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【走馬灯】私とcakes、1000日の季節

cakesで連載がはじまって、なんと丸3年経った。
泣ける。ほんとうに泣ける。かけなくて何回泣いたかわからない。
今週はなんとか出したけどもう二度とおもしろいものは書けないと何度絶望したかわからない。深夜のジョナサンで「むりー…」ってつぶやいたこともあった。ジョナサンに限らず色々な場所でつぶやき時に叫びときに壊れとにかく、葛藤と集中の3年。思いが募ってきたのでここで振り返る。

【1年目は闇】

当初は最大12話と言われていたもののさらに連載が続くことになり、
1話時点で第二子出産直前だったわたしは、結局出産を経ても、連載を持ち続けることになる。書籍化のメールもくる。
産後ハイも相まって、なんとなく軌道に乗ってる感があった。

のだけど。連載開始半年をすぎ夏がはじまる頃、雲行きが極端に怪しくなる。まず、そもそも全12話のつもりだったものが延長していただいてるなか、ネタがなさすぎて絞り出す日々。そのなかで内容も薄まっていったのか、あきらかに読者が離れて行っている感、軌道に乗っていたなんて勘違いだったことにきづく感。ランキングでも上位に入らなくなり、気づけば書籍化の話も闇に消え、読まれていない感が強まったまま、真夏。

わたしはここで大きな失敗を犯す。
なんとわたしはこの、全然読まれなくなったことに関して、
「これはcakesという媒体が悪いのでは?」「わたしの作品は素晴らしいもののcakes読者との相性が悪いだけでは?」と心の中で完全にcakesのせいにしていったのである。これぞ、事態をもっともややこしく、解決から遠のかせる技、「他責」。

このせいで私は、その後だいたい半年間、根本的に読まれない自分の作品の問題を、まったく直視しない日々を過ごすことになった。そして当然そのまま人気は下降、しかも書くことはとにかく尽きていき、毎週原稿を出す直前には地獄。さらにいえばこの1年目というのが、今思えばすさまじく、長男2歳で次男0歳。なんとふたりとも未就園児で幼稚園にも保育園にも入っていないことにより執筆時間は夜のみ。この頃は隔週掲載にしてもらってたもののまじでむりむりむりむりむりむりむりむりという感情がトコロテンのように私を毎夜押し出し、無理やり掲載を乗り切っていた。感情は雪崩、サウナ、スコール、熱帯、地割れ、稲妻、もう、ごちゃまぜで。

【開き直った2年目】

そんななか、担当編集氏もたくさん助け舟を出してくれたり(ほんとうに手を尽くしまくろうとしてくれた)他の連載名にするかなどの話が出てた、掲載1年目が終わるお正月。「お悩み相談もいいかもしれないので応募フォーム作って載せときます」と担当編集氏がつくってくれたフォームには誰からの連絡もまじで一切ない日々。

さすがにさすがにさすがに
「この連載はまじで読まれていないし人気もないし書くこともないしまじでやばい」とやっと事態を認めるしかなくなったわたしは、開き直って苦肉の策、お悩み相談を捏造して1つ書き上げてみようと思い立つ。(捏造したという事実は原稿にもちゃんとおもしろおかしくかいてます)

すると、思ったより反応が良く、少しづつ相談が届くようになる。
そのたびにびっくり感動。なぜかというと私生活でまじで人徳がない私は、人を振り回し利用し頼り尽くす側の人間であり、人に悩みを相談されることが稀すぎで頼られるだけでミラクル。ああ頼ってくれる人がいるなんて…というのと、少なくとも、相談が届いていることにより「書くことがない」という地獄から解放される天国、の勢いで毎週毎週無我夢中で答え続けた。

それから半年くらい経った頃、
やや読まれてるかもしれない感がやっと出てくる。が、この頃、cakesフェス2017にお客さんとして参加し、「人気の人たち、つよ〜」となかなかに自分が一歩も前に進んでない感を感じる。が、もうこの頃はとっくに開き直ってるので「まあそうですよね」くらいの感じで、突き進む。

余談だがこの夏に産後太りしすぎてたわたしは、10キロ痩せる。そのついでにグルテンフリー生活をはじめ、あきらかに集中力が増し、(肌とかの)調子がよくなる。そしてそのまま、2年目は、お悩みに答えまくりつつ終わる。

