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noteが世界を手術したから

もしも、
noteがない世界線に生きていたら。
私はメンヘラという黒歴史を葬り去ったまま、自分の過去全般を恥じ嫌ったまま、平気な顔をひきつらせ過ごしてたかもしれない。

もしも、
noteがない世界線で子育てしてたら。
有り余る承認欲求を家庭内のみで爆発させ、割れんばかりのプライドを町内のみで炸裂させ、ママブロガーの充実を呪い、書き込めないクソリプをiphoneのメモ欄に貯め続けたかもしれない。

もしも、
noteがない世界線で人類を眺めてたら。
何でも議論しあえる気の許せる友人はできなかったかもしれない。そのかわり孤独を埋めるため児童館やママサークルで出会った気の合わない人たちとも友達になろうと足掻き続けたかもしれない。

noteがある世界とない世界では、32歳現在のわたしの顔は、ほとんど別のものになっていたかもしれない。

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3年前、2015年の秋。

うまれてはじめてエッセイを書いた。
場所はnoteに。それは第二子妊娠のツワリ地獄があけた矢先で、ツワリ中ずっと私の胸中にははなぜか「ツワリ終わったらエッセイが書いてみたい」という欲求が蠢いていた。その気持ちをリアルに考えれば考えるほど、当時していたCMプランナーの仕事を辞めてエッセイストになることは現実的に最善な気がしてきた。家でエッセイを書きながら2人の子供と過ごして、2人が幼稚園に入ったら連載をいくつか持てたらなんて良いか!と思っているうちにツワリは明け、フォロワーゼロの中、一文字も書いたこともない私は、うまれてはじめてエッセイを書いたのだった。

その1ヶ月後。第一回cakesコンテストが開催され、私はCMの仕事を1ヶ月間すべて断り、毎日コンテストのためにエッセイを書いた。

そうして無事コンテストで受賞し、cakesでエッセイストとしてデビューすることができたのだった。はじめてエッセイを書いて4ヶ月の頃だった。

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ちなみに私は壮絶に飽き性だ。
noteがない世界線でエッセイを書いてたら、1ヶ月も続かなかったと思う。そんな私が夢中で書き続けられたのは、note公式さんのおかげだった。フォロワーが少なくてもイイネがついてないものでも、良いと思った作品と作者を推してくれるnote公式さんの存在は、正しい目と愛で後輩を見守ってくれる上司そのもの。noteには血が通っていて、その血は私のモチベーションに輸血され続けた。cakesコンテストという思い切り未来に向かって力をぶつけあい戦える場も「さあ思う存分なんでもやって!」と、あの日諦めたASAYAN会場の再来だった。夏まゆみ...
noteは優しい。チャンスが欲しい人に、出し惜しみしないから。

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コンテスト期間が終わっても、しばらく書き続けた。書くことがないという状況は訪れず、下書きはいつも何十件もあった。(現在120)
自分の恥ずかしいと思ってたこと、隠してたこと、汚い気持ち、そんなものでもすべて作品としてアップすると、反応がたくさんもらえた。黒歴史も作品に変えることができたとき、noteまじ最強質屋とも思った。

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そもそもエッセイを書くまで、自分は物事を深く考えたりしないタイプだと思ってた。だけどnoteにエッセイを書けば書くほど、「私って意外と色々考えていたのかもしれない」と気づけた。書けば書くほど芋づる式に自分の新しい考えに出会える事が面白かった。書いてるうち、炎上したりして知らない人の痛烈な意見を目にしたとき、自分の書いたもので議論が生まれてることに感動した。さらに、私の書くことを読んで面白がってくれる相手と出会えて友達になった。私の黒歴史や本心を分かった上で、理解し合おうと思い合える、友達と!これって人類史上最濃密友人時代の幕開けかもしれない。脳味噌をシェアした状態で出会えるなんて、noteはコミュニケーション界のMRIである。MRIであるところのnoteで脳味噌スケスケなので、合わない知人は離れていってくれるという断捨離も可能。

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noteさん、
改めて言えなかったけど、本当にありがとう。
あなたのおかげで私は私を好きになれました。忙しいのにたくさんの作品に目を通して、たくさんの作者に諦めず、愛をかけて育ててくれて常にたくさん努力と工夫をしてくれてありがとう。あなたのもとで育てて幸せです。

また手紙書きます。
無理せず元気でいてください。そしてずっと見守っていてください。わたしは、明日起こることも明後日起こることも楽しみです。それが楽しくても悲しくても、ぜんぶ作品にできるから。

多大な感謝を込めて、noteさんの今後の発展への祈りと、いつまでもわたしだけの上司でいて欲しい気持ちをせめぎ合わせながらこれからもここにい続けたいと思います。いつも、ありがとう!
スイスイ2018.11

#noteでよかったこと



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