急いで言わなければならない5080の私たちの事件③  そして、風俗、セックス、出会い系、女たちの問題

家を出ることになった。
これからアパートを探して、色々手続きにゆく。
あの、川の、まちへ。ここから、離れた地域へ。
落ち着いて、少しずつ。私は恐がりで力がないから。
一つずつ、あわてないで、ゆっくり。


初期費用は、親が出してくれることになった。
その後は生活保護になる。
南条さんの精神障害と体の状態では働くのは無理でしょう、
引っ越したら2週間以内に住民票を出す法律があるから、それで役所に行って、生活保護や障害者のことの手続きをしてくださいね、
と、
あの川のまちの役所の人がおしえてくれた。


その前に、親に冷静に、昨日役所で話し合ったことを、その結果を、正直に話した。
最初は、母に。
母は、すぐ怒り出した。
「お前はお母さんたちがお前を虐待してるって勝手に思ってるんでしょ、もういいよ、勝手にすればいい」を繰り返して怒った顔を向けて、そしてすぐそっぽを向いた。
「アパートのお金なんかママが出してあげるよ。お父さんに話しなさい」。怒って言った。あの恐ろしい父に。


けれど、私は少しずつ、気づいていった。
優しいと、ずっと思っていたママ。
でも昔から父がしょっちゅう逆上して母を怒鳴るのは、父がそこまで腹を立てるのは、誰のせい?
不機嫌さを隠さず、あどけなく正直にひどい事実を面と向かって言い、自分は被害者だと思っていて、でも思い通りにならないと「素直に」怒る。
そう、いつも素直に、まっすぐ人を傷つける。
陰口を言い、「お母さんなんかね」ということを人の話にすぐ差しはさみ、私の病気のことを書いてある本を読んで欲しくて差し出したら、「お母さんそんなの分かんないよ」とすぐこともなげに言った。私は逆上してその場で本をゴミ箱に叩き捨てた。
私は少しずつ、気づいていった。
恐ろしい父の陰に隠れていた、本ボシは・・・・・


私は静かな気持ちだった。かまわない、と思った。


性のおもちゃを目の前にして二人は「見ていない、知らない」と言った。
「初期費用は用立てられない」と以前ママは言った。
「そんなの自分で用意しなさい」と言った。
そのためにキャバクラをやったらマクドナルド並みの給料しかもらえないのに、「働いてるんだったらお金をよこしなさい」と言って一万円も取った。
私は障害者年金とその少ないお金で何十万か貯めなければならなかったけど無理だった。ストレスが溜まった。酒も煙草もやらなきゃやってられなかった。それが私の弱さであっても。
病院では「どうですか、うん、じゃあお薬いつも通りね」。カウンセラーは悲しい顔で30分話は聞くけど知識がなかった。
父はしょっちゅう私にマスターベーション、という言葉を使った。「お前の書いてるものなんかマスターベーションだ」。パパ。私のマスターベーションの道具を真ん前にして「見てない」って言ったけど、面白い?実は私もマスかくんだ。
私が明け方薬でトイレに起きてしまうのはあなた方は知っている。私が気をつけて静かに、階下のトイレに行くことも。なぜ昨日に限ってその小さな音を「おかしい」と思い、「警察を呼ぼうと思って」そして私の部屋に入った・・・・・綺麗に掃除されてはいるが、布団のめくられたベッドの上にあったのは?
ずっと長い年月、しばしばそれをちらつかせ、しかし引っ込めては笑い、それを続けてきて、でも何故、昨日に限って、ついにそれをやった?

私を強姦することを。

親はベッドに上がって窓を開けたのに、そのベッドの上、めくられた布団の真ん中に転がっていたピンクローターなんか「見ていない」と二人とも言った。「そんなの知らない」。
下着を引き出しにぐちゃぐちゃに入れたのは「しまってあげた」と言った。

なぜ私を強姦したの?

ずっと、すれすれの暮らしを、私たちはしてきた。
精神の強姦すれすれの暮らしを。
でも、いつも話にならなかった。
話すと「生意気だ」とか「そんなこと病気のこと話されたって分からない」とか「そんなの知らない」、そして怒られ「出て行け」と言われた。生活能力と知識がなかったからまた家に戻っては強姦すれすれの暮らしを繰り返す。私はあなた方の火種で、あなたがたは私の魂を殴り、私は時に爆発して殺そうと殴り刃物を出し、なじり合っては仲良くみんな微笑み、お前はずっとお母さんのそばにいなさいと言い、介護頼むねと言い、でも、私は、

強姦されてしまった。

そして勝手にしなさいと言われ、ついに一人になれる。
50まぎわになって、ついに。
自由になれることになった。
よかった。


もうレイプされなくていいんだ。
もう自由にトイレに行って、自由にシャワーを浴びれる。
ひどい食事を無理矢理食べさせられることもなくなる。
好きな時間に、好きなパスタをゆでて食べられる。
自由に夜や明け方、かぐわしい空気を味わいに外を散歩しても怒られない。
すごい音のテレビを我慢しなくていい。
開け放ったドアのそばのベッドでいつも全裸で寝ている父を見なくてもいい。
早朝から深夜まで点けっ放しの麻雀番組やエンターテインメント番組の音を聞いて部屋に引っ込んでだまって、音を耐えなくてもいい。


