地方企業の新たな求人オファーの方法

新型コロナウイルスの影響を受け、地方に移住したいという人が増えているようだ。

私もまた仕事の関係で全国の地方を回るが、現地の人が言うには「魅力的な仕事がない」。だから、地方に人を呼び込むどころか都市部に人が流出してしまうという話をよく耳にする。

せっかく、地方に移住したい人が増えている(但し、どうゆう経験や志向性の人々が移住をしたいと思っているかは深掘りが必要だが)にも関わらず、受け入れる側の地方企業にその準備ができていないのが現状ではないか。

しかし、これは当たり前の話でもある。例えば「営業職」や、「企画職」という単一の職種で、よりチャレンジングな仕事の経験を積みたければ都市部の方が圧倒的に『効率がいい』。理由は顧客も競合も多いが故に、より自社や自分に求められる要求水準が高いからである。この競走環境がクリエイティビティや競争の原動力の一つになる。「都市圏の人の方が優秀」というビジネススキルの優劣の話ではなく、単純に置かれている「就業環境」の問題だと私は思っている。

なので、結論から言うと地方が人を呼び込むときには単一の職種として比較されてはいけないのである。そういう戦い方では、地方に人は引っ張ってこれない。(かと言って、仕事以外の生活の質が変わりますよ、という提案もイマイチだ。なぜならば、仕事や待遇を最優先に当面は生活したいという人は少なからずいるから。)

私の提案はこうだ。地方は地方で経験できることを細切れにして、掛け合わせて、パッケージにして提案することで、都市圏では得られない「新たな経験の質」を提示する。

例えば、「産業」と「学問」と「文化」を横串で刺せる人材ってそうそういないと思う。でも、そうゆう横断的な仕事や経験を積みたい人は少なからず居ると思う。そういう人に対して、これまでの経験を活かしながら民間企業(産業)で働いてもらい、プラスアルファとして大学や行政での仕事(もちろん給与も)や、その街での文化的な側面を知れる仕事(それはもしかしたら地域の観光地や飲食店で土着の文化を知るという程度でもいいのかもしれない)や役割もパッケージにして提供してあげる。

そういうオファーが増えると、地方に流動する働き手は少なからず増えるのではないかと思うし、もしそういうことに興味がある方がいれば自分自身の十数年の人材業界での経験や知見も活かして、ぜひブレストしてみたいと思う。なんなら手弁当でも構わないので、新しい一つのパッケージを作ってみたいとも思っている。

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