「今月の隊員さん」を4年やって

 2018年4月から始めた「今月の隊員さん」、4年続けることが出来ました。ご協力いただいた方々に感謝申し上げます。
 どうもありがとうございました。


■なぜこんなことをやっているのか

 「今月の隊員さん」では、月に一人、隊員さん (ばってん少女隊のファン) にガチでインタビューをして、ばってん少女隊を好きになったきっかけや、これまでのアイドル遍歴、どんな仕事をしているか、普段の生活でばってん少女隊をどんなふうに取り入れて暮らしているかなどを記事にまとめています。

 で、何を目的にやっているのか。

 ばってん少女隊に興味はあるけど、まだ現場に来たことの無い人に向けて、現場の人はこんなふうに楽しんでますよ、というお話を読んでもらって、自分も行ってみてもいいかな、と思ってもらえたら最高、そんな感じでやっています。

 つまり、現場に人が増えることが目的です。
 草の根運動ですが、無いよりマシ。
  (節目のタイミングでいつも書いていることですが、今回も書きました)


 昨年の3月末から「OiSa」が有線チャートで半年間にわたって継続的にトップテン入りしたり、12月には「わたし、恋始めたってよ!」がアイドル楽曲大賞2021インディーズ/地方アイドル楽曲部門で1位をとるなど、嬉しいニュースが続きました。
 この1年でばってん少女隊に興味を持った、また、初めてライブへ行ってみたという方は少なくないのではないでしょうか。
 「今月の隊員さん」が、そんな新規隊員さんに少しでも届き、背中を押すことにつながっていれば、こんなに嬉しいことはありません。


■初めてのアイドル現場の思い出

 私は1982年生まれで、中学、高校生のころから広末涼子さんのファンでしたが、当時はアイドルに「会いに行ける」とは思っていませんでした。
 広島の田舎育ちだったこともあり、周りにアイドル現場に行っている友達もおらず、完全に、僕の観たアイドルはTVの中、でした。

 ところで、私には14歳年下のいとこの女の子がいまして (この子は東京育ち) 、 小さいころからHey!Say!JUMPのファンなんです。そして、中学生になるころから、推しの山田涼介くんを観に現場に行くようになりました。
 つまり、私にとって、初めて出会った ”現場を知る” アイドルファンでした。

 で、なんやかんやありまして、2013年、いとこの保護者として、私はHey!Say!JUMPの東京ドーム公演 (2013年 5.11) に行くことになりました。ずっとTVでアイドルを観ていたおっさんが、30歳になって、初めてアイドル現場を体験したわけです。


 18時開演だったのですが、17時55分ころになると、それまで雑然としていた会場が「もうすぐ始まる。。。」と熱気を帯びはじめ、1分ごとに場内の温度が上昇していくのが手に取るように分かりました。

 そして、18時。

 東京ドームの照明が一気に落ち、真っ暗になると同時に、黄色い大歓声が響きわたり、スポットライトに照らされたHey!Say!JUMPのみなさんが登場しました。

「これが本物のアイドルか。。。!」

 キラキラしたステージと華麗な演出で素晴らしいパフォーマンスが展開され、私は、開演前にいとこから手渡されていたうちわを両手に持ち (たしか有岡大貴くん知念侑季くんのうちわだったと思います) 、ステージを観させていただきました。さすが天下のジャニーズ、ライブとてもかっこよかったです。


 ただ、1つ意外だったことがありました。
 いとこのリアクションが非常に薄いんです。
 アイドルファンって、こう、なんというんですか、現場ではおっきな声とか出すんじゃないんですか? 本物の推しが目の前にいたら、MAXのテンションでペンライトぶんぶん振ったりするんじゃないんですか?

