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『前後のしば』 について

主に6月後半〜8月上旬にかけて描いていた頃の記録。
主に表紙、タイトル、あまり考えてないのでぼんやりしているキャラクターについて。
内容が内容ゆえにある程度の思想があるのでその辺興味ない人は読まなくていいです。

ことのはじまり

プラナスガールを読んでからこれを自分の価値観ラインでやりた〜い!という思いはあったが、元々は全く別のすげ〜明るくなくて薄雲った女女(百合)を描くつもりでいた。
ただ描きながら諸々の面で描くのダルいなと感じ始めたので絵コンテの時点で没。どうしよ〜となった結果やっぱ上記のやつ、やるか……みたいな感じになって16Pくらいの短いネームを切ったがこれもこれでなんかなァ〜となりボツ。
ちょっとフックを変えて今の話をプロットあまり立てず絵コンテから作業進めた。これもこれでネームの手直しが何回か入っている。
16Pの短い話はほぼ幕間みたいな感じなので、何も描くもの浮かばなくなったら清書するかも。知らんけど。

タイトル

『隣の芝は青い』からだが、うまいことこの辺活用できなかったのは反省点。
タイトルにちなんで元々あったキャラクターの苗字から柴と志波に変更した。

表紙

デザイン外注を諦めていた時にフォロワーから救いの手が来た。本当にありがとございます。
値段交渉した際にフォロワーが出してきた価格があまりに安すぎたのでこちらから値上げ交渉を行なった。本当はもっとあげろよ!と思ったが水掛論になりそうだったので悔しいけど止めた。
このお金で十三機兵防衛圏を購入してくれるとのことなので今から本当に楽しみ。こんなん実質無料じゃねぇか……。

シナリオ

ペン入れ作業終盤時(というかこれ書いているまさに今)水星の魔女のインタビューが絶賛爆燃中でこのシナリオも紙媒体で10部しか刷らないとはいえ燃え燃えしたら普通に嫌だな……とかいうことを考えていた。

というかコミティアに申し込むよりもっとずっと前に薄らぼんやり考えていたのが『多目的トイレで体育技に着替える志波(の立ち位置のキャラ)とすげ〜トイレに行きたいのに近場のトイレが空いてなくて多目的トイレに行ったら志波(の立ち位置略)がいた柴(の略)』で、こちらに関しては今の情勢も踏まえて本当に描ける気がしない。
なんでこんな難しい話をしようとしているんだろう……と後悔している節はかなりあるし、でもその時描こうと思ってプロット切れたのがこれしかなかったんだよなとしか言えない側面もある。

良くも悪くも私自身適当という言葉が好きなので、その言葉で志波は自分と相手を傷つけないよう守っているし、根本は全く解決していないけど(本当に何も、なにも解決していない!)柴から言われることで少しだけ気が楽になっていたらいいな。みたいなことは考えているので最悪どうにかそこだけでも伝わっていてほしい。
伝わっていなかったら自分の実力不足を嘆きながら伝わらねぇ人間に憎悪を向けるモンスターになる可能性が高いので。

キャラクターについて

キャラデザを本当に本当にしたくなさすぎて、学生時代〜現在において描いていた一次創作のキャラクターをブラッシュアップして描いた。
というか4人キャラクターがいて1と4を足したのが柴。2と3を足したのが志波。そこから色々ブラッシュアップしたというのが正しいかも。
なので10年以上描いていたキャラクター像と比べてそこそこ乖離があり正直今でも違和感がある。

女装をフックにしてるけどある程度中性的とはいえ志波の骨格は男性というか、最初からある程度違和感が見えるように描こうとした意識はあった。
ただそれが読み手に伝わっているかはわからない。基本的に読み手を信頼していないので。
でも昔十三機兵の同人誌を何も知らない友人に読ませた時に「ちゃんと男の子として描こうとしている意識は伝わった」と言われたので、内心大丈夫だろとも思っている。
読み手を信じていないなりに信じさせてほしい。

志波についてはある程度喋ろうと思えば喋れるが喋ったところでな……と思うところが多い。

一応、(個人的には)野暮な補足だが何処かで問われたら嫌なのでここで若干話しておくと、志波の女装理由と性自認、ないし性的嗜好的なもの(言い方が悪いがなんかもう、そう言う以外自分の中でうまく言葉が見つからなかった。)はあまりイコールではない。主に自己肯定というか、精神的な面が近い。
少数者的側面はあるはずだけど、柴自身は女性になりたいわけでもないし男性であることが嫌ではない。

志波がこの格好をする理由は核となったキャラクターで10年以上個人的に考えていたのである程度あるにはあるが、同時にこれを上手いこと人に伝えるのはなんとなく難しいな……と10年以上考え続けているのでもう少し時間を経ればもしかしたら話として描くことがあるかも。

