デイサービスを利用しはじめた -『時をかける父と、母と』 Vol.12

『時をかける父と、母と』ー 若年性認知症の父親と、がんになった母が逝くまでのエッセイを連載しています。

Vol.12 デイサービスを利用しはじめた

ということで施設Bと契約をかわし、はじめは恐る恐るの週1回利用。朝の10時頃に車で迎えが来て、16時くらいまで時間を過ごしてから、家まで送迎してくれる。連絡帳のようなものを渡してくれ、職員さんがその日の状況を報告してくれる。きっと子供の『慣らし保育』に似ていて、はじめは早い段階で「なんでこんなところにいるんだ。早く帰りたい」というようなことを言っていた父をなんとか職員さんになだめてもらううち、だんだんとマイペースに過ごせるようになってくる。父は環境の変化に弱く、慣れるのに少し時間がかかるようだったが、徐々に利用日数も増やしていくことができた。

デイサービスで入浴サービスがあることもありがたかった。「お風呂入って」→「入るってば」→「忘れる」を無限ループで繰り返す『入浴戦争』は日々泥沼化しており、ほとほと疲れ切っていた私たちにとっては救世主だ。少し通所に慣れた頃、恐る恐る施設での介助浴をお願いすると、思いの外すんなりと父は受け入れたようだった。実際、自分で入浴をしたとしても、父は自分でうまく頭や体が洗えなくなっていた。

夏場にも自主的な入浴をしない父の様子を見て、ケアマネージャーさんに相談をすると、入浴の回数を増やしたいなら、施設AとBも並行して利用すれば、週あたりに入浴する頻度があげられるという。

はじめは福祉サービスを利用するのに遠慮がちだった母も、父が通所に慣れてくると、負担が減ったことを喜んでいた。そうして結局施設Aも利用しはじめ、合わせて週4回の通所、うち3回の介助浴が父の1週間に組み込まれることになった。

現在父がデイサービスで利用もしている施設は『ショートステイ』も受け入れており、父も2〜4泊ほどで宿泊することになった。施設の空き状況にもよるが、ショートステイとはいえども、最大で3ヶ月まで滞在させることもできる。

そうしてデイサービスや入浴介助に続き、数日の外泊も、父の月間スケジュールに組み込まれることになった。

『時をかける父と、母と』バックナンバー
Vol.1 はじめに
Vol.2 私が笑えるために書いた
Vol.3 かつての父はアメリカ人
Vol.4 60歳でアメリカ一人暮らし
Vol.5 認知症ではありません?
Vol.6 やっぱり認知症でした
Vol.7 ここはどこ、私はだれ?
Vol.8 「旦那を介護している」と思えない母
Vol.9 母の入院とがんの発覚
Vol.10 思いを形にできなくなった父
Vol.11 介護認定ってなんだ

あまのさくや
はんこと言葉で物語をつづる絵はんこ作家。はんこ・版画の制作のほか、エッセイ・インタビューの執筆など、「深掘りする&彫る」ことが好き。チェコ親善アンバサダー2019としても活動中。http://amanosakuya.com/
2019/06/17-23 『小書店- はんこと物語のある書店-』@恵比寿・山小屋

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sakuhanjyo

時をかける父と、母と

若年性認知症の父と、がんで逝った母について、30代の私が記録したエッセイ。幻冬舎×テレビ東京×noteのコミックエッセイ大賞にて準グランプリを受賞。
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