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コンペ落選作品を無駄にしないために(4)


4.これからの時代、本質の価値への成果主義が残っていけるスタイル

少し間があいての執筆ですが、その間にスキロッツというクラウドサイトがコンペ方式を廃止しました。個人的には支持したいと思います。

そもそも、クラウドでお金を稼ごうとして、スキルのある人まで蟹工船のような過酷な状況(は言い過ぎかも知れませんが富裕層がこういう小銭稼ぎはしません)に陥ることが是かというアンチテーゼの意味でもこのシリーズを執筆した意味があります。

お客様のために頑張って何時間も費やしてカスタマイズして作ったのに落選して無駄になってしまった。こんな生産性のない仕事はないです。お互いにもったいないだけです。

1. webやブログでアピール

「やった仕事が意味がなかった」としないためには、何かしらそれを先につなげるしか無いです。しかし、作った作品の社名もそのままにブログにアップしてしまったら、依頼主の大迷惑になり逆効果です。

見えない自身の財産として、脳内のアイディア帳と経験値のストックは出来ているのですから、それを元にした解説などをブログで作っていくのが良いでしょう。私もロゴの解説を記していますが(これは落選素材は使っていません)、考え抜いて作ったのに、わずかなプレゼン機会(オンラインだと説明の文章のみ)で終わるのはもったいないです。

上述の私のロゴ解説は、「ロゴマークの選び方について」というテーマで書いています。タイトルのインパクトやキーフレーズ的には良くないかもしれませんが、少し切り口を変えています。ブランドロゴとはどういうものか?提供されたロゴはどう使っていくべきか?という発注者にむけての記事にしています。

「●●に強いデザイナーが教える効果のあがるチラシの作り方」とか「アドビイラストレーターで具体的にチラシを作ってみよう」とか「シンプルなロゴと個性的なロゴの比較 メリット・デメリット」などとテーマを考え、依頼者様に受け止めてもらえなかったら、別の誰かに向けてプレゼンをする形で次につなげていくのです。

私のロゴ解説も読んだ方からは、「勉強になりました」「ブランディングについて必要な事を聞かせて欲しい」という声を聞いています。

2. 素材販売へ構成パーツなどの転用

これは私がこのブログにてもやっている事なのですが、デザインができなくて困っている人は世の中には多くいます。時間的制約、予算的制約などで自分でワードやパワーポイントをつかって素人ながら資料や広告やと作っている人はいます。

折角精魂こめて作った素材がコンペ落選になったなら、素材パーツを分解して、そういう人の助けになるような道もあります。私はほとんどフリー素材で出していますが、フリーでも全く振り向いてもらえない素材もあれば、極端に人気のある素材もあります。そういった人々のニーズを勉強するという意味でも有効です。

ちょっとしたイラストも数百円、デザインテンプレートも数千円程度なら払ってくれる人は実際います。1万円、5万円となってしまうと、それなら「外注にお任せ」となりますが、素材のひとつですから、低単価で売り出したり、景品としてご自身の何かの宣伝キャンペーンにつけたり(人々が欲しくないものを景品にしても効果はありません)、生きるための違う道はあります。

webデザイナーやアファリエイターの人なら依頼者のサイトを作るのでなく、自身のwebサイトを作って、そこで売って収益をあげるというスタイルの人も実際にいます。簡単な道ではありませんが、「お蔵入り映画だけど、良い映画なんだよなあ」と聞かされたら、「一度見てみたい」という人だっているでしょう。訳あり製品とかで、カステラの切り落としを、厳選したクリームチーズやヨーグルトソースでサンドして売りだすという方法もあります。餡をはさんだシベリアという和洋折衷のノスタルジックなお菓子は未だに好きだという人もいますし、そういう新たな開発をしていかなければ、いちご大福やみかん大福も生まれない訳です。

3. 本質としてはABテストへの提案

ABテストとは、広告やwebページを本番を出稿する前にテストを施し、人々が反応する物を本番に提供するという効果的な販促方法です。昔は、印刷物では大量部数を出稿する大手企業が僅かな部数で先行テストするケースでないと難しかったのですが、今は印刷通販やオンデマンドで少部数でも早くて安い仕上がりが可能となりましたので、印刷物でも出来る手法です。

それを上手く取り入れているクラウド系などのサイトを紹介します。

refuel4----アライドアーキテクツという日系の会社の子会社でシンガポールの会社です。

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低単価でターゲッティングに優れたfacebookの広告に特化したサービスです。依頼主が広告したい情報や素材を提供し、応募者がバナー広告を作ります。当然ひとつの依頼に複数の応募者の作品が集まるのはコンペ形式と変わりません。コンペ形式の場合は、1つ以外は無駄になるのですが、こちらのサービスは、採用した広告はすべてface book上で使用されます。制作した報酬は、制作代を貰うわけではありません。face bookの広告の反応率に応じて、その何%かを報酬として割り振られます。これは、非常に理にかなった方法だと思います。お金を稼ぎたければ、自分で頑張って研究して反響の取れる広告を提供するという真っ当な努力がそのまま報われる形です。ブラックボックスのようなコンペ選定や、「社長のお好み案で」などという本質を見落とした努力、低質で大量製造、人まねという良からぬ方向への展開も防げます。

稼ぎたいなら売れる物を出す!過去一度私も投稿したのですが、使用画像のルール違反なのか、日本のペイパルが問題があるのか、不採用でした。(残念)先日再度テストとして挑戦しようとしたのですが、そもそも審査があるというご連絡で、英語でのTV通話での面談がありと運営に伝えられ、断念しました。なので、今現在のこのサイトがどうなっているか実態はわからずじまいです。ただ、仕組みは秀逸だと思います。

