見出し画像

海外自転車旅。オーストラリアを走る!

 毎年のように海外旅行に出てるという人も珍しくない昨今。
アメリカもヨーロッパも、めぼしいところは行きつくした、というあなたに、今回ご紹介するのは自転車でめぐる海外の旅。
「自転車旅行って、たくさんの荷物を自転車に積んで走ってるあれ?」
「そんな長距離走れるかな」
「そもそも海外って治安は大丈夫?」
この記事は、そんなあなたに向けて書いています。

最近は、まだ小さい子どもと一緒に近所をママチャリで走りまわる程度ですが、その昔はカナダを横断したりしていました。
個人だと、自由気ままな分、荷物は膨大になりがち。
でも、海外では、ツアーもあるんです。
ツアーでは大荷物は預かってくれるので、軽装備で走れます。
それに、土地勘のない海外では、ツアーの方が安心。
この記事では、体験談を中心に、自転車ツアーの魅力を紹介します。

海外の自転車ツアー。見つけ方、アクセスの仕方

画像2

ネットが便利な世の中。
ちょっと検索すれば、自転車ツアーはすぐにヒットします。

そもそもなんで私が海外に目を向けたかというと。
学生時代、国内で気ままに自転車旅を楽しんでいましたが、なんせ土地勘がない。
地図を読み違えて交通量が多い通りを爆走する羽目になったり。
果ては目玉の観光スポットを見落としたり。
せっかく意気込んででかけたのに、いろいろもったいない思いをしました。

そんな中、ある1冊のマンガに出会います。
成田美奈子さん原作の、「CIPHER」。

画像3

https://www.amazon.co.jp/Cipher-%E7%AC%AC1%E5%B7%BB-%E7%99%BD%E6%B3%89%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%88%90%E7%94%B0-%E7%BE%8E%E5%90%8D%E5%AD%90/dp/459288261X

このマンガでは、N.Yに住む主人公の女の子が、L.A.にいる彼氏会いたさに、アメリカ横断の自転車ツアーに参加するシーンがあります。
単行本1冊分割いて描かれている自転車ツアーの詳細が、イベントいっぱい友達いっぱいの「ザ・青春」。
「すごい! 楽しそう!」
これがきっかけでした(照)。

もちろんはじめのうちは国内のツアーを考えていました。
しかし私が若いころは、日本では自転車ツアーを扱ってるところがなかったのです。
じゃ、あのマンガと同じツアーを探してみよう、とネットを駆使して見つけた中の1つが、このオーストラリア縦断ツアーでした。
(現在は国内のツアー、そして成田や羽田集合の海外ツアーもいくつかあります。
期間は1週間前後のものが多く、もちろん出国から日本人ガイドが着いてくれるので、安心ですね。)

ちょっと冒険心のある方は、当時の私のように、直接海外の現地発のツアーに参加しちゃう手もあります。
当然ホームページは英語で書かれてますが、最近はブラウザの翻訳機能も充実してるので問題なし。
ちょっと調べれば、大概の主要都市には1dayツアーから2~3日のもの、国立公園エリアでは1週間くらいのツアーなどがすぐヒットします。

バスやレンタカーで巡るのとは一味違い、風を感じながらゆっくり景色を堪能できる自転車旅行。
英語に自信がなくても、勇気さえ出せば、旅先のテンションで他の参加者たちと割と簡単に打ち解けられます。
ただ、申し込みや質問はもちろん英語でメール。
おっと敷居が高い、とひるんだ方。
「英語 メール あいさつ」とかで検索すれば、メールで使える最適な英文例をゲットできますし、翻訳サイトも活用しましょう。

ツアー主催者も、こちらが英語の苦手な外人だとわかれば、多少おかしな文法でメールしても変に思われることはありません。
むしろ、中学生レベルの簡単な英文で返事を作成してくれますので、気後れせずどんどん連絡を取りましょう。


レンタルが充実、オーストラリアツアー

画像4

筆者撮影

今回紹介するのは、オーストラリア縦断ツアー。
ツアーのサイトはこちらです。
http://www.activeholidays.com.au/adventure/remote-outback-cycle-tours/
いくつか参加した自転車ツアーの中では、このツアーが一番難易度低めでした。