【満たされた3年目】

2018年、3年目。
もう3年目になると、実際最初の方に思っていた「本を出したい」とかの気持ちが削ぎ落とされてくる。なぜなら、毎週毎週のお悩みに真摯に答えるという行為って、やばいのだ。やばいくらいにやばい、いまやばいしかもう書けないくらいに、神経と精神力と集中力と、愛情と、なんかもうあらゆるものが麦茶のティーパック3回つかいまわしたくらい搾り取られるのだ。気持ちいいい意味で。一生懸命に目の前の相談に答える日々に夢中で、それがやばくて、もう毎日毎日知らない人のこと考えてて、本当にわたしは満たされはじめていた。そんな3年目の初夏。

なんとなく、閲覧数が上がって行っている感があったなか、cakesフェスにゲスト出演することとなる。このとき、はじめて、顔も知らないガチ読者の方々と対面することになり、はじめて「本当にたのしみに読んでくれてる人がいるんだ、実在、するんや…」と実感する。それまで、読者の皆さんを想像上のいきものくらいに思ってたけど、リアルにそれを感じると、より責任感ましましとなり、さらにお悩みにのめり込む日々。そして2018年の夏をすぎたあたりから、やっと、1段階、読まれる総数が、ややあがった感を感じる。あ、なんかわたしここまで、ほぼ息継ぎせずに、山登ってきた感、感じる。まだまだ全然読まれてないんだけど、だけど第1章乗り越えた気がする。

そして3年目が終わる頃、2018年末。
息子が通う、名古屋市の超小規模幼稚園、なんと全園児数60人くらいしかいない、まじで名古屋の端の端の小さな町の、スクールバスもない、まじで時が止まったような幼稚園でなんと、とうとう、あるママから突然、幼稚園の門の前で声をかけられ「読者です」と言われる。

これ、個人的に、かなり大きな出来事だったんだよな。もう、ここから突然の語り口調になるけどほんと、大きなできごとだった。わたしが書いてきたことが、偶然かもしれないけどこの小さな町にまでも!届いていたのかあ、ということが、ほんとうになんというか、じわじわじわじわじわじわはらはらなにかを繋いでいた感が、実感できて、しかもそのママあまりにもnoteもcakesも隅から隅まで読んでくれてて「うわああああああああ」だった。

そして、現状維持こそ最大のいとしみ、と感じ続けた無我夢中の3年目が終わり、2019年、4年目(!!!!)に突入したのだった。

【3年間】

で総合的に3年間を振り返ると。
第二子出産した日もお宮参りの日も流産した日も嫌なことがあった日も嬉しいことがあった日も運転中も旅行中も夏休みもpta行事でも子供が熱の時もセックスした日もしない日ももう、いつもいつもいつもいつも絶対毎日、まじで毎日、連載が頭を占めていた3年だった。

春夏秋冬など関係なく、
この3年は、cakesがくれた特殊な季節だったようにも感じる。

で、客観的に、なぜわたしがここまで続けてこれたかと考えると。
「何者でもなさすぎたから」だったのではと思ってきた。どういうことかというと、私自身が、特別な経験も、資格も、知識も、人気も説得力も武器も、まじでない、ただ「元メンヘラ」というだけの人で、あまりにも何も持っていなかったから、プライドが尽きる時期も早く、もはやできることが「一生懸命やる」しかなく「世界中でいちばん親身に真剣に答える!」という、「気合!」を持つことしかできないという状況だったから、もうとにかくとにかく「ものすごく相談者さんを思う!」ことだけは、世界一続けてこれた自信が、今残っている。そしてそれだけで続いてきた感じ、ある。

ということで、お気づきでしょうがこのnote。
なんのために書いたかというと褒めて欲しいだけです。なんなら好きだと言われたいし撫でられたいです。3年とても一生懸命走ってきたので、これからも今年もそのまま走っていきたいです。

あああと重要なことを書き忘れてた。この3年間、もっとも嬉しい瞬間が、担当編集氏に初稿送った反応が良かったとき。
もっとも落ち込む瞬間が、
担当編集氏に初稿送った反応が微妙なとき、
でした。
心の追い炊き機能みたいな、メンヘラホイホイである担当編集氏が並走してくれなかったら、きっとメンヘラ目線だけのひとりよがりな連載になっていた気がします。

という感じで、お気づきでしょうがこのnote。
ほんとうのほんとうは今日のcakes見て欲しくて書きました。
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3年前。cakesで圧倒的人気な林さんと、コラボできるなんて、まっったく想像もしてなかったなあ。ご褒美だとおもいつつ、この3年で手に入れた、今の私にできるすべての力を思いっきり徹底的にぶつけられたので、どうか受け取ってください。ちなみに春からは、3歳になる次男までもがとうとう幼稚園に通います。とても時間ができるのでまた違った4年目になる気がしてます。ということで今年も、(来年も、いや一生)読んでね!
わーい

(高校通った3年間より、ずっと楽しかった)

スイスイ

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