レビュー:2018:J2:第7節:H:ファジアーノ岡山vs愛媛FC「欠場選手の影響色濃く敗戦」

岡山vs愛媛:0−1
得点者:20河原 和寿(PK)
観客数:9,117人

1、チーム情報&評点

評価基準

良:1~5:悪

審判

主審:笠原 寛貴:4.0
副審:イ・サンギ、田島 宏則:3.0
第4の審判員:今岡 洋二

H:岡山

監督

長澤 徹:3.0

スタメン

18齊藤 和樹:3.0
19仲間 隼斗:3.0、17関戸 健二:3.5
11三村 真:3.0、14上田 康太:2.5、15末吉 隼也:3.0、21椋原 健太:3.0
6喜山 康平:2.5、4濱田 水輝:3.0、33阿部 海人:3.0
22一森 純:2.5

リザーブ

GK:13金山 隼樹
DF:31下口 稚葉
MF:2澤口 雅彦、25武田 将平、7伊藤 大介、10大竹 洋平
FW:32福元 友哉

途中交代

17関戸 健二→7伊藤 大介:2.5
15末吉 隼也→10大竹 洋平:2.5
18斎藤 和樹→32福元 友哉:2.5

A:愛媛

監督

間瀬 秀一:2.5

スタメン

26上原 慎也:2.5
20河原 和寿:2.5、15丹羽 詩音:2.0
5前野 貴徳:2.5、10神谷 優太:2.5、16田中 裕人:2.5、17小暮 大器:2.5
2山崎 浩介:2.0、8安藤 淳:2.0、23林堂 眞:2.0
1岡本 昌弘:2.0

リザーブ

GK:31朴 成洙(パク・ソンス)
DF:3玉林 睦実、4西岡 大輝
MF:7近藤 貴司、11神田 夢実、14小池 純輝
FW:9有田 光希

途中交代

26上原 慎也→7近藤 貴司:2.5
20河原 和寿→3玉林 睦実:2.5
15丹羽 詩音→4西岡 大輝:評価不可

2、得点経過

A:愛媛:0−1:20河原 和寿(PK)

経過

 愛媛がボールを繋いで攻め手を探していた。10神谷 優太に入った所で、ダイレクトで縦に突けるパス。このパスを受けてである20河原 和寿に33阿部 海人が寄せて潰したところで、不運にも20河原 和寿がバランスを崩して倒れるのに巻き込まれたために、33阿部 海大が次のプレーに参加できませんでした。更に不運というか20河原 和寿の意識が前に合った事で、ボールを岡山のゴール方向に少し転がされていて、そこを15丹羽 詩音に回収されてしまわれて、ゴールに向かってスピードを持って抜けかけてしまったので、4濱田 水輝が溜まらず手を使ってしまい。ファールでPK。
 このPKを20河原 和寿がGK22一森 純の少し左に蹴ります。22一森 純が逆に重心を置いて逆に飛んだ分、倒れるのが遅く、倒れてケアする前の足の下を高速で、抜けて行き愛媛が先制。岡山は、今季初めて先制ゴールを許しました。

経過

 警戒すべき10神谷 優太の的確な楔形パスで、形を作られてしまった事。更に20河原 和寿の粘りと執念で、逆に33阿部 海人を守備から離脱されてしまった事。そして、愛媛の攻撃の要になりつつある15丹羽 詩音にスピードを持って仕掛けられた事で、4濱田 水輝のカバーリングが間に合わなかった。チームとして、後手に回った事と持ち味を出されてしまった事。そういった面で、愛媛に上回れてしまった痛い失点までの流れであったと思います。
 そして、22一森 純も巧く、誘って狙い通りでしたが、PKもセーブまでは至らず、悔しい失点でした。

3、注目ポイント

Q.1「この試合に24赤嶺 真吾や3後藤 圭太が間に合うかどうか、ダメだった場合はどういったスタメンとリザーブになり、どう影響を受けたか。」

A.「24赤嶺 真吾が欠場し、19仲間 隼斗がスタメンに回った。加えて、7伊藤 大介がリザーブスタートで、関戸が、今季初出場初スタメンとなった。3後藤 圭太も欠場し、33阿部 海人が代わりに右スタメンとなった。
 愛媛の守備が良かった事もあるが、やはり、前線へのロングパスの成功率が極端に落ち込み攻撃のリズムを作れなかった。
 最終ラインは、体を張るという共通意識を持ってプレーできたが、僅かなズレでPKのファールを与えてしまった事もあり、失点に繋がった。」

Q.2「9李 勇載(イ・ヨンジェ)の怪我の代役は誰になって、その選手のパフォーマンスはどうだったか。」

A.「18斎藤 和樹が1トップとして出場した。しかし、裏への推進力が失った事で、ロングパスというプレーの選択肢の優位性を失った。7伊藤 大介が入ってからは、前線と中盤のつなぎ役として巧くバランスをとれた事で、裏のスペースやフリーの選手を巧く使える様になった。」