 いとこは山田くんのうちわを持ってましたが、2時間ずっと、大きな声は出さず、たまに「へえ〜」みたいな反応するだけ。保護者の私よりリアクションが薄い。
 ライブ前におこづかいをあげたら、瞬時に山田くんの写真などのグッズをゲットし、ホックホクの笑顔になっていたいとこが、ライブが始まったら、とてもおとなしかったんです。

 楽しくないのかな? と親戚のおじさんは心配になるくらいでした。
 でも、終わったあとで聞いたら、「すごく楽しかった」らしく「いつもあんな感じ」だそうで。

 アイドル現場へ行ったことの無かった私がぼんやりと持っていたアイドルファン像は、もっと大騒ぎするイメージだったのですが、実際にはそれが全てではないことを知りました。

■楽しかったときの表現方法は人それぞれ

 で、2016年ころから、30代半ばにして自分からアイドル現場に行くようになった私も、何度か現場を経験して、気がつけばいとこと同じような「リアクション薄めなヲタク」になっていました。

 ことわっておきますが、楽しいんですよ。
 楽しいんですけど、大声を出すより、心のなかで「おお〜」とか感心してることが多く、うぇいうぇい言わないだけ。テンションがあがればコールすることもありますが、「いつも」ではないだけ。
 最前列も経験しました。コールやフリコピも経験したうえで、客席後方でメモを取りながら観るスタイルの方がしっくりきたので、ある程度距離を置いた所からいつも現場を楽しんでいます。
 (人目が気になる、とかじゃないんですよ。後ろでメモ取ってる姿の方が、客観的に見て「かなりやばい」ことは自覚しています)

 そして、目立たないだけで、静かに能を見るようにアイドルを見守っている方々が、現場にはいっぱいいることに気づきました。
 現場に行く前は、アイドル現場ではみんな騒いでる、くらいの雑なイメージを持っていましたが、実際はそうではなく、周りに迷惑にならない範囲なら、スタイルは自由。

 うぇいうぇい楽しむスタイルも、静かに観るスタイルも「どっちもアリ」なのがアイドル現場なのだ、ということを学びました。
  (余談ですが、仕事の都合などで現場に行けなくても、知人に “自分の帽子” とかを託し、”魂の参加” を果たす人もいたりして、現場で ”魂” がすごく愛されていたりします。)


 色んなスタイルがあり、年齢層も幅広く、そして、バックボーンも様々な人たちが協調して現場が出来ている。
 。。。まぁアイドル現場も色々なので例外はあるかもしれませんが、少なくとも私が体験したばってん少女隊の現場はイイ感じですよ、ということを、現場目線で伝えたいと思いながら「今月の隊員さん」を続けています。


 ばってん少女隊のライブ、まだ現場で観たことは無いけれど、それでもこの記事をここまで読んでいるということは、確実に「隊員さん」な、あなた。機会があれば、是非現場に来てみてください。在宅で楽しむスタイルもアリだと思いますが、ばってん少女隊の現場は楽しいと素直に思うので。

 そして、すでに現場常連な、あなた。
 これからも色んな方のお話を聞きたいと思っていますので、協力出来る方は是非よろしくお願いいたします。
 「ばってん少女隊の魅力は?」と聞かれて、うまく説明出来なくても大丈夫です。「ばってん少女隊、推すぞ」と思ったときの話をしてくれたらオッケー。「人の心が変わる瞬間」は、それ自体でドラマになります (←TVで偉い漫画家の先生が言ってました) 。

 そんな昔のこと、覚えてないぷー
 という古参なあなたも、今、楽しいよ、というお話を聞ければ、それでオッケーです。
 きっと新規隊員さんの背中を押すことにつながります。


■ザワスナヲさんのこと

 「今月の隊員さん」を4年やってきて、私にとって全部の回が特別なので、誰か一人をピックアップして振り返ることは極力やらないのですが、2019年に「今月の隊員さん」に登場いただいた、ザワスナヲさん (※) について書きたいと思います。
 (※ ◇今月の隊員さん◇ 第41回:ザワスナヲさん)