上記はデザイナー向けですが、ライターの人ならアフィリエイターがそうでしょう。このカタカナ語が出だして10年以上経ちますが、ITに疎い人はわからない上で怪しいイメージも横行していますので簡単に説明します。

アフィリエイトとは(成果報酬型広告)で、有名なのはA8ネットバリューコマースというプロバイダーですが、アマゾンでも簡単に参加可能です。ライターさんがブログやメルマガを書いたり、製品紹介のランディングページを作ったり、ランキングサイトやまとめサイトを作ったり、動画やSNSでの投稿したり、広告主の依頼を自分で宣伝して、資料申込みや入会してもらったりすると紹介料の報酬が発生する仕組みです。企業の運営するポイント獲得サイトも同じです。

ランディングページをつくるのは、多少のスキルが必要ですがブログやメルマガは、日本語の文字が書けてキーボードから入力できれば可能ですので、ほとんどの日本人にとってハードルは低いです。故に、イカサマ商法(別アドレスを使って自作自演の入会をして紹介料を受け取る、「アフィリエイトで何億稼げます」とアピールして反応した人に情報商材を売りつける)というのも横行していますし、私どもが昔言っていたタイアップ記事広告の類の「提灯記事」という物です。今風で言えばステマ(ステルスマーケティング)でしょう。

ただ、すべてがそういう悪いイメージではありません。私の昔のメルマガもアマゾンのアフィリエイト広告をつけていましたから、書いた記事テーマに近い参考文献の紹介として本の広告を文末に記載して、紹介料を頂いていました。この程度の関係する製品の紹介なら、ヤラセ感もなく、自然な流れで読者にも有益な情報ですし、三方良しに該当できると思います。SNSなどプライベートスペースでは、これくらい自然にしていないと逆効果です。

イカサマ不正まがいや嘘の記事や検証していない(薬機法等)記事で悪評が立つのは論外ですが、がんばって製品の体験記を沢山つくって自分で宣伝したりして読者を増やせば、自分のメディアという強烈な武器ができます。

クラウドで数百円や数千円のまとめブログの記事を書いている人は、最初は練習としてオンザジョブトレーニングで頑張れば良いですが、何年生になってもこの物価の高い日本でそんな単価でこき使われるのは良くないです。アフィリエイトでサイトの集客を増やすにも記事が必要で、アフィリエイターは、その手間のかかる記事作成を下請けに出しているケースだってあります。

例えば化粧品の体験記事をいくつも手がけて、実体験からヤラセでなく、本当に多くの人が読みに来て、宣伝になる良い記事が書けるようになったら、下請け卒業です。良い依頼者なら、報酬を引き上げてビジネスパートナーとして引き止めるでしょう。単に使い捨ての激安の下請け要員をこき使うだけの考えの依頼者なら、別の新人を補充します。だから、気にせず卒業して、自分の記事で集客を目指すのです。自分もアフィリエイターになり、自分が語れる商材(アマゾンだったら本が多いですから必ず該当する物があります。)の紹介をして自身が紹介料を受け取る立場にならないといけません。他に、ドロップシッピングという商品販売代行もあります。こちらはアフィリエイトよりも報酬は大きくなります。集客と販売ができる人は凄く稼いでいますし、その能力が財産です。ただし、全く知らない商品を嘘を書いて紹介はNGです。社会悪です。

もうひとつ紹介したいサイトは
Kaizen Platformです。

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こちらはwebデザイナーと動画デザイナー限定となりますが、グロースハッカー(作業応募者)に登録して、カイゼンのサイトに依頼のあった案件をディレクター指示の下で応募します。

依頼者の採用がABテストなので原則1作品以外が落選で無駄という事にはなりません。審査を通るレベルの物を提供するのが前提ですが、依頼者が採用し、担当が基準の上でデザインやコードを審査し、修正が必要な場合は修正依頼に応じて再投稿し、合格すれば使用され報酬が発生します。自身、他者とも採用理由を公開表示されます。

オリジナルのwebページに対して、新たに作成投稿したページの改善率をテストし数字で分析しますので、改善率の高い物、低い物と自身でも確認でき、「好きだ、嫌いだ」という理不尽な理由は排除されます。

上記refuel4やKaizen Platformは、理想的な仕組みだと思います。どちらも、上位の応募者というのは集客の実力ですから正当です。他のクラウドプラットフォームを批判するつもりはありませんが、プロ認定していても、態度の悪い人もいるようです。とにかくダボハゼのように何でも応募して薄利多売の低質なものの大量生産がしていたり、海外のものならインド、バングラデシュなどの人が予算の下限でガンガン対抗してくるので、物価の高い国で少しお金を使わないといけないプラン提案は不利です。

稼ぐために出来もしない案件でも関係ないサンプルで応募し都合が悪くなったら雲隠れ、他人のネタをパクって応募する、労力をかけられないから使い回しダミー大量生産で間に合わせる、あるいは依頼者側では、自分が請けた案件を二束三文でネットで応募者が集まるものだから、ロボットのように使い倒す、使い捨てる。こういう悪の面はなくしていかないといけません。

案件獲得やその数量の薄利多売がゴールでなく、依頼者の売上貢献で評価がされるのが正当です。でないと、低賃金下請け雑務要員が増えるだけです。

上記2社は数字で計れるweb関連のみなのですが、紙媒体や写真、ライティングなどあらゆる分野へも進出して欲しいと真摯に思っています。

コンペ落選作品を無駄にしないために(3)
コンペ落選作品を無駄にしないために(2)
コンペ落選作品を無駄にしないために(1)

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