何をやっても、もう怒られない。
つらいことを、もうがまんしなくていい。
精神をレイプされない。怒った顔でなぜ従わないと言われない。


自由に泣いて、笑って、そして書き続け、そして想い続けていいんだ。


生活保護費用はいくら出るか聞いて分かった。うーん、大好きな煙草はやめなくちゃいけないかな。大好きだけど。たまにひと箱気まぐれに買って、川辺で吸ったりするのはいいかもしれない。携帯用の灰皿は、持ってるから。
お酒も、減らさなくちゃ。でもたまに飲むビールの「くー!」という美味しさが、味わえる生活になるというわけだ。
そうして、安心して、楽しみになる一方で、私は呆けたように座り込んでいる。
ここに吐露する以外、いまはできない。

なぜ、もう涙が出ないんだろう。泣きわめきたいのに。
なぜ、力が入らないんだろう。色々始めなくちゃいけないのに。

まだ痛い。裂けてる。痛い。恥ずかしい。恐い。

誰か助けてーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!

あのひとが、ふわりと現れた。そして私の魂を優しく抱いた。そして優しく訊いた。
イオちゃん、どうしたの?

あの川のまち。
だいすきなひとの笑顔が川辺に浮かぶ。
私は、もう、なんだか、力が、出ないの。
私はあのひとの腕に倒れ込む。しあわせに。
連れてってね、あの川に。
私はとても、痛くて、とても、疲れたの。
これから色々やらなくちゃならないけど、少しずつやるね。


※私がこれらの生々しい事実を書いたのは、私のためだけではない。
言えずに黙っていなければならないすべての女性たちのために。

私は書けても拡散能力がない。私の文章にはちからがない。
私はちからがない。
でも、事実を書き続けるわ。
小さなひとつの叫び声が、世界に届くことがあることも、私たちは知っている。

だから、私は書き続けるわ。

だから、これは怒りではないの。

悲しみと恐怖の、止まらない涙なんです。
ずうっと、昔から、流れ続けている涙なんです。
ずうっと、昔から、止まらない私の、血なんです。

そして重要な問題。

出会い系、とは。

男性は性について、オープンにできる。
風俗店もあるし媒体もある。性欲を発散できる。

でも、女性にはない。ほとんどない。
性欲は、私のような障害者にも、実家で暮らしている女にも、中年で体が変わり始めている女にも、そういう機会があまりない女にも、ある。
でも、誰にも訊けない。
恥ずかしくて話せない。
相談機関も探しまくらないと出てこないし、相談しても相談員の女性が私の性欲をなだめてくれるだろうか?
私がたかだか140円の、こそこそ通販で買ったピンクローターにすべての性欲を頼らなければならないのを、誰にも言えない。
そういう女たちは、恥ずかしいから、匿名で、性欲を発散しようとする。
出会い系だ。

そして女たちは、病気や、人間関係の問題の危機にさらされ、
そして女たちは、時に死体となって発見される。
男たちではなく、女たちが。
出会い系サイトで知り合った、女たちが。
性欲は、女に、中年にだって、ある。
私たちには、出会い系サイトしか「風俗」がない。

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まずはあなたに最大の感謝と敬意を。書くのが大好きなだけだから、自由に楽しんでくださればいいです。いつか飲みに行けたら、いいですね(^_-)-☆

私、だーれだ?あそんでみない?タダだから!
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南条 イオ

恋、書くこと、音楽三昧。のんきに優雅にげんきよく。そして、今日を大事に無事に笑顔だよ!

ある精神障害者の奮闘記

躁鬱。障害2級、年金、無職、バツ2出戻り、アラフィフの50、80の親元。依存症に境界性人格障害。 でも、もう一人で自由に生きていきたい。夢もある。そうしなきゃ絶対後悔する。もう、あとどれくらい生きられる?世を人を自分の人生を呪って生きるのは、もういやだから。 障害を抱えて...

コメント2件

手巻きタバコにすればかなり安く抑えられると思いますよ
情報ありがとうございます。以前麻薬中毒だった友達に「マリファナのやり方と一緒でカンタン」と教えてもらい、ごちそうになったのですが、不器用だしなあ。
そして、48歳とはいえ「女」の私は、歯やお部屋のヤニ汚れも、気になっちゃいます。それでアイコスにしたんだけど、うー。ヤニ問題は解決してもお金かかりすぎる!

生保は管轄で提携してれば医者は全部ただです。元夫と、ただであちこちの病院に言ったものでした。
今はどこの小さい病院でも「冷やし中華始めました」みてえに「禁煙外来始めました」って貼り紙がしてあるから、ためしてみるのも一興かな。禁煙なんか17で吸い始めてから一回もやったことねえけど。
でもたまに、学校で隠れて「あーうめー」ってみんなで吸った煙草の美味しさを、たまに吸うことになれば、思い出せるかもしれない。「あーありがてえ」って。
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