テントと自転車は貸してくれる

 なんと、持ってく荷物で一番かさばる自転車、そしてテントは貸してくれるんです。
日本から持っていく荷物がだいぶ省略できて、ありがたいことこの上なし。
冒頭の写真、車の上につまれたたくさんの自転車。
全てレンタル用に用意されたものです。
とはいえ自転車は外人サイズで、私には少し大きめでした。
気になる方は自分の自転車をがんばって持っていきましょう。


毎日40~60キロしか走らない


 毎日大体100~200キロを移動しますが、自転車で走るのはそのうち一部。
40~60キロです。
ある程度走ったら、「お疲れさまでした、あとは車で」とばかりに写真のトラックに乗せてくれます。
 観光の方に重点をおき、自転車走行はアクティビティ、という位置づけのこのツアー。
他の自転車ツアーに比べてゆるい感じだからか、参加者は半分以上女性でした。

冬スタート。でも砂漠だから寒くない。

さて、スタートは8月でしたが、南半球のオーストラリアでは真冬。
パースの冬は東京の冬ほど寒くはなく、日中は20度くらいに上がることもあります。
朝晩の冷え込み対策さえしっかりしておけば問題ナシです。

ツアーは39日間

内陸はただの砂漠です。
人里もほとんどありません。
でも、あのエアーズロックは内陸です。
私が参加したツアーのメインイベントはまさにそれ。
パースを出発し、エアーズロックを目指した後は北上してゴールはブルームという、縦断ツアーです。

ツアー名:リモートアウトバックサイクルツアー
予算:コロナのせいか載ってませんでした。私が参加した当時は40万くらい。
期間:8/14~9/22 39日間(当時)
区間:パース~ブルーム

画像5

「長っ! そんなに休めない!」と思われた方、ご安心を。
大陸縦断・横断ツアーは、大体1週間ずつの細切れツアーになっているのです。

もちろん、「通し」で全行程に参加するもよし。
または、部分的に参加して、「数年かけて達成する」「有名な観光地の区間だけ参加する」というスタイルも、アリ。

エアーズロックまでは砂漠ライド

画像6

 パースをスタートすると、初日から砂漠エリアに突入です。
はじめの何日かはぽつぽつ集落を見かけます。
が、しばらくすると人里離れた完全な砂漠になります。

郊外にはアボリジニーの集落が点在

画像7

 集落は、なんだか西部劇っぽく、砂漠の中に簡素な建物がいくつかあるという感じ。
白人もいますが、都市部ではあまり見かけなかったアボリジニーの人々の方が圧倒的に多いです。
もちろん彼らはTシャツにGパンという現代的な恰好ですし英語も通じるようです。
でもどこの集落でも商店の窓にがっしりした格子がはまっていることが多く、治安はよくなさそうな印象。

私にはパースで永住権を取って長年住んでる知人がいます。
彼女によると、オーストラリア政府は、アボリジニーの人々に十分な給付金を保証。
でもそれは、なるべく都市部に仕事しに来ないようにという思惑なんだとか。
そのせいか、こうした郊外の集落には、平日の日中という時間帯、暇を持て余してその辺にたたずんでいるアボリジニーの方をたくさん見かけました。

意外にツラい砂漠ライド

画像8

世界一乾燥した大陸、オーストラリア。
内陸はほとんどが砂漠です。
土は赤くまるで火星のよう。

そうそう、コアラはいません。
コアラの生息地は南東の沿岸部だそうですよ。
代わりに、運がよければカンガルーやワラビーに出会えます。
でも、私が見かけたのは交通事故にあって放置されたかわいそうな姿だけでした。
夜行性の彼らは、たまに通過する車のヘッドライトに近付いてったり逃げ切れなかったりして事故に遭ってしまうんだそうです。

あと、なぜかラクダが。
開拓時代、「砂漠ならラクダでしょ」、と白人が荷物運び役として持ち込み、そのまま野生化したんだそうで、数日おきに出会えます。

ここで砂漠ライドでいくつかツラかった点を挙げていきます。


●道が舗装されてない
基本、オフロードです。
とにかくガタガタなので、もうほんとにお尻が痛い!


