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国際比較 ジェンダーと理系科目

以前、男女の成績の違いについての調査(リンク)を紹介いたしましたが、社会における男女平等と、理系科目での成績や自信には関係性が見られるのでしょうか?

今回は、社会における男女間の平等指数と、理系科目における成績や自信についての国際データを紹介します。

結論

・男女平等指数が大きい国ほど、科学の点数の男女差が大きい(男子の方が成績が良い)
・男女平等指数が大きい国ほど、科学に関する自信の男女差が大きい(男子の方が自信がある)
・男女平等指数が大きい国ほど、理系に進む女子の割合が少ない

横軸:科学の成績の男女差(差が大きいほど数値が大きい)
縦軸:男女平等指数(平等なほど数値が大きい)
横軸:理系の大学の卒業割合の男女差(差が大きいほど数値が大きい)
縦軸:男女平等指数(平等なほど数値が大きい)
横軸:科学に関する自信の男女差(差が大きいほど数値が大きい)
縦軸:男女平等指数(平等なほど数値が大きい)

留意点


あくまで相関関係を示すものであり、因果関係を示すデータではありません。例えば「男女格差が是正されると理系職につく女性が減る」、「理系職につく女性を増やすためには男女格差を広げなければいけない」という結論はこのデータからは導くことができません。

編集後記

男女平等指数が高いフィンランドやノルウェーなどの国で、女子の科学の成績が男子に比べて低く理系女子が少ないというのに驚きました。元記事の作者によると、女子の理系学部進学率が低い理由の一つとして「科学の成績が良い女子は、科学の成績が良い男子に比べて、他の科目の成績も良い場合が多いからではないか」という仮説をあげています。私は、アルジェリア、チュニジア、アラブ首長国などの男女平等指標が低い国で女子の理系進学率が高いのは、専門職でないと就職や出世が見込めないからかなと思ったのですが、直感に反するこの国際比較、理由に関してあなたはどんな仮説をたてますか?

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文責

識名由佳

参考文献
https://www.oecd-ilibrary.org/education/why-don-t-more-girls-choose-to-pursue-a-science-career_02bd2b68-en


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