Q.3「8塚川 孝輝の怪我の代役は誰になり、その選手のパフォーマンスはどうだったか。」

A.「15末吉 隼也が、代役と出場した。プレースキックを何度か任されたが、何れも得点に繋がらなかった。パスでも細かいパス交換が多く、局面を打開するようなパスを出せず、攻守での存在感という部分で、8塚川 孝輝に届かなかった。」

Q.4「2人(3人or4人)の欠場によって、ここまで6試合で見せた相手陣地に押し込む時間帯はどうなったか。」

A.「裏へのロングパスがかなり低くなり、押し込まれる時間帯が長くなった。9李 勇載(イ・ヨンジェ)や24赤嶺 真吾の欠場の影響が大きかった。」

Q.5「2人(3人or4人)の欠場によって、ロングパスの割合はどうなったか。」

A.「試合開始直後こそいつもの様にロングパス主体に攻めようという意図があった。しかし、収まりが悪かった事からしっかり繋いで行こうという形に変わりつつあったが、前半は、なかなか形を作れなかった。後半頭から7伊藤 大介が17関戸 健二に代わって、入った事で、前線と中盤の繋ぎ役として機能し、裏へのパスや、前線に付けるパスが効果的になり、有効な手段として使えていた。
ここは、1つのポイントで、9李 勇載(イ・ヨンジェ)が戻って来た時に、9李 勇載(イ・ヨンジェ)をスタメンの後に途中から7伊藤 大介を起用して、攻撃の流れを掴むという手段も1つの手ではあるが、終盤のプレー強度が必要な状況での投入が出来ないので、チームとして7伊藤 大介の良さを活かし切れない事も考えられるので、難しい判断となる。

Q.6「2人(3人or4人)の欠場を受けても堅守を維持し、無失点に抑える事が出来たか」

A.「守備の選手自体は、中盤での潰し役としての8塚川 孝輝の欠場が影響が少しあったぐらいで、大きな影響は出なかった。しかし、攻撃での主導権を握れなかった事で、ゴール前でのプレー時間が長くなる時間帯があった。守備を改善するというよりは、攻撃で押し込む事が出来ている位置で、プレーする割合をどう増やすかというのが、好調を維持するために必要な事である。4濱田 水輝、33阿部 海大、3後藤 圭太は、それぞれに良さがあり、ハイパフォーマンスを出せているので、3後藤 圭太の守備での影響は、そこまで大きくなかったと言えるが、攻撃面は、足下の部分で、少し影響があった。そのために4濱田 水輝のPKは、守備での影響があったというよりは、チームとしての重心が後ろになってしまった事で、生まれた一種のアクシデントであると思いますので、1失点して敗戦こそしましたが、攻撃が良く無ければ十分戦えると思います。しかし、それが一番大変な事であるというのが現実問題である。」

Q.7「2人(3人or4人)の欠場を受けて、流れからの得点とセットプレーからの得点のどちらが生まれやすくなるか。」

A.「どちらが生まれやすいというよりは、どちらかと言えばセットプレーの方が得点出来そうという表現となる。流れからは、パワープレー以外で、敵陣でプレーする時間帯が限られた事で、難しかった。最下位の愛媛という事もあり、多少盛り返せたが、上位チームは、もっと圧力を持ってより押し込んでくることも考えられるし、ここまでリスク少なく、前を向いて攻める事は難しい。そう考えると、苦し紛れのシュートでのCKや巧く意表を突いて貰ったファールなどのセットプレーで、得点を狙うというのが、現実的と言えそう。」

Q.8「1岡本 昌弘を中心とした守備組織をどう攻略するのか。」

A.「終盤の猛攻を防がれた通り、最後の壁として最後まで壁を超す事が出来なかった。6喜山 康平のシュートコースを変えたボールにも反応してセーブする等、安定感はやはり素晴らしい。愛媛のウィークポイントであったGKは、完全に強みとなったと言えそうで、20河原 和寿のコンディションが上がって来た事で、得点力が上がってくれば、順位を上げてくることは十分考えられる。」

Q.9「10神谷 優太のゲームメーク力を制限し、岡山がある程度主体的に守り試合を優位に進める事が出来たかどうか。」

A.「中盤でスイッチを入れる選手として機能させてしまった。先制点に繋がったPKのファールを貰った一連の流れでも機を見ての縦パスが痛かった。岡山にとっては嫌な所へ出されてしまった事になり、FWがシュートを何度もミスっても一度決めれば、称賛される様に一方のパスから得点に繋がれば仕事した事になりますし、大きなプレーをさせてしまったという意味で、仕事をさせてしまったので、次回の対戦では、ここをしっかり抑えて無失点に抑えるために仕事を少しでもさせない様にチームとして抑えたい。」

