無印良品がデザイン屋からカレー屋になった理由。

無印良品でいま一番力を注いでるのはレトルトカレー、おそらく無印良品の一押し商品はバターチキンカレーではないかと思う。
自分が常々提唱してるテーゼとして「オタクはラーメン、サブカルはカレー」というのがある。
つまり「無印良品はサブカル相手な商売してますよ。無印良品はサブカルです」そうあのカレーでアピールしてるのですね。
マス向けなユニクロとの差別化。ちょっとスノッブ。コカコーラに対するペプシ。そういう姿勢アピールが、あのカレー推しですね。

いまはイオンモールが地方の文化インフラを担ってる。そしてサブカルもいまはイオンがインフラ。ヴィレッジヴァンガードで浅野いにおのコミックスを買い、隣の無印良品でバタチキカレーを買い、更に隣のスタバでキャラメルフラペチーノする。
それが今日の裾野の(もはやサブカルだと可視化もされなくなった)マイルド・サブカルという消費形態で。もはやサブカルでなく「意識高い」という言葉あたりで処理されてるのでは。
マイルド化というのはマニュアル主義では無くなったこと。固有名詞が無い。過度に拘り過ぎない。サブスクで適当にオーダーすれば、あとは勝手にいい感じなモノをなかなかな精度でAIが見繕ってくれる。
もはや極一部の超こだわり派しかディグらない時代になったなので。

カレーは斜に構え、"ながら"しつつ頬杖を付きスプーン片手に食べるもの。一方ラーメンは両手で持って正面から100%丼と向かい合い食べるような真剣勝負感がある。まず目の前の食事に対し「ガチ」か「非ガチ」かという違い。ガチはファッション感が無い。
だけかセレクトショップが併設するようなオシャレカフェで唯一扱う飯ものがカレー。カフェ飯で許されるのはカレーまでだから。また、そのカレーは食事でなくファッションやカルチャー。けして腹を膨らます為なものではない。満腹して弛緩した表情はスタイリッシュでは無いから。

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