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国際比較 成績の男女差(読解力と数学)

STEM(サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、数学)分野に女性が少ないことはよく話題になりますが、成績の男女差はどの程度なのでしょうか。今回は読解力と数学の成績の男女差に関する国際比較を紹介します。

結論

読解力:
PISA2018に参加した全ての国で女子の読解力のスコアは男子よりも高い(平均約30ポイント)
特に、フィンランド、ヨルダン、北マケドニア共和国、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦で女子の読解力のスコアは男子よりも大幅に高い
日本でも女子の国語のスコアは男子よりも高いが、OECD加盟国平均よりも差は小さい(約10ポイント)

数学:
PISA2018に参加した国の半数以上で男子の数学のスコアは女子よりも高い。
日本でも男子の数学のスコアの方が女子より高い。

国別グラフ

国ごとの男女のスコアの差(読解力)


男女間の、数学の成績差分と読解力の成績差分の関係性
(グラフ上部の国々では女子の方が数学のスコアが高く、
グラフ下部の国々では男子の方が数学のスコアが高い)

分析手法

読解力テストの男女差の国際比較(2018年のデータ)

編集後記

参加国全ての国において女子の方が大幅に読解力のスコアが高いことに驚きました。親や教師が持っている社会通念(例:女の子は優しくて人の気持ちをよくわかる)が生徒の成績に影響を与えるから、など様々な仮説がありますが、過去との比較や他の条件(親の社会経済地位など)のコントロールなどもっと詳しく調べようと思います。

文責:識名由佳

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参考文献
https://data.oecd.org/teachers/women-teachers.htm#indicator-chart

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