのホットライン復活に価値を見出しそう。
HOU:実は本命。HOUファンが新人QBにHopkinsがいることの価値を一番理解しているはず。来年の指名権も多く、対価を引き出せそう。

といったところ。

対価としては今年の状況で選手をもらっても仕方ないため、とにかく指名権が欲しい。2巡後半ぐらいを何とか引き出したいと思っていた。

以上の方針のもと、各チームとの調整を開始した。

4/20から未練杯開始まで

まずはHopkinsの転売先を探すため各GMへアプローチをかけようと考えた。ドラフトは基本Anderson指名だし🚩、Hopkinsのトレードの方が交渉に時間がかかるだろうというのが理由。

ちょうどこのタイミングでメリーランドの森からラマー屋さんがセールスに来た。🚩マレーとラマーによるドラゴンフライへの誘惑に何とか打ち勝ち、逆にWR Hollywood Brownとアリゾナファンがなぜか気にかけている昨年の1巡C Tyler Linderbaum君のトレードを持ち掛けるもその後応答はなかった。彼にお土産として渡そうと思っていたバナナはWill Levis君に皮ごと食べてもらうものとする。

謎に時間がとられてしまったが、早速Hopkinsのトレード先探しを始めることとした。
ところがどっこいさっそく問題が発生する。

HOU担当、NYJファンの方でしたか!

これではエモさとHopkinsを対価にHOUから指名権を巻き上げる計画は成立しない。昨年、一昨年とWattとHopkinsはチームの中核、2人が欠場したらただのアリゾナ。とか言ってHOUファンの好感度を稼いでいた努力はここで水泡に帰した。多分HOUファンからの好感度は下がっているが諦める。

駄目元で聞いてみたものの、トレードは基本考えていないらしい。残念。

気を取り直し、早速Hopkinsのトレード先探しを始めることとした。
ところがどっこいさっそく問題が発生する。

Watson、CLEから追放される。
ホットライン再結成のエモさも出せないし、よく考えてみたらCLEに対価となりそうな指名権がほぼない。もしこのトレードが実現したらデッドマネーがどうなってしまうのかという余計な疑問と共に、残念ながらトレード先の候補から外す。

というわけで素直にKCとBUFというAFC2大コンテンダーにたかりに行くものとする。現実的にもこの辺になりそうだし。

実際に送った内容が次の通り。

2巡後半から3巡程度が相場と言われているHopkinsに対して、我ながらよくもまあこんなひどいオファーが出せたものだ。真摯に対応してくれたBUFとKC担当の方は人間ができている。あれこそが勝者の余裕なのかもしれない。

この後、余裕のない敗者側から来年の1巡⇄ARIの指名権&Hopkinsのトレードを提示するもKCからは1巡が絡むのはやっぱりNGとの回答。一方でBUF担当は少し気にはしてくれたものの、一旦交渉を断念。

というわけで「2)1)に失敗した場合トレードダウン」の交渉にシフトする。

ターゲットに声掛けする前に、たまたまを挨拶をくれたWAS担当へQBニーズとトレードについてヒアリング。さすがに大量の対価をはたいて16位から3位にトレードアップするのは考えていないとのこと。HOU、TENも同様にトレードは考えていないとのこと。

交渉を進めていった感覚としてどのGMもQB指名に無理をしない印象が強い。交渉をしていないものの、Garoppoloと複数年契約をしたLV、GMの過去ツイを見る限りRidderで腹を括っていそうなATLもトレードアップはしそうにない。

逆にSEAからはトレードの問い合わせがあったものの、「もしAndersonが落ちてこなかったら考えます笑」と返信するに留まった。まあここは無いでしょう🚩。

結局、当日開始前にINDと3巡くらいでトレードダウンをする調整しとく位しか手は無いかと半ば諦め🚩、トレードダウンについての交渉はここで中止。

トレードダウンもHopkinsのトレードも暗礁に乗り上げ始めたタイミングで、BUFのGMから再度Hopkinsについての交渉が来る。

このタイミングで2巡後半が期待値であることを白状し、類似ケースとして年齢、前年のyard/Gが近かったJulio Jonesのトレードを提示。

これに対しBUF側の希望は3巡中盤。
低評価の理由はこのトレード以降のJulio Jonesの低迷、Hopkinsのサスペンション歴、21年にあまり活躍していなかったこと。(TENとK2が悪い)

3巡なら秋のトレード期限前にオールインしたいチームに売っても対価変わらなさそうだし残す方向にシフトするか正直迷う。しかし、せっかくなのでトレードしたい気持ちもあり、バリューチャートを眺めつつ双方の間を取ることでトレードが成立。

とはいえ、5巡でWRを補填するのも厳しいので5巡の代わりにWR3番手の 22年5巡 Khalil Shakirをトレードする提案もしたが、残念ながら断られている。どうやら結構期待されてるらしい。今更Trent ShafieldやKeashawn Johnson貰ってもなー…てか君たちそこにいたのね。

以上で18時の未練杯開催前までの下交渉を終了。数多くのフラグ🚩を積み重ねながら未練杯本番の時間を迎えることとなる。(続く(気持ちはある))

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