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【書評】ビジネス取引で多くの人が言っている外せないポイント

私は、自分の事業を運営している関係、また広告販促物などマーケティング関係もやっています故、いろんな人の著作を読み漁り、いろんな人のセミナーや勉強会に行きました。普通は「●●流」という自分にあった型にあわせ、他は無視しないと、無茶苦茶な事になるのですが、自分の事業の事だから、あっちの人の方法を試し、こっちの人の方法を混ぜと、よくない事をやってしまっています。(私以外に、こういう事業者の方いませんか?)

ただ、そうやって和食と中華とイタリアンとフレンチとハンバーガーとインドカレーを一つの御膳にのせてしまった私の感覚で見えてきたのが、

【みんな根っこは似てるのでないか?】

という事です。

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見た目は違う分野に見えて、おでんの出汁は同じものなのではないか?と思えてきました。

以下のような点が、直接同じフレーズでなくとも、根底で同じメッセージに感じています。

【誰につながるか?人と人の世の中】

私が作る広告コンセプトでは「who」「what」「How」を軸、もっと言えば「who=(誰に伝えるのか)」を軸にしています。それだけ情報が氾濫している現代では「●●に悩むあなたに話しかけてますよ」とアプローチしないと聞いてくれないのですね。PRキャッチコピー系の講師の方も同様に語られていました。

だから何かを売るにしても、伝えるにしても、ビジネスを進めるにしても「Who=誰」を絞るのが一番の仕事です。

ベストセラーだから知っている人も多いでしょうが、竹田陽一氏、栢野克己氏のランチェスター戦略本です。中小企業の経営バイブルみたいな本ですが、この本の事例でも、お弁当箱を仕入れて欲しくて、大手コンビニやスーパーを回っていき袖にされていた社長が、逆に小さな食堂や弁当屋だけにターゲットを絞り直し、ライバル数も条件も厳しくなく、うまく成約を重ねて成長していったケースが記されています。私も未だ間違います。大口は儲かってロットも多くて楽、小口は少額で動き回ってしんどい、はステレオタイプの見方です。

私のアメリカにいるメル友が"it's not what you know but who you know" =(何を知っているかより誰をしっているかだ)というフレーズを教えてもらいました。勉強すればするほど、製品やサービス開発して技術を身につければつけるほど(何を知っている)が多くなります。この記事だってそうです。例えば、私が浦和レッズの選手の特徴を詳しく語ったところで、多くの女性は「うっとおしいなあ、興味ないよ」となるでしょう。

竹田ランチェスターの事例とは逆になりますが、こちらの本の著者の伊藤氏なども、つながる相手を大物社長としっかり見極めて大きく飛躍した自叙伝を書かれています。(図解版もあります。)ただし、この人のやりかたは「体育会系バカ」だったから出来た方法ですので、全員が完コピーしてその通りになるとは思えませんので、自分にあった方法を探すほうが良いでしょう。だれかれ構わず営業して振り回されて消耗しても意味がないということです。

私が先日おとずれた楠瀬健之氏の会社のセミナー

でも、私はハッと気付かされました。
「お客さんが予算少ないから仕方ないよね」「お客さんからしても業者選びはリスクだから相見積や競合コンペで見比べられるのは仕方ないよね」「お客さんはお客さんのビジネスの専門家だから、それに基づいた指示に振り回されても仕方ないよね」「お客さんの都合で単価を下げられて、貧乏暇なしになっても仕方ないよね」と思う部分もありました。駄目だと思っていても…。

しかし、気付かされましたね。そういう振り回して他社と見比べて突然予算カットや打ち切りしてしまう相手様を必死に競合に混じって追いかけてすがりついてというのは、ジリ貧になるのが必然ということです。

石原明氏のポッドキャスト

の質問で「この人はこういう事ができているなら、こういう相手(会社)とつながるのが良い」などアドバイスしています。メンター(指導者、助言者)との出会いも含め、一人相撲を取らず、どの人につながるかを考えなければいけません。

