「カルテット」という奇体験。

月に5-10本くらい映画をみるものの、同じ作品を2度見たことはない。

なのに私はTBSドラマ「カルテット」を1話につき2回づつ見ている。リアルタイムで一度見てそのあとすぐに録画したものをもう一度みる。そうせずにいられないのはなぜなのかカルテットとはなんなのか私はどうしてしまったのか。

カルテットとは。

あばれる小説
朗読のコロッセオ
言葉のオリンピック
12話の映画祭
鋭利なミュージック・ビデオ
テレビのなかの絵画
人間の薄汚れた部分の博覧会
人間の美しさの展覧会
台詞の音楽会
感情の試食会
青春のVR
会話劇のおせち
伏線の編み物
切なさへの豪速球

ほんの10分どこかのシーンをみるだけで、尖った刃物でこころを切られパッカリと開いたところにとんでもないものをぶちこまれる。そしてその余韻は消えず残る。

それには「強いセリフ」の力が大きいのだけど、仮にここでその「セリフの言葉」を引用して載せたとしてもこの魅力は半分も伝わらない。

これは九州の人気ラーメン屋のラーメンと、その店の味を再現したセブンイレブンのカップラーメンが、まったく別物であることと似ている。

「言葉」は1要素でしかなく、そこに演技、間合い、余白、色味、音楽、目線、呼吸、震え、湿度などあらゆるものがバッチリはまり合うことで見事な1シーンができる。コンビニのそれが再現したものがスープの味だけでそこに麺の茹で加減も店の掛け声も温度も湿度も速度もなにもかもがバッチリはまって初めて1ラーメンができるように。

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カルテットは録画せずリアルタイムで受け止めるのが最も鮮度がよくおいしく見れると思いがちだが、録画で見ても、あるいは10年後に見ても、その鮮やかな味は変わらないと思う。

絶対的空腹のときに食べるラーメンがいちばんおいしいだろうけど、空腹じゃないときに食べてもおいしいものが真のおいしいラーメンではないか?と思う。そういう意味では真のおいしい作品としてカルテットはどんな状況の誰にでも圧倒的に奇妙で最高な体験をくれる。だけど、10年後じゃなくいま見てほしい理由は、見ない10年がもったいないから!

とにかくこれは、実際にみてみる以外に味わえない奇妙な冒険。タトゥーのようにあなたのなかに何かが残ってしまう可能性は高い。消えない余韻に溺れてしまうかもしれない。だけどあなたはこの火の輪をくぐらずにいられない。

まだ4話なのにわたしは何を言っているのでしょうか。とにかく万が一みていない人がいたらポテンシャルクライシスですよ、あなたのなかの半分のあなたしか目覚めさせず生きていくことになるクライシスですよ、と警笛を鳴らしたくて書きました。

みぞみぞしないと、人間じゃない。

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スイスイ

スイスイの想定外(人生編)

コメント2件

desuyone!!!
(=´∀`)人(´∀`=)かたりつくしたい
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