FMクマガヤ87.6MHz「しゅっぱつ！すいっと探険隊」。今回は、高速バスを利用した草津温泉への日帰り旅行を体験しました。行きは熊谷駅南口から秩父鉄道観光バス「ゆめぐり埼玉号」、帰りはDts line 高速バスを利用しました。短い滞在時間でしたが、お風呂に入り、食事を楽しんできました。出演は、すいっとプロジェクト代表の樽見潔、ナビゲーターはFMクマガヤの蓮沼千尋さんです。

　今年の1月20日土曜日から、秩父鉄道観光バス株式会社により伊香保温泉経由草津温泉行きの高速バス「ゆめぐり埼玉号」が運行されています。乗車できるのは、加須駅北口・行田市駅南口・熊谷駅南口の３ヶ所です。運賃は、伊香保温泉まで片道1800円、草津温泉までは片道2800円となっています。

　今回は、３人で旅行しました。私のほかに熊谷市市民活動支援センター所長の生越さん、熊谷健康づくりウォーキングクラブ代表の鈴木さんが参加しました。いずれも熊谷市市民活動支援センターで交流のある皆さんですが、生越さんの発案で新しく走り始めた高速バスに乗ってみようということになりました。

　旅行をしたのは先月3月13日水曜日。熊谷駅南口へ8:30の集合時間となりました。加須駅始発で行田市駅を経由して到着したバスは、熊谷駅南口の発車予定時刻が8:40。やや年配の方が多いでしょうか、約３０人のお客さんを乗せて出発しました。

　バスの車両はゆめぐり埼玉号の運行でアライアンス契約を結んでいるJRバス関東のカラー。白と青のデザインで、国鉄バスの時代から受け継がれるつばめのマークも描かれています。シートは４列でトイレ完備です。車内では無料のWi-Fiが利用できますし、座席ではAC１００V電源を取ることができるので、スマートフォンを充電することもできます。

　熊谷駅を出発したバスは、一度国道17号に出ます。熊谷警察署前交差点から国道140号を走ります。大変天気が良くまた風が強いので、これから向かう群馬県の山々がよく見えました。

　バスは9:20頃、花園インターチェンジから関越自動車道に入ります。風が強いので時折バスは風に煽られます。車内ではお酒を楽しんでいる人たちもいました。そして9:35頃から20分間上里サービスエリアで休憩です。トイレに向かう人、売店で買い物をする人など様々です。その後10:15頃渋川伊香保インターチェンジで関越道を降り、バスは伊香保グリーン牧場などを横目に山を登っていきます。水沢観音の看板も目に入ります。

　10:35頃伊香保温泉見晴下、そして10:40頃伊香保石段街に到着。伊香保では１０人程度下車していきました。伊香保の温泉街には観光客がたくさん見られました。

　さて、バスは山を下り、吾妻川が流れる谷筋へと入っていきます。地域高規格道路「上信自動車道」の3/20に開通が予定されている吾妻西バイパスも見えています。開通後は、渋川伊香保インターチェンジから草津温泉までの所要時間がこれまでより30分短縮される見込みだそうです。

　長野原町からさらに山深くへと進みます。雪がぱらつく中、雪景色を見ながらバスは走り、定刻の12:00より4分早い11:56、草津温泉バスターミナルに到着しました。

曲ⅰ デューク・エイセス「いい湯だな」

　草津温泉バスターミナルから私たち３人は、温泉街の坂を下り湯畑へと向かいました。私は草津温泉へ来るのは初めてでしたが、若い人の多いことに驚きました。

　草津温泉観光協会ホームページによると、草津温泉は日本三名泉（下呂・有馬・草津）の一つ。自然湧出量は日本一で毎分32300リットル以上、１日にドラム缶２３万本分もの温泉が湧き出しているそうです。そのため草津の旅館や温泉施設では「源泉かけ流し」が可能となっています。そして、泉質は日本有数の酸性度でp H２.１。雑菌などの殺菌効果は抜群とのことです。

　私たちは、バスが12時に到着したのでまずは食事を取ろうと考えましたがお休みの飲食店が多く、さらに営業しているお店では行列ができています。水曜日が休みのお店が多いのかと思いました。帰りのバスの発車時刻13:50まで時間が限られているので、先にお風呂に入り食事は後回しにすることになりました。

　草津温泉にある３ヶ所の共同浴場のうち最も湯畑に近い「白旗の湯」へ向かいました。共同浴場は共同湯とも呼ばれ、地元の人たちの生活のために設けられ、地元の人たちが管理しています。観光客も無料で利用できますが、お風呂をお借りしますのでマナーを守った利用が求められます。

　白旗の湯は（もちろん男湯のことしかわかりませんが）玄関を入ると脱衣場がありますが、鍵のかかるロッカーはありませんので貴重品の管理には注意が必要です。私たちは２組にわかれ荷物番を置き交代でお風呂に入ることにしました。洗い場は特にありませんので十分な掛け湯が必要です。お湯は温度が高く、また白濁しています。外では少し雪が舞っていましたが、脚を伸ばして肩までお湯に浸かるととても温まり気持ちが良かったです。

