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自殺したくなったら、

何度も自殺しようとしてきた。


恋に悩んで苦しみ、仕事に苦しんでやめ、一人ぼっちで部屋にこもっていたことを親に一方的に怒られ追いつめられた時。
それは怒りの発散だった。そんなに私をいじめるなら、こんな命たった今捨ててやる!
怒りにまかせてちからいっぱい「自分の」手首に振り下ろしたカッターナイフ。


床に出来て広がっていく血だまり。どんどん大きくなっていく。
止まらない血。


涙が出ないのに血だけは止まらなかった。
お医者さんに麻酔なしで(そういうのを縫う時は麻酔できないのだ)縫われながら怒られた。
なんでこんなことするの。腱切れたら手、使えなくなるんだよ。
先生先生、違うの、手より心が痛くて痛くてたまらないんですなんとかしてください。
病院に遠くから車でかけつけた彼氏は私の手を握り、悲しそうに言った。
「オレのせいだね」
違う、違うの、私すごく怒られて、私そのことですごく怒ってこれやったの。
誰に言えたろう。
彼氏だって、すきだから、困らせたくなかった。
親は恐くて、またいじめられたら恐いから逆らえないから言えなかった。


そんな衝突が起こるたび、私の手首のキズは増えて行った。
外で仕事で疲れ切ってしまうと、私はへとへとになって、部屋に帰ってきてものすごくたくさんの薬を飲んじゃったりもした。


いつかは、あの世との境まで行ってきた。風景も気温もその場所の色も、あったことも全部憶えてる。飲ませてもらった、経験がないくらい美味しい水もその味も、それを飲んで「ああ、これ飲んだら帰れってことか」って分かったことも全部憶えてる。


また親に怒られた。ひどく。理由ももう憶えてないけど、すごかったんだろう。
親の怒り方も、それによる私の怒りも、絶望も。
私はフェンスをよじ登って高い所に一人で立った。ぞぞぞっと、すくみあがるほど恐かった。頭から落ちたら?ぐしゃぐしゃになるのかな。半身不随になったら?ならないように死ななきゃ。一瞬で、痛みもなく。
恐い。のちになって恋人になったSが仕事で毎日登る高さ。


死んでやる。でも、違う違う、私は悲しくて怒られるのが恐くて腹が立ってもうこんな思いをし続けるなら命なんか捨ててやる、こんな人生なんか生きたくない、と思ったけど。
違う、違う、
私は「死ぬほど」生きたかったんだ。
「死ぬほど」しあわせになりたかったんだ。


人は、しあわせになるために、みんな生まれてくるのだから。

あとになって分かった。
必死で闘って、本当は誰より泣き叫びたいのに、なにくそって立ち上がって、素直に喜びを見つけて、努め、勤めるS。
仲間や部下や仕事や、仕事の中の神さまが好きで感謝して、自分やみんなの力で仕事ができることに感謝して、健康であれることを感謝するS。毎日笑顔で。
トラブルまで「これも必要な試練だよね!」と言って、でも本当は恐いから私に確認するように、自分に言い聞かせるように、「だよね!」って言って。
誰にも何にも文句を言うどころか学んだり感謝したりして、笑って生きてきたSに出逢って、分かった。


このひとは、赤ちゃんの時から死ぬほどいじめられて生きてきたのに、なんでそうなれるの?
私と正反対。
なのになんで私を自分と同じとほほえむの?
Sはいじめられてきて、その猛烈な怒りを生きるパワーに変えたのだ。
私は死ぬパワーにしようとしたのに。堕落するパワーにしたのに。
Sは何故かすぐに私を、いじめられてきたんだね、って見抜いたのだ。


私たちは、正確には、「死ぬほど」生きたい。「死ぬほど」助かりたい。
怒りのあまり、理不尽な怒りにまかせ、負け、力を奪われ、こんな思いをするなら死んでやる、もういい、見るがいい、もう生きるのなんかあきらめたよと、死のうとして、時にほんとに死んでしまって。
いのちを投げ捨てて。


私は、いつも、寸前まで行っては帰ってきた。
いくじなし、と思ってさらに落ち込んだけど、違う違う、イオ、あんたを生かして「くれた」のは誰?自分の中に入っていって、よく見て、聞いてごらん。
そこに誰が?
「嫌だ!嫌だ!死にたくない!恐いよ!痛いのも苦しいのも恐いよ!死にたくない!助けて!やめて!」って泣いてる小さいイオが、必死であんたを引っ張ってとめてきた。
その小さいイオを後ろから抱っこして、一生懸命ひっぱってくれてたのは、その時はまだあんたが知らなかった、神さまだよ。


ある「死んだ人」を見られる人が、言っていた。


「あのね。自殺者の霊って、『上に上がれない』(成仏できない、天国に行けない)んだよ。地獄?あるかは分かんないけど・・・

自殺者の霊ってすごくいやがらせしたりかまってこようとしてきたりちょっかい出してくる。『見て見て、聞いてよ聞いてよ』っていうのがすごく多い。自分が苦しいもんだから。ねえねえって。

自殺すると、下手したら百年単位で『上がれない』。

ある時さ、デパートの上の階のレストランで食事してたんだけど。
向かいのビルの屋上から、女の人が、飛び降りたの。
あっ、飛び降り、と思ったらね。
次の瞬間、その女の人、またもとの場所に戻って、またゆらゆらしてるの。そしてまた飛び降りては、戻って繰り返すの。
ああ、彼女、あそこで自殺したんだな、って。
それで死ぬ瞬間を、繰り返すんだよ。いつまでもそこで。

