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過去に出した同人誌の話 9冊目【ワールズエンド・スーパーノヴァ】

 ここまでくるともう過去でもないなと思いますがそれはそれこれはこれ。
 この前の文章で君清本の話をしましたが内容についてほぼ触れずその時あった環境の話ばかりで我ながらゥヮ……となりました。ここでするのもアレですがちょっとだけ補足。
 君清本、つまりカップリング本として名乗っていますが、かなり湿度低い話になっています。自分としてもあの本カップリングの本なの?と聞かれた場合「ぐ、グレー……」といった気持ちが強いです。私は定期的に「己のカップリング定義を決めろ」と聞かれたらどう答えるかを想像するのですが、概ね対象への私欲の有無と答えるようにしています。もう少し正直に言うなら性欲の有無と答えたい。ただそうなるといつ何処で揚げ足を取られるか分からないから結果そのような形で答えていると言うところです。ずまの老君と清凝には私欲はあるけど性欲がないように描きました。個人的なところとしてはまぁギリカップリング本かな……くらいの目で見ています。カップリングの定義って難しいよね。

ワールズエンド・スーパーノヴァ
【十三機兵防衛圏/比治山×沖野/A5/54ページ/¥500/おたクラブ表紙ホロPP本文モンテシオンスミ】

 おたクラブで刷れば54Pあっても500円でギリいけるかな……と価格設定をしたら通販費用のことをさっぱり忘れてて全冊頒布しても赤字だった。でも余程無理のない限りワンコインじゃない本を出したいと思わないのでこれで良かったのかもしれない。所詮同人は趣味なので。アンケに沿って出した本が速攻完売して再販かけたら今度は糞余った本と比べたら全然可愛い。

 表紙とタイトルに時間かけまくった。正月から近所のおふろの王様で表紙作って帰ってきた記憶と比治沖の本なのにツカサを表紙にしようとした没が沢山あります。でも正直これ比治沖っていうよりツカサの本だと思う。
 主軸は「沖野とツカサ(と桐子)の対比」です。元々箱舟計画に死ぬほど興味のないツカサが描きたかったのと、同じ顔の別人はさぁ!別人なんだよ!という解釈砲をぶつけたくて描きました。ここにおける同じ顔の別人はツカサ≠沖野は勿論、隆俊≠比治山くんも対象です。ツカサは話の途中で比治山くんが自分の好きな隆俊ではないんだと気付いてしまうし、同一化の魔法が解けてしまったから比治山くんにお願いができるんだとかなんかそんな感じの話です。

 話の途中で沖野が「言いたいことは沢山あるんだ」というセリフがあるのですが、言わせたかったのでとても満足しています。もともとは沖野が改めて比治山くんにラブレターを書こうとしたものの、いざ文字にするととても野暮なものになってしまう……みたいな話のプロット内の最終的に渡す手紙の一文目とかだったようなそんな気がします。手紙を書く話はいつか書きたいです。言いたいことがうまく言えない自カプがいつもどこでも大好きです。

 あと「好きな人に好きと言われて抱きしめられたらどんなに幸せか」みたいなセリフも好きです。観たのが随分と前なのでかなりあやふやですが「きみはいい子」という映画に出てきた(原作は短編集なのですが)「(大人も子供も)誰だってこうしてさ、抱きしめられていい子、いい子だねって言われたいよね」みたいな台詞を思い出しながら描いていました。隆俊くんにそれに近しいことを言われたから今のツカサがあるんだろうなとか適当なことを考えていました。あとは紀伊カンナ先生の「雪の下のクオリア」読んだり嵐の「kissからはじめよう」とか聴いてた。割と終盤までタイトルをkissからはじめようにするか悩んだけど、どうやっても比治沖がキスしてくれなかったからボツになりました。
 あとこのシーンのあたりで沖野がツカサにキレて一発入れるみたいなのも考えていたのですが、どうやってもMIU404の1話ラストみたいなノリで頭の中で感電のイントロが流れたので没になりました。

 台詞じゃないですが「順番が逆の」くだりがシーンとしては個人的に一番好きです。否同一性の話の中ここだけ唯一沖野とツカサが繋がっているシーンだからだと思います。あれだけ同一化の否定の話したのに……。
 何回か色々なところで描いていますが比治山くんはツカサに言われた通りお願いをこなしているので「順番が逆」ではありません。隆俊はどちらを優先してもツカサは満更でもないだろうと思った結果、普通に間違えています。ぐ、愚直……。

 タイトルですが、くるりの「ワールズエンド・スーパーノヴァ」からそのまま取っています。曲としてはどちらかというと比治沖より隆俊くんとツカサだな……。タイトル難産している時にたまたまくるりがながれて本当によかった。流れてなかったらどうなっていたんだろうな……。タイトルが決まったと同時に表紙がスイスイ進んだのも覚えてる。

 全体的に言いたいこと描きたいことをガンガン詰め込んでいるのでかなり思い入れ深いものの、それはそれとして今読み返すと詰め込みすぎて超読みづらいなぁ!?!!となりました。背景がうるさい。台詞が多すぎる。
 どこかの文章でも描いた気がするけど、意図的にポエムを排除しています。ポエムを排除した分台詞と表情に回そうとしていました。ロビぐだ♀シノヤマ龍竜の本を見て察されるように、ポエム大好き芸人ですが、当時三人称視点のエロ本(*モノローグ一切なしで話が進行していく)にハマっていたことと、淡々と出来事だけが流れていく話が大好きなこと。読み手に台詞と表情以外で心理描写を悟られたくないという意識が働いた結果排除されました。現実は新横浜じゃないので吸死の誠意の猥談回みたいなナレーションもポエムも流れないしね。強い武器を持たずとも戦えるオタクになりたかったんだと思います。剣が折れても素手で殴り合えるオタクになりたかった。
 結果としてどうやったら読み手に伝わるように描けるだろうかと試行錯誤をし楽しくはありましたが、普通に実力不足だったなと思います。そりゃあ使える武器はある方が強いに決まってんよ。また何か本を描くことになったら今度は滅茶苦茶にポエム盛りたいですね。「あことバンビ」と「BEASTARS」を読んだ今なら最強になれる気がする。

 今のところ書けるのはそれくらいかなと思います。また書きたくなったら補足します。祝10冊目ということで、過去9冊分の同人誌をつらつら1冊目から読み直して色々書いてみたのですが、個人的には「恋を共に」くらいから変わったかな……というつもりだったはずが、そんなことなくて笑ってしまいました。成長しねぇな。10冊目・11冊目の本は7/11以降に書きたいと思います。まずはイベントの準備をしないとな……マジでなにもやってないな……。

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