 ザワスナヲさんご本人から「今月の隊員さん」で自分を記事にしてほしいと連絡をいただいたのは、「平成最後の○○」という言葉が流行していた、2019年の4月でした。

 その2年前、32歳のときに大腸がんを患ったそうで、インタビューを行ったときも、まだ完治はしておらず、どうしても生活に支障が出るレベルで薬の副作用があり「今も足に痺れがある」とおっしゃっていましたが、約2時間、ばってん少女隊のことや、ご自身の半生について話してくださいました。

 とても優しいお人柄の、ありっさー (西垣有彩) 推し。

 「推しの言動は、非凡な行動が多く、理解に苦しむことも多いんですよね」と目を細めてお話しされていました。

 記事をアップした直後の検査で病気が悪化していることが分かり、ザワスナヲさんは再び抗がん剤治療を受けることになりました。
 2019年は何度か現場でお会いすることもありましたが、私が「体調が悪くなったり、何かあったらいつでも声をかけてください」と話しかけると「大丈夫ですよ。そんなことより、うちの西垣のレポをよろしくお願いします♪」と笑って話してくださる方でした。


 最後に連絡を取ったのは昨年の5月末。病気は悪くなる一方だったようです。少しして、ザワスナヲさんの妹さんから連絡をいただき、6月7日にザワスナヲさんが亡くなられたことを知りました。

 インタビューのなかで、特に印象に残っているのが、次のお話しです。

抗ガン剤治療をやっていたころ、病気を治すおまじないというか、毎回やっていたことがあって、2s撮影のとき「お腹に大きめの病気があるので、パワーを送ってください」と伝えて、私のお腹にかめはめ波をしているようなポーズをとってもらっていました。
 (中略) 
なんか、すごく気持ちが楽になるんです。 これをやってもらうと「よし、大丈夫だ」と思えて、力になってくれるので、よく見返しています。

https://suhaigenba.blog.fc2.com/blog-entry-195.html

 抗がん剤治療中も、コロナ禍になるまでは、お医者さんに許可をもらってアイドル現場に通うことをやめなかったそうで、ザワスナヲさんにとって、アイドルは「生きる希望」であったのだ、と感じました。


 ただ、やっぱり、あまりに早すぎます。「わたし、恋始めたってよ!」も聴いてもらいたかったし、ピンクの系譜を受け継いだ蒼井りるあさんのキラキラした魔法にもかかってもらいたかったです。
 もっともっと「生きる希望」をもらってほしかったです。


■一期一会

 これまで「今月の隊員さん」に登場された方のなかには、今はもうばってん少女隊の現場にいない人もいます。連絡が取れなくなった人もいるし、他の現場で元気にやっている人もいます。

 もし、他の現場で「生きる希望」を見つけたら、その現場を一生懸命応援するのがいいと思います。本当にそう思います。
 そして、「生きる希望」を持って生きてください。
 で、タイミングがあえば、またばってん少女隊の現場でお会いしましょう。それでいいと思います。


 「今月の隊員さん」をやっている目的は、最初に書いた通り「新規獲得」のためですが、2018年、2019年、2020年、2021年とやってきて「ばってん少女隊の現場には、こんな人がいました」という、その時点での、思い出の隊員さんの記録という性質も帯びてきました。

 ちなみに、今年の8月には、おっさんは40歳になります。初老です (笑) 。
 でも、いくつになっても、ばってん少女隊の現場を通じて、色々な方と出会えることを楽しみにしています。そうやって、色んな思い出が一つひとつ増えていくのもまた、いいものだと思っています。
 「今月の隊員さん」を続けられるかぎり続けたいと思います。

 そんなわけで、当ブログではお話を聞かせてくれる隊員の方 (18歳、高校卒業以上) を募集しています。
 特別なエピソードは必要ありません。「ありのまま」で大丈夫です。
 接触厨も楽曲派もOK。楽しみ方は人それぞれ。(でも周りの迷惑には気をつけてね)
 DDの方も“隊員の日”があるなら立派な隊員です。
 ご協力いただける方はhttps://twitter.com/SuhaiGenba までDMでご連絡ください。

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