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ディオゲネスの刃

古代ギリシャの哲学者ディオゲネスは、何も持たず樽の中に住んでいた。
ある日アレクサンドロス大王が来て、「お前の望みは何か」と訊くと、ディオゲネスは答えた。
「そこをどいてください。日が当たらなくなるから」。


引きこもりやホームレス、自室がゴミ屋敷になってしまうような人々は『ディオゲネス症候群』と呼ばれたりするようだ。
引きこもり、ホームレス、ゴミ屋敷。そんなニュースはネットでしばしば炎上する。働け、と言い放ち、時には口汚く罵る向きもあるのは知っている。
私も樽の中の住人の一人になるだろう。アタマは悪いけど。
だが、それだけか?
この胸に燃え上がる猛烈な怒りは、私だけのものなのか?
誰に向かって?自分自身の不甲斐なさ。けれど私の樽に日陰を作り、私の住み家を暴き、精神を犯し、「お前は間違っている。正せ」と言い放つ者たち。


他者へ(血縁、そして理解しようという気のない者たち)の憤怒もある。
あなたは、完璧な人間?自分の人生を振り返ってみると?そこは無菌室のように綺麗かしら?


『Army Of Me』


もう同情しないわ
もうこれ以上はね

もし私にもう一度文句を言うなら
あなたは私の軍隊に会うことになるわ


もう肩身が狭いとは言わない。理解できない、他者の感情を想像できない、想像する気もない、ニュースを自分の観点からだけから一面的にしか見られない人たちに用は無い。情けもかけない。
それは哀しい人々。意の薄い人々。もちろん人々は須らくこの世に必要だ。
ただ、その人々のその観点に立ってみる。想像してみる。
「自分はこんなに世間で働いて苦労してるのに、怠けやがって」。
ほら、透けて見える。「苦労・自立」。でも、引きこもりや精神障害や孤立のために苦しんでいる人々に対しては、「解らない。許せない。腹が立つ」。


「自分と同じようにできるはずなのに、なぜやらない?お前はゴミだ」。
蔑まれている弱者たちにもし足がなかったら、眼が見えなかったら、心の悲鳴がなかったら。
その障害を持つすべての人が苦痛に耐えてパラリンピックの選手になれたり、社会的に自立することは、すべてのそうした人たちに可能?「すべてのそうした人たちに」。もちろん、不可能な場合も往々にしてあるわね。


あなたにそんな隣人がいたら?血縁がいたら?


あなたがもしそうだったら?


想像力。
あなたがもしそうだったら?
そして私も考える。自立の恐ろしさ、そしてそれでもやってみようという果てなき意欲と夢を抱けた事実。「健やかに努力を重ねている」あなたは、人生で一度たりともつまずくことなく生きてきた?あなた「こそが」「あなたの周囲の健常な人こそが」まっとうな人間?


税金がどうたらこうたら。実は、私も払っているよ。ご存知の通り。私の父親のお得意のセリフは、
「お前誰に食わしてもらってると思ってんだ!」
そう、私は乞食よ。お恵みを。


でも、残念ながら、私も意識や感情を持ってしまった。
樽の中から世界を眺め、あらゆる感覚と感情を味わっている人々。
明日は健常者のあなたが、そうなるかもね。
想像できる?ジョン・レノンのシンプルな詩を。
「僕は夢を見てるだけかもしれない。でもそんな夢を見てるのは僕だけじゃない」。


だから私は、ほとんど読まれない文章を書いている。
ジョン・レノンに触発された、詩を。


「新しい時代へのイマジン/あなたへの手紙」

 https://note.mu/suiren421/n/n76dd935665e9?magazine_key=m54ca2c7a8c7b


そして力なく、泣くことしかできない激痛を抱えた人たちに贈る物語を。


もし私にもう一度文句を言うなら あなたは私の軍隊に会うことになるわ


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南条 イオ

恋、書くこと、音楽三昧。のんきに優雅にげんきよく。そして、今日を大事に無事に笑顔だよ!

ある精神障害者の奮闘記

躁鬱。障害2級、年金、無職、バツ2出戻り、アラフィフの50、80の親元。依存症に境界性人格障害。 でも、もう一人で自由に生きていきたい。夢もある。そうしなきゃ絶対後悔する。もう、あとどれくらい生きられる?世を人を自分の人生を呪って生きるのは、もういやだから。 障害を抱えて...
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