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毎年2月22日には島根県のとあるホールで「竹島の日」を記念した式典があるんだけど、あなたたち知ってる?

知らないチョッパリも多いんじゃないかしら♡だってもう10年以上前から開催してるのに、今まで総理大臣はおろか閣僚すら参列していない政府非公認の式典なんだもの♡

だから、出席しているチョッパリたちは毎回不安に思ってる♡

いつも出席してるけど総理も来ないし、本当に竹島って日本の領土なのかな…って♡

今日はそんなお話♡

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202X年2月22日

「えー、それでは第2X回竹島の日記念式典を始めます。」

司会の進行のもと、島根県知事の丸川の挨拶から始まった式典は順調に進んでいた。

参加者は内閣府大臣政務官1名、与野党の議員14名、主催者及び関係団体85名、一般参加者50名の計150名が出席していた。

例年よりも多い一般参加者の出席に主催である島根県と島根県議会は、ついに自分たちの努力が身を結んだのだと喜びをあらわにしていた。

「続きまして、来賓の挨拶です。隠岐期成同盟会会長の…」

司会者が来賓を紹介しようとしたその時、丸川のもとに秘書が近づき耳打ちをする。

信じられないというような表情で秘書を見る丸川。

丸川は立ち上がると司会者のもとへ行き、何やら話している。

話が終わった後司会者は頷き、マイクの音声を入れる。

「申し訳ありません。10分間の休憩を挟んだのち、再開させて頂きます。」

出席者は思いもよらない展開にざわつき始める。







「一体どういうことですか!?」

「なぜこんな時に!」

「いや…こういう時だからこそでしょう。」

島根県知事をはじめ政務官や議員が集まった控室は混乱していた。

「状況を整理しましょう。中国は何と言ってきているのですか?」

島根県知事の丸川は政務官に尋ねる。

「官邸からの報告によると、中国政府は韓国名独島、日本名竹島の領有権を宣言するとともに、現在当該地域を不法に占有している大韓民国及び領有権を喧伝する日本に対して速やかな領有権の放棄及び中国への返還を求める。尚、速やかに返還がなされない場合は当該地域を奪還するために必要な武力行使を行うこととする…と言っているようです。」

「なぜ…そんな…中国まで…」

丸川は狼狽えた表情を浮かべる。

「ひとまず、この状況はすぐに国民の知るところとなります。まずは会場に戻って出席者に説明しましょう。」

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