じゃあ、高予算で懐の深い相手様を探して自分を売り込めばいいのかというと、それはNGだそうです。自分主体で相手視点が抜けるようなケースは、何をやっても上手くいきません。相手様のビジョンややろうとしていること、悩んでいることに、「役に立ちたいです」という意識が大事でしょう。それには、相手が自分を信用されているかどうかなども影響しますが、それは別の項目で説明します。

【夢を描けるか?問題解決を伝えられるか?】

これも理屈はいろいろ頭でわかっていたことですが、すごく気付かされた事です。

私の大批判を買ったwebページでは、「広告は何度も続けて配布しなければ浸透しません。(結果実証済み)」というようなコピーで購入に結びつけようとしました。しかし、(結果実証済み)という乱暴な一言だけで、具体的に「何度広告を配布したら、どれくらいリピート客が獲得できて、結果的にどれくらいの収益を得られるのか」という事が読者の脳裏にまったく描けていなかったのです。

さらに提供しているデザインテンプレートが「わぁスゴイ」という物でなかったので、ビジュアルからの夢の広がりも与えていませんでした。現実は凝りに凝ったデザインより、オーソドックスな物のテンプレートが支持されますが、それと店頭ショーウインドウに置く品は違うのですね。まるで、夢が描けなければ無料でもいらないのです。

こういった夢を描くアプローチは、

こちらの小林氏の本に具体的に記されています。直接の接客のノウハウ本ですので、間接コミュニケーションだと少し勝手が違うのですが、お客様と対面して接客する人には勉強になる1冊です。高額なエステのコースの注文をどうお伝えすればお客様がやろうと思っていただけるかというノウハウです。「痩せてキレイになって自信にあふれている私」をお客様が脳裏に描けていなければ、つまり、「興味なし」、「信用できない」、「どうせ失敗するだろうな」、「この店員が売り込みたいだけなんじゃないの」という心理を打ち消す『夢で一杯』になっていなければ、コース購入してもらえません。小林氏の本は女性ならではのきめ細やかで丁寧な接客を説いています。

女性ならではというなら和田裕美氏

の営業方法も、男性のゴリゴリなものとは違うので、メンタルが弱いと思う人は、こちらの著作など勉強されるのがあっているかもしれません。

本来「夢を描いて伝える」という事は、私の生業のデザイン業の人間などが得意としている事です。しかし、私自身も自分が販売する物となると外部視点が抜け落ちてしまっていました。開発部の人がよくこうなってしまうのです。「この機能便利でしょ!すごい技術が裏でうごいているんです!」と、製品にボタンを追加したとしても、「見込み客の方が、そのボタンを押して笑顔になる自分」を写真や動画や、未来の幸せを語る文章で伝えられていなければ、ただの個人的な機能自慢で無視されます。

すべての記事や写真で夢を与えているのか、単なる説明スナップなのか?確認してみましょう。(医療広告や健康食品など薬機法の適用になるケースは、相応のやり方があります。また不実の告知、事実の不告知や過度の煽りは勧告を受けます。)

【信頼できるか?】

昔から根本的な部分は変わっていません。「お客様の声」「会社概要」「店長の顔写真や経歴」。広告やwebなど対面しないメディアでは必須ですし、対面営業でも会社案内、営業マンの紹介など必要です。大切な取引をする相手を信用できるかというのは、怪しい会社も世界中にあるからというだけでなく、人は知らないものにリスクテイクしていくのは不安になる本能があるのです。

ただ、単なる自己紹介をすれば良いというわけでなく前述の小林未千氏の著作などでも、「何を考えてこの人は、この仕事をしているのか」という事を伝えるように説かれています。お客様の声にしても、ダラダラと「良かったです」を書き綴るだけでなく、読者が聞きたいこと、「そこが不安なんだけど」というような点をしっかり伝える事も大事です。

