なぜEXILEが苦手なのか論(差別をなくしたい)


大好きな人ができた。
彼の姿を見ると苦しい。愛しい。吐きそうになるほど様々な感情が渦巻き、ただそれは何味のパンを食べても最終的にはそれがパンだとわかるのと同じく、彼について浮かぶどんな感情も最終的には1つの気持ちに繋がっている。恋だ。それも強烈な。

わたしが好きな相手は仮面ライダーエグゼイドに出てくる九条貴利矢という。
ガチのガチで好きすぎて辛い。辛すぎて甘い。甘すぎて乾く。乾きすぎて絶望。

昨年末12月25日、突然、なんの前触れもなく彼が消滅したときファンは嘆き「貴利矢ロス」という言葉がツイッターのトレンドに入った。そして先日6月10日まさかの突然復活を遂げ、全国の貴利矢愛な乾いたマッチにボウボウと火が付いた。紛れもなく私にも。わたしは日曜朝、放送直前にはデート前のような動悸。貴利矢が登場すれば「痩せたい」と思う自分。彼にふさわしい自分になりたがる細胞は恋由来、100%無添加。

ただし今日は彼をどれだけ好きかを語りたいわけではない。
彼への恋物語のなか起きたショック、そしてそこから得た、大切な気づきを伝えたい。

ショックの波に出会ったあの日。

それは一ヶ月前。
貴利矢が復活した日の放送後、熱気が冷めないまま何気なくwebで貴利矢役の役者プロフィールをみたことから、すべては始まった。それまでわたしは仮面ライダー内での貴利矢のみを本気で愛していたため、彼が、普段は貴利矢以外として存在している、他の名前を持つ役者であることなんて、まじで考えたことがなかった。だけどたまたまみてしまったその情報に、わたしは固まった。そこにはこうあった。

「劇団EXILE所属。」

まじかよ。正直に言ってわたしはまじかよ。と思ったし実際「まじかよ」と口に出して言っていたし大ショックだった。そこには、わたしを飲み込む大きな大きな3つのショック波があった。1つは彼がEXILEの仲間だったこと、もう一つは自分が「EXILE関連の人を好きになってしまった」ということ。

そして3つめのショックは。EXILE関連の人だったという事実だけで、好きという気持ちを失いはじめていたこと。

砂浜に毎日名前を書きたいくらい好きだったこの気持ちが、所屬団体を知っただけで波にのまれたように消される。これは、ほとんど、人種差別ではないか?と、自分の中にある、おそろしいその波に、おどろいたのだった。


差別はどうして起こるのか。

わたしは「EXILE」が苦手だ。EXILEを好きと公言する人も苦手だ。
作品をまともに鑑賞したことがないにもかかわらず毛嫌いしている。

この「毛嫌い」はたとえば。
3歳息子が幼稚園のお友達の家に行きたい!と指したその友達の国籍がもしも日本ではないと知ったとき、「やめたほうがいいんじゃないかな」と伝えるようなものではないか?まるで外国人というだけで危ないと判断するような、投げやりで暴力的な視点ではないか?

国籍も所属事務所もその人の人格を否定するものであっていいはずがない。

わたしはEXILE関連をひとくくりに毛嫌いしている自分の気持ちが恐ろしくなった。この感情にメスを入れ手術して向き合って、毛嫌いを除去するか残すか、誠実に決めたくなった。

そうでないとこの先、無意識に誰かを傷つけてしまう気がする。どうしてEXILEが苦手なのか?差別意識に向き合うため、はじめて真剣に考えてみた。


わたしはなぜEXILEが苦手なのか?

どうしてEXILEが苦手なのか。「雰囲気」だ。つきつめればそれはビジュアル。ビジュアルのどこかといえば、ファッション。現実世界でスタバで両隣このファッションの人たちに囲まれたら「こわい」感。友達には「いない」感。「仲良くできそうにない」感。それが超国民的な影響力とともにCMや歌番組でばんばん露出して目の前に登場してくる。スタバで両隣、くらいの距離感で人生に現れてくる。だから「苦手」と”なんとなく”思ってるだけなのでは?

この国の出身だからこわい。この宗教だからこわい。この肌の色だからこわい。これは、「知らないからこわい」だけだ。

イスラム教だというだけでテロと関連付け危険視する人がいる。一方わたしはイスラム教の友人と住んでいたことがあるからか、そんなことは思いもしない。だけど実際、まったく知らない国のまったく知らない宗教の人と身内が結婚すると聞いたら「え、大丈夫?」と思ってしまいかねない。

だけどわたしは本当は、すこしEXILEを知っていた。約15年前、現EXILEのアツシがASAYANで、ケミストリーと同じオーディションに出ていたとき、わたしは現在EXILE THE SECONDに所属するネスミス(検索しなくても彼の本名がネスミス・竜太・カリムであることも知っている。当時ASAYANをみてたひとならみんな知ってる)を最も応援していたではないか。サングラスのないアツシだって、毎週みていたではないか。

「EXILE」という集団の一員になっただけで、彼らのことも変わってしまった別人と認識しひとくくりに毛嫌いしていた。ネスミスの澄んだ声も歌を愛する姿勢も、すべて知っていたのに!

はじめて、フラットな気持ちでEXILEのPVをみた。EXILE TRIVEやEXILE THE SECONDのPVもみまくった。

好きと言ったらミーハーと思われそうな音楽かどうか

歌もダンスも最高だった。曲もよかった。たとえばほかアイドルグループより(飛び火防止のため名指し自粛)、個々が歌とダンスを超絶極め抜いているという印象だった。親近感を思わせてくるメンバーがいい意味でひとりもいない。みんな、ムキムキバキバキ、努力のあとすら感じさせない、圧倒的プロ集団。

わたしはなにを苦手と思っていたのか?正直にいえば、「EXILEを好きな人は音楽好きではないミーハー」という思いもあった。これまでにたとえば坂本龍一や椎名林檎、海外の著名アーティスト、がEXILE好きを公言しコラボし倒していたら、「EXILEいいかも」とか言っていたかもしれない。「好きと言ったら音楽好きと思われそうな音楽かどうか」を判断軸にしているわたしこそミーハー中のミーハーではないか。

きっと、もともとわたしが愛する「ゲスの極み乙女。」だって、まともに曲をきいたことないくせに不倫の話題だけで嫌いという人も少なくないだろう。人には好き嫌いがあるのは当然だけど、「よく知らないのに嫌いと決める」というのは無責任すぎる。それこそが雰囲気に流されるミーハー然なのだ。

これから先。
なにかを嫌いになるなら、丁寧に嫌いになりたい。
とりあえず最近はEXILE THE SECONDの Summer Loverばっかりきいてサマラバサマラバいってます。九条貴利矢への愛もさらに高まっている。すこし、自由がふえて大人になった気がする。

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これは30daysnoteチャレンジの12話です。詳しくは1話をみてね!

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