　白旗の湯を出た私たちは、草津温泉バスターミナルへと温泉街の坂道を登っていきます。帰りのバスに備え、バスターミナルの近くで食事を取ることにしました。バスターミナルの前には足湯スポットがあり、楽しんでいる方々がいました。そして近くにある眺庭庵益成屋（ちょうていあんいきなりや）さんに入りました。私は温かい玉子とじそばを頂きました。生越さんと鈴木さんもそばや天ぷらなど食事を注文していましたが、さらにお酒を楽しんでいました。

　さて13:50ゆめぐり埼玉号の出発時刻が近づきますが、実は私はそれに乗らずに1時間後のバスのチケットを取っていました。生越さんと鈴木さんを見送った私は、改めて湯畑前を通り西の河原（さいのかわら）へと向かいます。西の河原公園として整備されていますが、河原なのに湯気がもくもくと湧き立つ面白い風景が広がっています。足湯がありましたが、帰りのバスの時刻が気になり、早々と西の河原を後にしました。

　バスターミナルへと戻る途中には片岡鶴太郎美術館がありました。温泉街の通りには若い人たちが多いです。旅館、土産物店はもとより、素敵なカフェも軒を連ねていました。そして草津温泉のシンボル「湯畑」は温泉街に独特な風景を作り出し人々を惹きつけてやみません。

曲ⅱ 来生たかお「夢より遠くへ」

　さてここで今回の日帰り旅行を検証します。もちろん宿泊旅行にした方がゆったり過ごせるのは疑う余地はありません。今回のように往復とも秩父鉄道観光バスの「ゆめぐり埼玉号」を利用しますと、草津温泉バスターミナルには12:00に到着し、13:50には帰りのバスが出発しますので、草津温泉での滞在時間は1時間50分です。十分な時間だと思う方、これでは短いと思う方、人それぞれだとは思います。

　しかし、ゆめぐり埼玉号は伊香保温泉経由草津温泉行きです。そこで一つ手前の伊香保温泉で過ごす場合にはどうでしょうか。行きのバスは伊香保石段街に10:33に到着し、帰りのバスは15:10に出発しますので、伊香保温泉での滞在時間は4時間37分です。日帰り旅行で草津温泉を目指すのか、伊香保温泉を目指すのかはあなた次第です。

　私は草津温泉での滞在時間を伸ばそうと、帰りのゆめぐり埼玉号には乗らず、1時間後の14:50に発車するDts line 高速バス、バスターミナル東京八重洲ゆきに乗りました。このバスは秩父鉄道ふかや花園駅に17:35に到着します。運行会社の株式会社Dts creationは東京都内と草津温泉を結ぶ高速バスを運行していますが、そのうち平日の１往復がふかや花園駅に寄ってくれます。

　西の河原を後にした私は、少し早めに草津温泉バスターミナルに向かいました。バスターミナルからは東京都内や、JR吾妻線長野原草津口駅行きのバスなど、多くのバスが発車していきます。乗り入れているのはバスとタクシーですが、切符売り場・待合室・レストラン・カフェ・土産物店、それに観光協会が入居していて、さながら大きな駅のようです。

　草津スキー場が始発のDts line高速バスは、若い人たちをたくさん乗せて草津温泉バスターミナルを14:50に出発しました。16:40には渋川伊香保インターチェンジから関越自動車道に入り、17:00〜17:15には上里サービスエリアで休憩を取ります。17:30には花園インターチェンジを降り、ふかや花園駅には定刻の17:35に到着しました。

　さて、Dts line 高速バスは、草津温泉のある群馬県吾妻郡でサラリーマンのかたわら農業に取り組んでいた若者達が17年越しで叶えた夢の高速バスなんだそうです。運行会社の株式会社Dts creationは、今では八ッ場ダムに水陸両用バスを運行し、従来に引き続いて農産品の販売に取り組み、地域創生をミッションにしています。会社のYouTubeチャンネル「トミーファーム」には楽しい動画がいっぱいです。

　生越さん、鈴木さんを乗せたゆめぐり埼玉号は、熊谷駅南口への到着時刻が17:10。一方の私は、18:01ふかや花園駅を発車する秩父鉄道で熊谷駅へと向かいました。

　熊谷・行田エリアから伊香保温泉・草津温泉へ走る高速バス、秩父鉄道観光バス「ゆめぐり埼玉号」。気軽に温泉旅行が楽しめる手段として利用が広がるといいですね。

曲ⅲ クリストファー・クロス「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」

　今日もお聴き下さいましてありがとうございました。

（今日、おかけした曲）
・デューク・エイセス「いい湯だな」
・来生たかお「夢より遠くへ」
・クリストファー・クロス「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」

（樽見　潔）