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ハードル下げは可愛げの温床。#30daysnoteチャレンジ02

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※これは #30daysnoteチャレンジ の第2話です。#30daysnoteチャレンジの概要はこちら
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ふだん、エッセイを読まない。
エッセイ本を最後まで読めたことがない。

これは自己愛が強すぎて他人の日常に興味を持ち続けられないというのが理由だと思う。

という感じなので、日常で起きたことをつらつら書くことに抵抗がありすぎて、いままで書けなかったが、30日何かを書くとなると、日々感じたたわい無いことなども材料として扱わないと、冷蔵庫の中からっぽになる。

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ここまでの文章の役割はもちろんさらなるハードル下げだ。「30日も書くのだからオチのない日記だって当然登場してくるんだからね〜」「読んでからがっかりしてフォロー外すなよ〜〜」という牽制球である。

そういえば振り返るとわたし、人生のほとんどをハードル下げに使っている気がする。

数日前だって幼稚園ママの送別会のラストに流すサプライズムービーとして、我が夫が数日かけてガッチガチにプロの編集力を持ってあらゆるギミックを多用しながらも素材を活かし感動に包まれることを狙って完璧につくったムービーを完成させていたのだけど、いざ流す前日も当日も直前もなんども、ママたちに「動画、ほんと、メッセージつなぎあわせただけの、たいしたことないやつだからね!期待しないでね!」とかいってハードル下げに勤しんでいた。実際は前日夫と上映会をして「完璧すぎやろ(涙)」と達成感に包まれていた大作だったのにもかかわらず、だ。

あるいは先月は、親も相当歌わされるタイプの、息子たちの通うゴスペル教室で、秋の発表会にてまさかの私が一曲メインボーカルに選ばれたのだが、「いままで何か音楽やってたんですか??」と聞かれても「もちろんやってないです!発表会とか緊張します!」と、かつてボイストレーニングに3年通って歌の専門学校にも会社と両立し数年通っていたことや軽音楽部で超大きいホールで歌っていたことなど一言もいわないようにしている。

もう1ついうと小学校5年生の運動会の400m走で、終盤ほぼ負けが確実だったわたしは、包帯を巻いていた右手を抑えながら、「わたしはこんな状態なんで!だからこんな苦しい負け方してるんで!」という態度を貫いてフラつき顔を歪ませながらゴールした。その包帯の下はただの虫さされだしそもそも二の腕負傷してても走るのに関係ないのに!!!!!である。

ハードル下げはなんのためにするのか。
褒められたいからだ。

できるかぎり過剰に褒められたい。
褒められ過多になりたい。褒めを浴びたい飲みたい褒めで満腹になりたい。褒めで泳ぎたい。褒めに住みたい。褒めに包まれて褒めを敷いて褒めを聴きながら褒めの夢をみて褒め声で目覚めたい。

///////// (ここから満を辞して日常の出来事話がはじまります)

今朝、1歳次男と広めのスーパーに行った。
最近歩けるようになった彼は、思い通りの方向に自らの意思で進めること自体がうれしくて、早朝の客のまばらなスーパーでひたすら歩いていた。

歩くのに満足すると、商品を手に取り勝手にかごに入れる。売り物だから触ってはいけないといって触れないようにしたり、かごにいれてしまったらすぐに戻しているけど、たまに、それがかごに入れられていたことを、レジでやっと気づくことがある。

ここで少し話が変わるが、AI(人工知能)が買い物に同行していたら、わたしが今朝クックパットで「カオマンガイ」と検索したことや、iphoneメモに「ごま油」といれたことや、「前回牛乳を買ってから数日経ったこと」などから、パーフェクトに必要なものを選び抜きカゴに入れてくれるだろう。

一方で、1歳は、まじのまじで非AIだ。知能が誰かの手によって仕組まれたものではなく内から湧き出る天然の何かによってしか行動していない。

今日彼が、カゴに入れていたものは。「水を使わないシャンプー」だった。

納豆だってカミソリだってヤクルトだって化粧水だってニラだってアーモンドだって快便茶だって、なにかしら、スーパーにあるすべては、たいてい、なにかしら、間違って買ってしまってもまあ、まあ、使うわ。というものだろうが。水を使わないシャンプーって、まじのまじのまじで今日必要ないものでありこれは今スーパーで最もわたしに必要ないものを選ぶぞという相当な意思を持って選ばれたとしか思えない。

さすがにいらねーわwと思いカゴから出そうとしたそのときふと思った。ニコニコして「ばいばい」しか言わない彼が、実は凄まじい知能でもって、いまわたしが最も買うべきものがこれだと、狙い、選び取ったのだとしたら?言葉では説明できないパワーで必要性を感じとにかくこれを買えと切実に伝えてきていると、したら?近日中に、名古屋がすごい水不足になるか水道が使えなくなるかの事態のまじのまじでそのときまさに「ああ、ここに、水を使わないシャンプーがあったなら!!!!!!」と思うことに、なったら?だっていつだってそうだ。すこしのおでかけだからケータイおいてっていいや!とケータイ不携帯の時に限って100%「ああケータイもって来ればよかった!」となってきたではないか。

ということでまいにちたのしいです。2日目でした。

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