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結論ありき 異論に耳貸さず

上記のように中国新聞にしてはとんがった見出しのコラムが掲載されていた。
くだんの広島市立中央図書館の移転問題に関する今朝の記事だ。

投稿者はフリーの宮崎園子記者。
記事を要約してみよう。

昨年3月、広島市議会は現在中央公園の敷地内にある同図書館を広島駅前のエールエールA館への移転を含めた予算を可決したが、そのさい「十分な議論が尽くされていない」として、「A館への移転、現在地建て替え、中央公園内移転建て替えの3案を比較検討できる資料を作成し、議会、利用者、有識者などに説明し理解を得たうえで移転先を決める」との付帯決議案を全会一致で可決した。

にも関わらず、広島市はその「約束」をすっぽかして昨年12月の市議会総務委員会で「再整備候補地はA館」との結論をすっとぼけて示した。(つまり「結論ありき」だよと、みずから表明したわけだ)

その過程で市は公園内建て替え案を一方的に除外し、他の2案に絞って検討したとしているのだが、その経過はヤブというか闇の中。コラムの筆者は比較検討業務を受託した調査会社の仕様書や市との協議記録の情報公開請求をしたもののほぼ不開示。一部開示されたものも〝広島市名物〟の「のり弁」つまりほぼ黒塗りの愛想のないものだった。しかも調査会社の報告書を市議に開示もせずに「A館移転」の結論を導いていたという。(市議会も舐められたものです。「安倍さんから」の付け届けをもらって以来、弱みにつけ込まれましたかね)

緑に囲まれた恵まれけた環境からビル街に移転しようという広島市の計画にメリットはない
あるのは広島市のメンツと利権だけだろう

さらに広島市は「A館移転」の結論を表明してから審議会等の会合をセッティングしていたという厚顔ぶり。しかも、その会議録は市議や市民に公開すらされていないのだ。
また、姑息というかいつもの手口というか、補助金などで縛りがきく団体に「A館移転を求める要望書」を出させて移転案の補強にしてもいる。

こうして虚偽と隠蔽と捏造で既成事実をつぎつぎに積み上げて「結論ありき」の事業を進める。残念ながらそれが広島市の行政スタイルなのだ。

先日、所用の移動で広島市民球場跡地の前を通った折に見た景色が思い出される。またまた、なんのイベントをするのかグラウンドを掘り返し掘っ建て小屋を建てての工事中、いつまでも落ち着かないスペースのままでありつづけていた。
もはや何かの場所にするというプランすら失われ、訳のわからないことをやりつづけることが目的になってしまったかのようだ。そして繰り返される工事とイベントそれ自体が利権になってしまって、にっちもさっちも行かなくなってしまったかのような体たらくた。

こんなことをつづけてきて、「まちづくり」もへったくれもない。民意に耳を貸さずに強行する結論ありきのプラン。それはある意味「破壊」といえないこともないではないか。

そういえば、先ごろ発表された2022年の住民基本台帳人口移動報告によれば、東京への一極集中が進む一方で、広島は流失の部で2年連続して1位の栄誉を獲得したというではないか。

今回の図書館移転問題に限らず、市民球場問題もしかり。同じ手法で街をぶっ壊してきた数々の事例を思い返せば、民意に耳を貸そうとしない広島市の行政のあり方のツケがいま回ってきたのかもしれぬ、と思わざるをえない。


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