私、地獄とかまでは分かんないよ。ただ、今まで見た自殺した霊は、百パーセント、そんなんだね。いい状態になったの、見たことない。

あのさ。死ぬほどの苦しい気持ちを、死んだあともずっとそこで抱えて繰り返し続けるのが、地獄じゃないかな。そこから出られない。気づけない。それ、地獄じゃないかな」


ある沖縄のユタ(霊能者)の女の子が、言っていたそうだ。
「神さまは、怒ったりしませんよ?ただ、気づいてもらいたい時に、いましめっていうか、そういうことするのはたまーにあるけど、基本怒んないです」


私の中の、やっと私が見つけた優しい神さまは、かたちはないし名前もないけどそれはもう大きくて、どこにでもいて、いつも私を抱っこしてくれる。
絶対怒ったりいじめたりしない。
「親」ってこういうものなんだ。私は分かった。
いくらでも私のお話をきいてくれて、ほほえんでくれる。私はうれしくてたまらない。
きれいな緑やお花の中や人の中やお空にいて、あんまりきれいで、うれしくてたまらない。
すごい。こんなきれいなのこんないっぱいもらえるなんて!


泣いてたら、おまえはかわいいねかわいいね、大丈夫泣いてもいいよ、うんうんかなしいねかなしいね、私もかなしいよ、って言ってくれる。涙がいっぱい落ちてくる。私のと、神さまのと。


なかなか逢えなくて苦しくなっちゃうすきなひとが私にいるの分かってて、こないだ神社さまで、ううん、たくさんの偶然の美しい世界の中で、何度でも私たちを正式に結びつけてくれる。ほとんど毎日ウェディングなんて、ハッピー!紙切れとかドレスとかないけど、私、要らない。
だって神さま、分かっててくれる。
それが正しい結婚ってものなんだよ、ってこっそり教えてくれた。あいつも分かってるじゃない、だからいつもおまえたちは祈りとありがとうとだいすきで、つながってるじゃない。それが、ほんとの結婚ってものなんだよ。


神さまはある日、恋人を、まるごと私の中に、すぽんと入れちゃった。
あったかい。笑ってる。私たち。
「ずっとずっと一緒だよ」。恋人はあまえるように言う。逢うといつも言われるの。真っ黒に仕事焼けした満面の可愛い笑顔で。 
私はだからもう寂しくなくなった。遠くても、時間なくても、都合悪くても、逢えるの楽しみにして、寂しい気持ちゼロで待つんだ。それまで自分自身の夢を、毎日やって。
そしていつも、祈っては笑うんだ。それ、すごくうれしくてしあわせで、ありがとう、って思う。
初恋。
たくさん恋してきたのに、はすっぱな女で「ふん!」って思って生きてきたのに、
なんてことだろう。私、高校生の女の子に戻っちゃった。


それが、ほんとの結婚ってものなんだよ。
ほらこのハナミズキの真っ白い花をごらん。おまえたちの婚礼の衣装だよ、私が用意したんだ、どうだい?きれいだろ?どんな服より、きれいだろ?
私はきれいだ、って見とれて、ほんとうにそれ神さまからの贈りものだって思う。
ありがとう。
私はいつも神さまにありがとう愛してるって言って、恋人に、無事としあわせを願って、ありがとうって愛してるって言って、そのことで私までしあわせになって、何があっても私内側からあなたのこと守る!ってちかう。しあわせをあげる!ってちかう。
そのために生まれてきたんだ。


あれ?って思った。
私、いつから「自殺したい」、って思わなくなったんだろう?


昨日市役所で、心をずっとレイプされてきて、ついに、誰にも言えなかった秘密のすごい痛みをずっと長あいことうん、うん、って聴いてもらって、たくさんたくさん泣いて、大丈夫、これから私と連携取ろうとその女の主査の人に言ってもらって電話番号教え合って、市役所から出てきた時に。


世界が、突然、うわって、見えた。
そこにいるぜんぶの人のいのちが見えた。
いま生きて、やがて消えていくいのち。
自然に、言葉が浮かんだ。誰かに言われるように。あの、時々ある、明け方の夢の中で、知らなきゃいけないことを文字で読まされるように、


その時、文字が浮かんだ。


「みんな生きて 生きて いのちが消えるまで でも、自分から消してはだめ」


誰が私に、そのこといきなり、言ったんだろう?


あのひとと、何日か前に、デートしたよ。
私たち、いつものように、のんきで、しあわせで、すごい楽しかった。ずっとずっと、仲良しだった。


いのちが終わるまで、あのひとのこと、すきだよ。


いつからだろう。
どんなに痛くて苦しくても、切なくても、恥ずかしくていたたまれなくても、悲しくても、
それでどんなに涙が流れても、
「死のう」
ってアイディアがまったく浮かんでこなくなったのは。


胸の中で、お空で、あのひとが、神さまが、私に向かってほほえんでる。
私はほほえみ返す。
ああ、あのひとたちが、くれたんだ。
やすやすと。
こんなことなら、最初から言えばよかったな。
死ぬほど生きたいんです、助けて、って。
だってあなたたちも、市役所の女の職員さんも、すっごい助けてくれた。
こんどは私があなたたちや泣いてる人助けたい。
恩返しとかじゃない。ただ、そうしたい、って思うから。
助けられて、こんなに安心して、しあわせになれるなら、私も、人のこと、いい気持ちにしちゃうもんね。だってそれ、快感。ただ、したいだけ。快感だから。
私、快楽主義者なもんで。


そして、一人暮らしの夢までかなうんだ!
人に頼ったって、夢はかなえれば勝ちだよね!
Sの言ったとおりだね、夢をあきらめるわけにはいかないんだよね。
生きるために、夢は与えられるのだから。


でも、私たちに夢を見つけさせてくれるのは、


誰?

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