●景色が単調
ひたすら赤い砂、草、空。
全然景色が変わらないので、達成感がありません。
こんなに走ったんだ、という目安のために。
また、こんなに頑張ったんだ、と自分を鼓舞するために。
自分の自転車を持ち込む場合はメーターをつけて走りましょう。(貸出自転車には装備されています)

画像10

   
出典元:https://www.monotaro.com/g/00401774/

CATEYE サイクロコンピューター


●日焼け
さすが砂漠、日陰がありません。
暑さもきついですが、とにかく日差しが強い。
このツアーがなんで冬のさなかにスタートするのか。
理由はこれでしょう。


日焼け止めは汗で流れてしまうので、1~2時間ごとに塗り直しましょう。
一時期言われていたように、多分、内陸はオゾン層が薄く紫外線が強めな感じ。
とにかく、焼けたらすぐに、水膨れ。
水膨れの薄皮がはがれる前に、その下の皮膚がもう次の日焼けを始めてる。
そのうち繰り返す日焼けはシミに変わって一生残ります。マジです。
Tシャツが薄地なら、貫通して日焼けします。
焼きたくない場合は、全身くまなく塗る、あるいは日焼け対策のされた服装で走りましょう。

このツアー、先述のとおり、自転車で走るのは、一日の距離のうちほんの1部。
多分、単調な景色と暑さ、そして強い紫外線で参加者が参ってしまうからでしょう。
毎日3~4時間、走行距離にして40~60キロだけ自転車で走行し、あとは目的地まで用意されたバスで移動。
そしてエアーズロックのような観光地に立ち寄る、という感じでした。

でも、大きな荷物はトラックに積んでおいてもらえる。
そして、自転車で走った後は涼しい車内で疲れをいやしながらの移動。
暑さや日差しの問題があるからこその、この手厚いサポート。
自転車で長距離を走った経験が無い方でも安心なツアーです。

一番よかったのは、知り合ってまだ日が浅い参加者同士であっても、すぐに仲良くなれたこと。
おそらく自転車でがんばった後のナチュラルハイなテンションからでしょうかね。
ちなみに私の英語はそれほど流暢ではないです。
が、同じく英語がネイティブではない参加者も結構いて、お互いわかりやすい英語を話してたことで距離がぐっと縮まった感じでした。

到着! エアーズロック

画像11

 このツアーの一番の見所。
このときの参加者がやっぱり一番多かったです。

 ただ、2019年10月から、登山禁止になってしまいました。
当時はまだOKでしたが、近々禁止になるとは聞いていたため、私は2回登ってしまいました。
 しかし登山禁止になったのは、ここがアボリジニーの聖地のひとつだから。
先住民の彼らに敬意を表する意味でも、2回登ったのは軽率だったと反省しています。

画像12

 この写真のように、側面は切り立った崖状態。
登山ルートにはいくつも杭が打たれ、そこから垂れたチェーンを伝って登ります。

画像13

出典元 https://clublog.club-t.com/_ct/17231495

 岩の表面は、不思議なくらいにツルッツル。
そして、そよ風よりちょっと強めの風がビュービュー吹いている。
風でとんだ帽子に手を伸ばしてバランスを崩し、滑落する事故が毎年結構起きてるそうです。

 私が登ったのは、1度目は夕方。
ツアーがそこに到達したのがその時間帯だったんですね。
その時刻だとほとんどの観光客が下山しはじめるタイミング。
そのためツアーの仲間のうち登ったのは私だけでした。
気温もぐんぐん下がる一方で、風が強かったのはそのせいかも。
冬で陽が落ちるスピードも速く、暗いと下山中滑落のリスクが上がるだろうしとゆっくりできず、2日目の午前に2度目の登山をした、というわけなのです。

まとめ

今回は海外の自転車ツアーについて、そしてエアーズロックまでの道中のようすを中心にご紹介しました。


●海外の自転車ツアー。見つけ方、アクセスの仕方
ネットでちょっと調べればたくさんヒットします。
連絡は基本英語なので、翻訳サイトなどを活用しましょう。


●レンタルが充実、オーストラリアツアー
自転車ツアーというと、なんだか大変だというイメージをお持ちの方。
意外にレンタルが充実していたり、大きなトランクはバスで運んでくれるなど、充実したサポート体制のツアーが、実はたくさんあります。


●エアーズロックまでは砂漠ライド
自転車で砂漠を走るのはやっぱりちょっと大変。
でも、大変野生動物との出会いもあります。


●到着! エアーズロック
現在は登山禁止ですが、私が参加した当時はまだOKでした。その雄大さと登頂の難しさはとても思い出深いものになりました。

毎日が発見、毎日が冒険。
これぞ非日常。
ワークバランスが叫ばれる今、リフレッシュが仕事の能率向上にいかに大事か、見直されています。
まとまったお休みが取れるようでしたら、ぜひ一度、参加してみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
では、また、いつか。

この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?