上のダン・ケネディ氏の本で、「タキシードを着た店員が高級ワインを持ってくるような事をお望みなら当店は場違いです。そのかわり、イタリア人マンマの作る新鮮な野菜やスパイスから作るソースなら…」と、正直に伝えるべきと説いています。人は、どうしても初対面の人には、「良くみせよう」「まずいところは隠そう」となります。広告など特に。まずい部分を自分で告発する必要はないですが、過度に聞こえの良い誘い文句を並べ、よく見せすぎて取り込もうとする前に、「信頼」をしてもらう事が大事でしょう。

大企業などはブランディング戦略などメディア露出で信用を構築していますが、中小企業の場合は、そこまでの予算もないですので、既存のブランドに乗っかるなどの方法があります。例「今治タオル」

また、広告などでは経口物や、肌につける製品は、製造管理や生産者の顔など見えない所の安全性をしっかり伝えないといけません。価格の手頃さよりも、安全性の方が重要です。個人情報保護方針なども同様です。

ジェイ・エイブラハム氏の上の著述では、購入のリスクを無くしていくこと、返金保証などで信頼を保管する方法を説いています。

【目先でなくどれだけの視点をもっているか?】

マーケティングでは、アップセルや、フロントエンドとバックエンドという言葉が使われていますが、無料サンプルはあくまでも見込み客リストを取得するのがゴール、その後、リストを通して見込み客とコミュニケーションを重ね、より顧客ニーズにフィットした商品を提案していくという戦略です。

こちらはエイドリアン・J・スライウォツキー氏の経営の本なので、サラリーマンには難しいかも知れません。ただ、日々の営業活動や開発活動でも「目先だけ見るな」という事です。沢山のビジネスモデルを掲載している本ですが、個人的には自分の所属している業界という事で、マッデン・コミュニケーションズという印刷会社が、下請製造体質、値下げ合戦の印刷業からセールスプロモーションで顧客とパートナーシップを結ぶ関係にシフトして生き残ってきた事例が一番気になりました。

日本の地方印刷会社にも同じようなマーケティング戦略を取り入れて、単なる刷って届ける印刷屋から、「売上を提供する」印刷会社にシフトしています。看板会社の中にも、店舗やクリニックの第一印象になる看板のデザインから集客、ブランディングまで提供していく会社にシフトしている会社もあります。

その反面、批判はしませんが、色合わせのボトルネックを捨てて極端に値下げして印刷業界を破壊したままの印刷通販は、未来を見越した戦略だったのかなあと首をかしげます。価格が極端に安いというのも価値には違いないですが、「今まで5万円でやっていたことは、色合わせを省き日数を頂くことで8千円で出来る価値でした」という方法もあれば、「今までと同じ5万円ですが、あなたにお客様を連れていきます」というのも方法です。過度のダンピングの競争は摩耗するだけですし、新興国に勝てません。印刷通販のリーダー企業は、目先の売上でなく10年、20年計画での成長戦略を考えているのか疑問です。

また景気も時代も変化してしまいます。「昭和の時代はこれで通用してた」を冷静に見込み客を分析せず考えなしに繰り返しているだけでは衰退していきます。

【数をこなす!行動する!】

これも、全てに共通することですが、どの本や勉強会かというのがパッと思いつきませんでした。ただ、これはおわかりでしょうけど、少し手がけて「やっぱり駄目かも」なんてやってたら何にも成就しないということです。私も以前の記事

に「100はやってみよう」と書きました。

ビジネスマンの人の多くは、有名な格言を励みにしています。

「資金がないと金を儲けられないという人は、たとえ資金があっても儲けることができない。」--ダン・ケネディ

「この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ。」--アントニオ猪木(清沢哲夫氏の詩の引用のようです。)

などなど。

私個人は、

「決心あれば迷いなし」---柔道で怪我しながらも金メダルを取った古賀稔彦選手がテレビか何かで言っていた言葉だったと思います。

100回くらいは続けてみる、机上で止まってないでお客様へ向けて動き出す!
基礎中の基礎ですが、意外とこれが原因で出来てないことってあるかもしれません。自分自身も反省することはあります。

以上のことを、愚直にやっていくだけでも日常は変えられるかもしれません。

とにかくやってみて、自分にあったやり方を見つけることが大事です。

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