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リング禍に対して思うこと

先日、ロシア人ボクサーのマキシム・ダダシェフ選手が

7月19日、アメリカメリーランド州で行われたIBFスーパーライト級世界王座の挑戦者決定戦でTKO負けし、

試合後に病院に運ばれ、脳の負傷で亡くなったというニュースが報道されました。

そしてその数日後にもアルゼンチン、ブエノスアイレスで行われた10回戦で
ウーゴ・サンティリャン選手も亡くなったということで、立て続けに2人のボクサーがなくなったという悲しいニュースが耳に入ってきました。

まずは両選手のご冥福をお祈り申し上げたいなと思います。

何故リング禍はボクシングに多いのか

リング禍ってのはボクシングのダメージの蓄積によっておこる死亡事故なんですが

格闘技の中でもボクシングで起こる可能性が高いんですよ。

というのも僕は2つ理由があると思っっていて、1つ目は頭部へのダメージが集中するから、そして2つ目ラウンド数が長いからなんですよね。

まず1つ目、頭部へのダメージの集中なんですけど、 

他の格闘技だったら、打撃以外にも締め技、寝技があったり、ローキックがあったり相手をノックアウトする手段は頭部へのパンチ以外にも分散されているんですけど、ボクシングだとボディブローもあるけれど、KOするにはどうしても頭を狙うので脳にダメージがたまっていくということなんです。

そして2つ目、長いラウンドでの試合ということで、ボクシングって他の格闘技と違って、ラウンドが長いんです。

デビューしたての頃は4ラウンドなんですが、上に行くほどラウンド数がながくなるんですよね。

今回もタダシェフ選手が11ラウンドストップで、サンティリャン選、手も10ラウンド判定後に病院に運ばれました。
 

リング禍とは一発のパンチじゃなく、長いラウンド、コツコツとパンチの積み重ねで起こるものなのです。

長いラウンドで何度もパンチを受けても立ち続けて、、
積み重なった深刻なダメージで脳内で出血を起こす。

他の格闘技では例えば、キックボクシングは3ラウンドだったり、
こんなに長いラウンドでの試合はないので、ボクシングに多いのはラウンド数が長いからという理由が大きいです。

すなわち、ボクシングでも短いラウンドでの試合でこういった事故は長いラウンドに比べて、比較的、起こりにくいんですよね。

例えば、怪物、井上尚弥選手の試合だと、最近は圧倒的強さで短いラウンドでかつ一発のパンチで試合を終わらせているんで、

深刻なダメージが積み重なる前に1ラウンド2ラウンドといった短期間で終わってしまいます。

こういった短期決戦だと、脳へのダメージの蓄積は避けられるんですよ。ダメージが蓄積する前に終わっちゃう感じ。

仮にもし、井上尚弥選手のパンチを何度受けてもたちあがってくるゾンビのような選手がいたとしたら、、

長いラウンドあの強烈なパンチを受けるのは危険すぎます。
てかその前にレフェリーに確実にストップされるでしょう。

4ラウンドの試合とか短い試合でも事故は起こることがあるんですけれど、長いラウンドに比べると数的には少ないんですよ

昔は世界戦も15ラウンドだったけど、リング禍が起こっていたので防ぐために12ラウンドになりましたしね。(それでも長い)