あと特別『可愛く見せたい』とかもないと思う。だから足見せないようにタイツを履かせるとかもなく、普通に長くない靴下を履かせた。
正直喉仏は途中悩んだけどまぁ……いっかとなった。

柴はもっと短髪のつもりだったんだけどペン入れしてたら描き癖と趣味で徐々に髪が伸びてきたしハネが多くなった。刈り上げは完全に私の趣味です。刈り上げのボーイはかわいいので。

志波の髪の毛は地毛です。柴は染めています。

名前について

上記の通り元々の苗字は柴ではなかった。志す波で志波は格好良くていいなと気に入っている。
イントネーションは柴が「まる」志波は「かど」
カップリングにした場合はしばしばになるんじゃないかと思う。現状カップリングの目線でこいつらを見ていないけど。
柴の下の名前をを出し逃したが、出さなかったことでもう一本こいつらで話を描く場合のフックにできるな〜と思ったので載せない。表紙頼んだフォロワーだけは指示書に書いたので知ってる。

直接的に影響を受けているもの

『ファミレスを享受せよ』の作者が色々書いているのを見て私もやりた〜〜いと思って書いた。

松本トモキ『プラナスガール』
これに近いことを自分の価値観ラインでやりた〜い!から話始まった。
10〜15年くらい前の漫画なので空気感とかどことなくその時代のコンテンツだな〜となるけれど、そういうものとして普通に楽しめたし(私はそのくらいの時期に学生やっていたオタクなので尚更)それはそうとして最初からこの辺茶化さないで話進めていってほしいな〜と思うところを、きちんと茶化さず誠実に話を回してくれていたのでその辺が本当にとてもよかった。
あの後日談、全ての自カプでやってほしい。

Fairy April『secret lobesick』
そもそもプラナスガールを読もうと思ったことの発端。
バンやろは当時全くやってなかったけどこの曲の経緯と概要を聞いてどうしてもっと早くこのことを教えなかったんだと普通に発狂はした。

怪物
この映画見て16Pのネームボツにして新しいのを描いた。それはそれとしてこっちもボツにはした。
羅生門を見ていないので後半ウウウルトラCのことをぼんやり思い出しながら見てた。あれも3本目のシナリオが男の子と男の子(とどちらも言える年齢じゃないけど……)と永遠の享受のお話なので……。

アフターサン
淡々としたことを描くのってやっぱ画面的な技量や巧さがないと飽きさせずに見せるのってハチャメチャ難しいよな〜とかそんなことを考えながら見てた。
今回は尺とロゴを発注しなかったのでできなかったけど、やっぱ何事も最後にタイトルを載っけたい。あれ、あると本当に余韻に浸れるから……。

ファミレスを享受せよ
ゲームの感想については前にnoteで書いているので割愛。
あれくらい淡々とした言葉回しがすごく好きなんだけど現実問題難しいよという思いはあって。ただプレイしてみるとやっぱ私が好きな台詞回しの方向に舵切ったほうが……が楽しいわ!と思いそうさせてもらった。
台詞回しの面でずっと悩んでいた時にプレイできたので本当によかった。
あと次またなんかコミティアでなんか出すなら女女描きたいな〜とかいう意欲も強まった。

水上敏志『惑星のさみだれ』
影響受けたかは置いておいてとにかくシンプルに面白かった。完成度が高いってこういうことだな、のお手本というか。
バビロン天使の歌を原稿中奮い立たせるBGMとしてしょっちゅう聴いているのでなんとなくその辺の解像度が上がったのも嬉しい。
アンナチュラルを見ることでlemonを完成させるの発言に近い。
あとそのうちやっぱSF描きた〜い!って気持ちもある。規模はともかくとしてSFというモチーフは好きなので。

他にも探せばたくさん影響を受けているものはあるはずだけど割愛。

その他

作業環境を固定せずどこでもできるようにクリスタのワークスペースを改良してショートカットキーを持たないようにしたり、荷物が重たいので出先にキーボードとPCスタンドを持って行かないことにしたら前者は環境が改善してよかったものの、後者は確実に首と腰がおかしくなる兆候を感じた。今も肩と首がなんかおかしい。

同人手帳を最初記載していたが、途中から破綻したのでなんとなくのスケジュールで回していた。計画性がない典型的ダメな例。

全ての描いたものにおけることなんだけど今回においては特に「自分が想定したていた価値観と相違するところがあった」的な失望を受けたらマジで嫌だな〜と思っていて、なんかその辺本当に起きないでほしいなと思っている。
クィアペインティング的なことを言われたら一番嫌だな。なんというか、志波自身それを言われたらどうしよう。と恐れているキャラクターとして私は見ているので……。

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