ワッキーさんへのメッセージ動画をめぐる、槙野智章選手のツイートについて

※予めお伝えしますが、私自身は槙野智章選手、浦和レッズ、鹿島アントラーズをリスペクトしています。
ただ、人によっては気に食わないと感じる点があるかもしれません。ついては、これ以降の文章については”川崎フロンターレを応援する一個人の意見”として捉えていただきたく思います。よろしくお願いします。

6月18日(木)、何気なくTwitterをチェックしていたらTLにこんな呟きが。



最初にこのツイートを見た時、「あれ、鹿島ないけど間違えてるのかな?」と感じました。

そりゃあそうです。ご存知の通り、J1リーグは18チーム制ですし、ましてや鹿島アントラーズはJリーグクラブ最多のタイトル獲得数(国内19冠、ACL1冠)を誇る名門クラブですからね。

ただ、J1で長年戦い続けてきた選手がチーム数を間違えるとは考えにくいです。きっと何か意図があるのだろうと思いました。

そしたら案の定、この呟きに続けて本人からこんなリプライが飛びました。

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※現在は削除されています。

なるほど、どうも槙野選手自身、鹿島と何かしらすれ違いがあったようです。しかし”プロジェクト”というものが何なのかさっぱり見えてきません。謎すぎます。両者の間で何が起きたのでしょうか?

プロジェクトの正体

翌19日(金)、槙野選手が仰る”プロジェクト”の謎が明らかとなりました。

中咽頭がんの治療により休養中のワッキーさんに向けてビデオメッセージが作成されていたとのこと。槙野選手が発起人となり、鹿島を除くJ1の17クラブが参加したそうです。

これで大体の謎は解けました。「メッセージ動画の参加をJ1全クラブに呼びかけて、どのクラブからも賛同の声が上がった中、鹿島だけが不参加となったこと」に槙野選手は憤りを覚え、前述のツイートを残したでしょう。上記のワッキーさんの呟きを槙野選手がリツイートしている点からもそれは明らかです。

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なるほどなるほど。合点がいきました。

しかし、なんでしょう。そういった背景を知った上で選手本人の呟きに目を通してもなお違和感は解消されません。私自身の感性に問題があるのかもしれませんが、どうも気になって仕方ありません。

そこで、私が抱く違和感について以下に3点まとめてみました。

違和感1…SNSで晒すこと自体どうなの?

上記の通り、ワッキーさんに向けたビデオメッセージ作成について槙野選手は「鹿島がプロジェクトに参加してくれなかった」という旨を呟いていました(過去形なのは後に本人が削除しているから)。

確かに動画には鹿島の選手が誰一人として出演しておりません。事情はどうあれ「不参加」というのは揺るぎなき事実です。

ですが、発起人自身から「参加してくれなかった」と公表してしまうのは如何なものなのでしょうか?

話は変わりますが、例えば「職場で飲み会が催される」としましょう。

他の職場の事情は知りませんので私個人の主観に基づきますが、飲み会の出席率が100%になることはあまりありません。誰かしら「仕事の都合がつかない」や「お酒が苦手」という理由で欠席する人はいます。

そんな中、幹事が「飲み会に欠席する」という事実だけ切り取り、社内全体に向けて「〇〇は参加してくれない」と言いふらしていたとしたら、皆さんはどう感じますか?

私なら、幹事だけに「感じ悪いなぁー」と思います。ていうか、そもそもこれは下手すると「イジメ」や「ハラスメント」と捉えられかねないでしょう。

極端な話、鹿島の方から「お前なんかに協力する義理なんてない」と毒を吐かれたのなら槙野選手が憤るのも理解できます。そんな風に言われたら誰だって腹が立ちますよね。

ただ、今回の件について鹿島が不参加となった理由は明らかにされていません。その真相を知るのは槙野選手と鹿島アントラーズの関係者だけです(我々が知らないところで言いふらしていない限りは、の話ですが)。

そういう状況で「鹿島だけ参加してくれなかった」と呟いたらどう思われるか、槙野選手は何も考えなかったのでしょうか?自分の評価を下げかねないと感じなかったのでしょうか?

違和感2…「不参加=悪」なのか?

言い方は悪いですが、ワッキーさんへ向けたビデオメッセージの作成に参加することは義務ではありません。

所属クラブやJリーグから命じられたのなら話は別ですが、一サッカー選手に過ぎない槙野選手が発起人ということですので、呼びかけに応じる義務は発生しません。つまり、参加するか否かは各選手もとい各クラブの自由です。

まぁ私自身、鹿島だけ参加していないのは確かに気になります。他の17クラブは協力できているわけですから、なんとかならなかったのかな?とも思います。1クラブだけ抜けているのはなんかモヤっとしますもんね。

ただ、義務ではない以上は別に協力しなくてもいいわけです。断っても処罰されることはありません。

そもそも、Jリーグ再開に向けてコンディションを上げている最中に他クラブの選手の呼びかけに応じてスケジュールを調整するなんて、よっぽどお人好しだと思います。

必ずしも参加してもらえるとは限らない状況で17クラブが声がけに応じたことに感謝だけすればいいんです。「参加してくれなかった」だなんて恨み節を残す必要はありません。

違和感3…ワッキーさん本人の立場は?

槙野選手としては鹿島アントラーズに対して不満を表明したかったのだろうと思いますが、ワッキーさん本人がそんな様子を目にしたらどう感じるでしょう。

「ああ、鹿島は参加してくれなかったんだなぁ」と思わせてしまう可能性は考えなかったのでしょうか? 変に気を遣わせてしまったりガッカリさせてしまったりするのではないかと思わなかったのでしょうか?

槙野選手の中で、どうもワッキーさんという存在が忘れ去られているよう感じてなりません。鹿島に協力してもらえず悔しかったのでしょうけど、ワッキーさんの立場も少しは考えるべきだったと思います。

最後に

槙野選手の呟きに対して多くのサポーターから反応が寄せられています。鹿島への非難や選手本人の言動への批判、浦和と鹿島が対立する様子を楽しむものなど、内容は様々です。

人によって価値観はそれぞれですので、誰が何を思うかについては個人的に「どうでもいい」と考えています。

ただ、Jリーグ再開が近づいている最中にピッチ外で不要な因縁・争いが生まれてしまったのは非常に残念でなりません。今後はこういった出来事が起こらないよう祈るばかりです。

※記事とは関係ないけどJ再開が近づいていることもあるので、今シーズンのリーグ開幕戦で撮影した写真をアップ

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