徒然短編小説 言ノ葉と雀



穏やかな小春日和が続いております。
お元気ですか?

あなたが旅に出てから二年が経ちましたね。

遠く離れているため、あなたが今この手紙を受け取っている頃には、季節が1つ変わっているかもしれません。

あなたは不器用で、人見知りだから、新しい地でちゃんと友達ができているのか心配しています。でもきっと、あなたは図太いから何処へでも何とでもしてしまうのでしょうね。言葉足らずな事も多いですが、きっと上手くいくと思います。あなたは昔からそういう人でしたから。

旅立つ日、約束したことを覚えていますか?
家に帰ってきた時に「楽しかった」と言えるように日々を過ごしなさい。
ちゃんと守れていますか?あなたは今、笑顔ですか?

もし辛いことがあったら、逃げたっていいです。でも、それを後悔にしたくないなら、頑張りなさい。
どうしようもなく悲しくなったら、私を頼りなさい。あまり力になれないけれど、気が落ち着くまで傍にいてあげます。

遠く遠くへ旅立ったあなた。いつかあなたに会いに行きます。その時は、


笑顔で迎えてください。

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柔らかな日差しの屋上で、

雀は たかくたかく

なきました

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