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【カウンセリングがアブセンティーイズムに及ぼす影響】Effectiveness of Workplace Interventions for Improving Absenteeism, Productivity, and WorkAbility of Employees: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials

概要

従業員の生産性、労働能力、欠勤を改善するための職場介入の有効性と、最も効果的な方法を明らかにする。職場介入に関する無作為割り付け比較試験を対象にメタ分析を実施した。2000年から2017年までの18-65歳の従業員を対象とするRCT47件を系統的レビューの対象とし、19のRCT (アブセンティーイズム11件、生産性7件、労働力5件) をメタ分析の対象とした
その結果、メタ分析では、アブセンティーイズムに対する職場介入の有効性は-1.56(95%CI -2.67 - -0.44)および中等度の質のRCTのみを考慮した場合は-2.65 (95%CI -4.49 - -0.81) であることが示された。
対照的に、生産性と労働力に関する職場介入の研究はわずかであり効果判定するには不十分であった。
職場は欠勤を減らすのに興味深い環境であり、合計10セッション未満の個別化されたカウンセリングが、従業員のアブセンティーイズムを減らすための最も効果的な職場介入方法であった。
今後、本エビデンスをより頑健にするため、健康リスクも考慮した質の高いRCTが求められる。

(OK、実際に合致している)

問題と目的

  • 職場の健康管理としての介入のアウトカムには、従業員の生産性、プレゼンティーイズム、アブセンティーイズムがよく利用される

  • プレゼンティーイズムとアブセンティーイズムの双方が生産性を低下させる

  • 他のアウトカムには、労働能力がある

  • この一つ目の定義は、特別な訓練を必要とする特定の仕事に関するもの、もう一つは短期間の訓練でほとんどの人が行える仕事に関する定義である

  • 従業員の健康に関する介入のメタ分析が行われており、若い従業員、座りっぱなしの従業員、プログラム開始時の参加者が少ない、参加者と毎週契約をしている場合に介入効果が高いことが示されている (Rongen et al., 2013)

  • しかし、仕事に関連するアウトカムへの介入効果は明確になっていないため、システマティックレビュー及びメタ分析を行う

方法

データソースと検索

  • PubMed, Scopus, PsycINFO, Cochrane Central Register of Controlled Trials

  • 2000-2017年のRCTを検索

  • 18-65歳の従業員を対象とする職場の介入研究で、対照群があり、生産性、パフォーマンス、プレゼンティーイズム、アブセンティーイズムをアウトカムとするもの

除外基準

プロトコル研究、フォローアップ研究
レター、政府の統計、本の章、学位論文、学会のアブストラクト

手続き

  • システマティックレビューとメタ分析ははPRISMAに従う

  • 各研究の質は、Quality Assessment Tool for Quantitative Studies (Effective Public Health Practice Project, 2010) による

  • ヘテロジエネイティはI2で評価し、I2>75%の場合はランダム効果モデルを採用する

結果

(1) 対象となるRCTの特徴

  • 47のRCTのうち、37がRCT、10がクラスタRCT、合計10556の参加者

  • 多くはネザーランド (n=10)、デンマーク (n=9)、米国 (n=7)、日本 (n=5!!) 、ドイツ (n=2)、フィンランド (n=3)、オーストラリア (=3) で行われている

  • 少数だが、ブラジル、ノルウェー、ポーランド、トルコ、北アフリカ、スウェーデン、スイスでも報告がある

  • アブセンティーイズム29件、生産性22件、労働能力11件

  • 介入は、教育 (n=17)、マルチコンポーネント (n=11)、カウンセリング (n=9)、身体的活動 (n=7)、組織的介入 (n=2)

  • 介入期間はシングルセッションから36か月間

(2) システマティックレビュー

割愛


(3) メタ分析

①アブセンティーイズム

  • 中程度以上の質の研究を対象にすると、介入がアブセンティーイズムを減少させる効果量は-2.65日であった (95%CI, -4.49 - -0.81, p<0.001)

  • ただし、異質性が高あった (I2 = >=97%)

  • 対面の介入は、中程度以上の質の研究を対象に分析した結果、アブセンティーイズムを解消する効果は認められなかった (-3.20日、95%CI = -9.87 - 3.47)

  • バーチャルな介入は、中程度以上の質の研究を対象とするとアブセンティーイズムを解消する効果は認められなかった (-1.72日、95%CI = -3.73 - -0.29)

  • バーチャルな介入は、質の低い研究も含めると、アブセンティーイズムを改善する効果が認められた (-1.45, 95%CI = -2.40 - -0.50)

セッション回数が10回未満の介入は、中程度以上の質の研究を対象とすると、アブセンティーイズムを改善する効果が認められた (-3.99日, 95%CI = -6.33 - -1.65)

  • 個人セッションは、中程度以上の質の研究を対象にするもの (-2.65日, 95%CI = -4.49 - -0.81)、低い質の研究を含めるものの双方でアブセンティーイズムを改善する効果が認められた (-1.32日, 95%CI = -2.67 - -0.44)

  • グループセッションは、中程度以上の質の研究はなかった。また、低い質の研究を含めるとアブセンティーイズムを解消する効果は認められなかった (1.72日, 95%CI = -4.77 - 8.21)

  • カウンセリングは、中程度以上の研究を対象とすると、アブセンティーイズムを解消する効果があった (-3.99日, 95%CI = -6.33 - -1.65)

  • 一方で、カウンセリングではない介入は、中程度以上の質の研究を対象にすると効果が認められなかった (0.01日, 95%CI = -1.50 - 1.52)、質の低い研究も含めるとアブセンティーイズムを解消する効果が認められなかった (0.87日, 95%CI=-1.15 - 2.90)

②生産性 Productivity

③労働能力 Work ability







文献

  1. Effective Public Health Practice Project. Quality Assessment Tool for Quantitative Studies Dictionary; Effective Public Health Practice Project: Hamilton, ON, Canada, 2009. Available online: https://merst.ca/wp-content/ uploads/2018/02/quality-assessment-tool_2010.pdf (accessed on 12 March 2020).

  2. Rongen, A., Robroek, S. J., van Lenthe, F. J., & Burdorf, A. (2013). Workplace health promotion: a meta-analysis of effectiveness. American journal of preventive medicine, 44(4), 406-415.

  3. Tarro, L., Llauradó, E., Ulldemolins, G., Hermoso, P., & Solà, R. (2020). Effectiveness of workplace interventions for improving absenteeism, productivity, and work ability of employees: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. International journal of environmental research and public health, 17(6), 1901.

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