見出し画像

国際比較 クリエイティビティ

皆さんはご自分の創造性に自信はありますか?まだ答えのない問題に立ち向かい、独創的で効果的な解決策をつくるため益々重要になる子どもたちのクリエイティビティ。世界各国はどのように教育プログラムに導入しているのでしょうか。今回は義務教育でのクリエイティビティ教育の国際比較です。

また、学術論文ではないのですが、Adobe社が行ったクリエイティビティに関する調査の中に「自分のクリエイティビティに自信があるか?」「どの国がクリエイティブだと思うか?」とう項目があり、なんとも日本人らしい結果にクスッと笑ってしまったので合わせてご紹介します。

結論

<OECD調査>

・日本は、諸外国と比べて、教科のカリキュラムや指導要領においてクリエイティビティの育成の言及が少ない(小学校で25%以下、中学校で25%〜75%)

・教師教育ガイダンスや教員への要求に「生徒のクリエイティビティの育成」「生徒のクリエイティビティの評価」が含まれている国は多くないが、日本は小学校と中学校の両方に含まれている

<Adobe社調査>

・自分自身がクリエイティブだと思っている人の割合は、日本が飛び抜けて低い(全体43%、日本13%)

・クリエイティビティが社会や経済の発展にとって重要だと答えた人の割合は日本が一番低い(社会:全体70%、日本48% 経済:全体64%、日本43%)

・調査対象者が選んだ世界で最もクリエイティブな国は日本(回答者の34%)、世界で最もクリエイティブな都市は東京(回答者の26%)

調査手法

<OECD調査>
2022年にOECDが参加国のナショナルカリキュラムを比較

・60%以上の国で、ほぼ全ての教科(75%以上)でクリエイティビティの育成に言及している

・日本は小学校で25%以下、中学校で25%〜75%と、諸外国と比べてクリエイティビティの育成の言及が少ない

OECDによる国際比較の一部(表の全容はリンク先をご参照ください)

教師教育ガイダンスや教員への要求に「生徒のクリエイティビティの育成」および「生徒のクリエイティビティの評価」が含まれているか。含まれている場合は青

日本は小学校と中学校の両方に含まれている

<Adobe社調査>

2016年にAdobe社が、アメリカ、イギリス、日本、ドイツ、フランスそれぞれ約1000人へのアンケートを実施

約20分のオンライン

社会または経済に取ってクリエイティブは重要だと思うか?
Yesと答えた人の割合(very valuable / Extremely valuable)

社会

1位 ドイツ 83%
2位 アメリカ 82%
3位 イギリス 72%
4位 フランス 62%
5位 日本 48%

経済

1位 アメリカ 77%
2位 ドイツ 73%
3位 イギリス 71%
4位 フランス 56%
5位 日本 43%

自分はクリエイティブだと思うか?Yesと答えた人の割合

1位 ドイツ 57%
2位 アメリカ 55%
3位 イギリス 41%
4位 フランス 40%
5位 日本 13%

世界で最もクリエイティブだと思う国は?

1位 日本 34%
2位 アメリカ 28%
3位 フランス 11%
4位 ドイツ 11%

世界で最もクリエイティブだと思う都市は?

1位 東京 34%
2位 ニューヨーク 28%
3位 パリ 11%
4位 ロンドン 11%

編集後記

日本では、クリエイティビティ育成について、指導要領内での言及は少ないものの教師教育への言及はしっかりされているという結果でした。

Adobe社はクリエイティビティを推進する立場にあるので、学術論文と同等に扱うことはできませんが、興味深いなと思いご紹介しました。

海外で生活していると日本人がどう見られているかに敏感になります。日本国内では「日本はまだまだ旧式の教育でデジタル化もクリエイティビティ育成も遅れている」というセルフイメージが強いですが、外国の方からはまだまだ「テクノロジーに強くクリエイティビティに強い」と思われていると感じます。
外部からは認められているのに、重要性の認識が低くも自信はないというのが日本っぽいなと思ってしまいました。もう少し自分たちの強みを意識しても良いのではないでしょうか?

文責

識名由佳

スゴ論では週に2回、教育に関する「スゴい論文」をnoteにて紹介しています。定期的に講読したい方はこちらのnoteアカウントか、Facebookページのフォローをお願いいたします。
https://www.facebook.com/sugoron/posts/109100545060178

参考文献

Cignetti, M., & Rabella, M. F. (2023). How are education systems integrating creative thinking in schools? OECD. https://doi.org/10.1787/f01158fb-en

Creativity Pays: Global Survey From Adobe Links Being Creative to Stronger Personal and Professional Success. (n.d.). Retrieved October 4, 2023, from https://news.adobe.com/news/news-details/2016/Creativity-Pays-Global-Survey-From-Adobe-Links-Being-Creative-to-Stronger-Personal-and-Professional-Success/default.aspx

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?