Q.10「ゴール前で、ストライカーとポストプレーヤーの仕事をハイレベルでこなす15丹羽 詩音のプレーの自由をどれだけ制限できるか。」

A.「20河原 和寿と33阿部 海大の接触プレーで、33阿部 海大が帰陣出来なかった事で、4濱田 水輝が遅れて対応。15丹羽 詩温のスピードとゴールへ向かう迫力が活きた形となり、4濱田 水輝が慌てて手を使ってしまいPK。そのPKを20河原 和寿に決められてしまった。
この様に失点した通り15丹羽 詩温に一瞬の隙を突かれて、仕事をさせてしまったが、全体通してみれば、ある程度制限できた。しかし、失点に繋がり負けた事を考えると、より堅実な守備を目指して行きたい。」

4、文章評

やはり、好調を支えて来た主軸4選手の欠場という事もあり、その影響がどう出るかというか、9李 勇載(イ・ヨンジェ)と24赤嶺 真吾という前線で起点となる選手の欠場の影響が大きく出た試合であったと思います。18齊藤 和樹も頑張っていましたが、スピードと上背が無い分、苦しんでいた印象です。愛媛の選手の厳しいデュエルなどもあり、そのパワーに少し持ち味を発揮しきれなかった印象です。
 また、8塚川 孝輝と3後藤 圭太の欠場も大胆さの部分で、チームに力強さを欠いた部分こそありますが、個性の範囲内で、24赤嶺 真吾と9李 勇載(イ・ヨンジェ)とは違い工夫によって少しカバーし易い部分はあると思いますが、この試合では、PKでの失点の流れでも然り、中盤での好守の影響は少し出てしまったので、次戦以降この部分を修正、向上させて勝利を繋げて欲しいです。

 岡山のハードワークと守備力という良さをある程度出せた一方で、押し込む攻撃力というのをあまり出せなかった岡山に対して、愛媛は、注目選手に挙げた3人とも活躍。岡山が、ここまで出せていた選手の良さが光るサッカーを、愛媛にされてしまった。守備意識の高いチームで、そこを突き破る強引さが、足りなかった。9李 勇載(イ・ヨンジェ)と24赤嶺 真吾抜きで、出したかった部分ではあったが、そこが今後の課題となる。
 32福元 友哉のゴールへの推進力、4濱田 水輝のパワープレー、6喜山 康平の左足、22一森 純の的確なポジショニングからのセーブ、19仲間 隼斗の仕掛け、10大竹 洋平の久々の出場といったポジティブな要素があったのは良かった点なので、こういった発見を多く見つけて、1戦1戦を次に繋げて行きたい。

 最後に元木村社長の挨拶があり、しばらく岡山から離れる事になりました。感謝しか元木村社長にはありませんが、勝利で送り出す事が出来なかった事は残念です。それでも元木村社長が挨拶の話であった優勝杯を元木村社長から渡して貰うために、この苦しい状態でもしっかり優勝での昇格に繋げるために、1試合、90分、45分、1分、1秒も無駄にせずに戦い抜いて、J2優勝での昇格を実現して欲しい。

5、数値評

評価基準

良:A~E:悪

H:岡山

攻撃評価:D
守備評価:C
采配評価:C
総合評価:C

A:愛媛

攻撃評価:C
守備評価:B
采配評価:C
総合評価:C

6、試合評

Man Of the Match(MOM):1岡本 昌弘(岡山)
Most Impressive Player(MIP):29ジュニオール・デ・バホス(甲府)
満足度:7点(10点満点)

7、試合後通算対戦成績(vs愛媛)

H:岡山:6勝(総得点:20点):7分:(総得点23点)7勝:愛媛:A
H(Cスタ・カンスタ・桃スタ):1勝4分5敗
A(ニンスタ):5勝3分2敗

8、今季の成績

勝敗(7/42)
5勝1分1敗(1位:勝ち点16)

得失点
8得点2失点(+6)

ホームスコア(3勝0分1敗:5得点1失点)
1-0×2、3-0×1、0-1×1

アウェースコア(2勝1分0敗:3得点1失点)
0-1×2、1-1×1

ゴール
3後藤 圭太×1(頭1)、4濱田 水輝×1(頭1)、6喜山 康平×1(頭1)、8塚川 孝輝×2(頭1、右足ミドル1)、14上田 康太×1(FK左足1)、24赤嶺 真吾×1(左足ボレー)、33阿部 海人×1(左足1)

アシスト
8塚川 孝輝×2(頭1、右足1)、9李 勇載×1(右足1)、14上田 康太×3(FK左足2、クロス左足1)、24赤嶺 真吾×1(パス右足1)

得点の形
クロス→左足ボレー×1、FK→頭×2、左足直接FK×1、FK→混戦→左足×1、CK→混戦→頭×1、速攻→ポストプレー→右足ミドル×1、CK→2次クロス→頭×1

失点
CK→ショートコーナー→右足(ミドル)×1、PK×1

得点時間帯
8得点:前半×6、後半×2

失点時間帯
2失点:前半×1、後半×1

岡山から世界へ
To Be Continued

by 杉野 雅昭(Masaaki Sugino)

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