これからももしかしたら短くなる可能性もあるかもしれません。


僕が思うリング禍への対策

リング禍を防ぐためには試合を早めにストップがやっぱり重要だと思います。

ボクシングのレフェリーはストップって早すぎとか遅すぎとか批判を受けたりれたりすることがあります。

ストップが遅すぎるレフェリーは批判していいと思うんですが、

早めのストップを批判するのはあまり良くないと思います。

観客やボクシングファンもそれを批判することなく、選手の健康を考えてのストップを受けれ入れるのがやっぱり一番重要なんじゃないかと思ってます。

最近ではレフェリーが止めるの早いすぎとかそう言われることもあってレフェリーがストップをしにくいのもあると思いますが、やっぱり命が一番ですよ。

早く止めるという点では、レフェリーだけじゃなくて、僕はセコンドや選手自身も意識しておいてほしいなあと思うところ。

セコンドもインターバルでちょっとでもおかしいと思ったらすぐ選手の健康を考えて止めてほしいと思いますし、

危ないと思ったら躊躇わずに試合中もタオルを投入してほしいと思います。

劣勢だったとしても、一発逆転のチャンスがあるかもしれないと一縷の望みをもつのもをもわかるけど、取り返しのつかないことになるまえにストップすべきだと思います。

そして、個人的に選手自身も自らの意思で棄権するのって僕は全然悪いことではないと思うんです。

先日の、村田諒太選手の前座で、東洋太平洋フェザー級チャンピオン

の清水聡選手の試合の時に、清水選手は途中でこれ以上は無理と判断して自ら棄権したんですよ。

あれって、中には「最後までやり通せよ!」とか、「清水がっかりだわ」っていう人もいるけど僕は正しい客観的な判断だなと思いました。

ボクシングの試合って根性論で最後までやろうと思えばできるんですけれど、

そうじゃないんですよね。それって無意味と思います。
他のスポーツと違って最後までやり通すと、

その分、殴られて脳へのダメージが蓄積してしまうんですよ

そうすると、体もダメになり、次にも繋がらないんですよ。

脳へのダメージが溜まると、打たれもろくなって、運動機能や反射も衰えて、パンチへの反応もおくれてしまう俗にいうパンチドランカーの現象が後々、起こる可能性がありますし

なにより、悲しい事故(リング禍)につながなるかもしれません。


なので、清水選手、自ら試合をストップしたのは賢明な判断だなとおもいました、

ボクシングって他のスポーツと違い、「負けても次また頑張ろう」ってのは基本ないと思ういます。

というのも、先述した通り、

あんまりダメージ受けすぎてしまうとパンチドランカー症状を発症し、だんだんボクサーとして衰えていってしまうからなんですよ。

「次頑張ろう」という気持ちは大丈夫でも、肉体的に不可能になってしまいます。

でもとりあえず、早めのストップをしてダメージなく終わらせられたら、改善してまた次の試合で頑張れるでしょう。

その場合は「負けても次また頑張ろう」という考えは全然アリだと思います

まあセコンドや選手にとって、止めたくないっていう思いもすごくわかりますよ。

例えばその試合がタイトルマッチとかだったとして、やっと巡ってきたチャンスを無駄にしたくない! わずかながら可能性があるからまだ続けたい!

っていう思いもね、わかるんですよ、ストップしがたいところもあると思うけど、

なるべくダメージうかずに次のチャンスをつかみに行くってことのほうが大事かなと思います。

頑張ってれば次の必ずチャンスが来るとは一概にいえないですけれど、

とりあえず、その試合を怪我することなく終えて、
実力をあげれば、またチャンスは掴めるかもしれないじゃないですしね。

選手、セコンドが試合を早くストップするのも勇気だと思います。

リゴンドーVSロマチェンコの時のリゴンドーのように。

これ以上は無理だと判断し、切り替えたあの姿勢、あの棄権の判断は流石トップ選手だなと思いました。

ボクシングをやる上で、どんなに強い選手でも避けられないのがリング禍。

ボクシングから離れた僕にはもう関係ないなんてことはなく、現役のボクサー達に二度とこの悲しい事故が起こらないように祈るばかりです。


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高須賀陽

国公立大新卒捨てて→底辺プロボクサー(日本)→ラジオDJ(ニュージーランド、ワーホリ)→帰国後、働き方に疑問を持ち、会社を転々。 そんな日本社会不適合、元底辺ボクサーの思考やYouTubeで作った動画をなど投稿します。 Twitter @akiradio1989
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