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読書会議事録

来たる5/11、陽光差し込む初夏の日差しの中、サロンで読書会をしました。

テーマは「初夏に読みたい一冊」
紹介する本と、その選定理由に参加者それぞれの「初夏」に対するイメージや捉え方の違いが浮き彫りになり、単に一冊の本を紹介するだけでない面白さがありました。

春でもない、夏でもない。曖昧だけど、キラキラしていて、初夏が来るたびに、思い出す、感覚と密接したほんの一瞬の季節。そんな初夏に抱くそれぞれのイメージの一冊はこちら。

①トレインスポッティング(アーヴィン・ウェルシュ)

曰く、青春とは、人生の春と夏の間の初夏のような時期のこと。
小説では、映画で描かれた以上にうだうだする“初夏”を満喫する若者たちが描かれている。

②たんぽぽのお酒(レイ・ブラッドベリ)

こちらも、夏の輝く陽射しの込められた夏の思い出。 言葉選びひとつひとつが繊細で宝物。

③すいかの匂い(江國香織)

夏に関する短編集。誰かの夏の思い出を聞いているような、懐かしい気持ち。

④哀しき父(葛西善蔵)

打って変わってこちらはじめっとした夏の湿った空気が伝わってくる一冊。
私生活でも破滅的な人生を送った葛西善蔵のやるせない親子の感覚。

⑤五月の貴公子(萩原朔太郎)

「月に吠える」に収録。5/11は朔太郎忌だったので、萩原朔太郎から初夏の詩を。
5月に亡くなった朔太郎は、初夏の気持ち良さと気持ちの良い空気と自分を対比して絶望する両極端な詩を多く残しているが。こちらは初夏の新緑の上に身を投げ出したような気持ちのいい一遍。

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