小書店

恵比寿にて「小書店」、一週間限定でオープン。

こんにちは。絵はんこ作家のあまのさくやです。
noteでは、「時をかける父と、母と」の連載以来ぱたりと更新していませんでした。

昨夜は心配なニュースも飛び込み、不安な日をすごされている方々も多くいらっしゃるかと思います。目の前の大事なものたちや命が、守られますように、願っています……。

そんな中で大きく語るのもはばかられつつ、自粛するというのも違う気がするので、現在開催中の展示について思いの丈を昨日書いたものをアップします。

6/17(月)より、あまのさくや個展「小書店」が始まっております。

以前から記事にうるさいほど貼り付けていたこれです。

そう、これが、始まっております。

どうですか。DMと似ていますかね。
場所は、恵比寿駅西口(モンベルのある方)を出て徒歩2分ほど歩いたところ。

2坪ほどのこぢんまりしたスペースが、今週限り本屋さんになっております。

ちょっとずんずんと進んでみましょうか。

◾️およそ2坪の小書店

ずん。

ずん。

やす!

間違えた、ずん。

とまあ、こんな具合に、こぢんまりとした書店になっております。

『時をかける父と、母と』 エッセイ本もできました

こちらで連載していたエッセイも無事に本ができました!

どーん。
noteに連載していた内容とほぼ同様のものになりますが、やはりwebで読むよりもと、本を待ってたよ!という声もいただくことが多く。たくさんの方に日々手に取っていただいています。本当にありがたいことです。web上でも少しずつ感想をいただいたり、想像よりも多くの人に届いていたのだなという実感がじわじわ込み上げてきます。

個展というものはたいへんだ

2011年にはんこ作家として活動を始めて以来、個展は何度も行ってきていますが、今回の開催に関しては思いもひとしお。毎回準備は嵐のような大変さではありますが、もう今回は自分史上に一番大変だった気がします。物理的なスケジュールが押せ押せになったのは自分の性格にも原因がありますが……。今回の個展は、今までになく時間をかけて構想を練ってきて、思い入れも強かった分、始まる前の「不安」も、今までになく大きかったのです。

大なり小なり自分で企画するイベントというのはとにかく大変な労力を伴います。ましてや『個展』というのは、言うなればproduced by 自分。made by 自分。sponsored by 自分。決断するのも何もかも自分。だからプレッシャーがのしかかってくる。3年ぶりの個展だったからか、このプレッシャーを久々に思い出しました。そうそう、これこれ!という感じです。

すべて自分次第なのだから、うまくいってもいかなくてもかえってくるのは自分。誰かに迷惑をかけるわけでもないのなら、自分が満足するまでやればいい。そんなことはわかっているけれど、「でもなぁ」と二の足を踏む日があることも事実。

たくさんの「やるべきこと」に追われて、個展直前は特に、半径1m以内の出来事しか見えないくらい視野が狭くなるし、引きこもりになったり、気持ちが塞いだりもします。今回の展示は自分にとっても実験的な要素が大きかったので、その不安も大きく。でも振り返ってみれば、やはり「母がいない」という事実を、時折感じざるを得ない瞬間がありました。

今までイベント前に母に何か実作業を手伝ってもらっていたとか、そういうことではないのですが。私が目の前でふらふらになっていたら美味しいものを食べさせてくれたり、どうでもいい話をしてくれたりした。いつもいたはずの母が今、いない。私が抱いていた「不安」の正体の一つはこれだなと、今更ながら思いました。

不安をときほぐしてくれた人たちがいた

それでも、そんな不安のさなかに、手を差し伸べてくれる人たちがたくさんいました。

搬入日の前日、山盛りにあった内職作業を目にもとまらぬ手際の良さでてきぱきとこなしていき、朗らかな雰囲気でおしゃべりをしながら過ごす時間をくれた、Y夫妻とK夫妻。不安でバリバリに固まりつつあった私の頭と心をほぐしてくれ、そして作業が終わったことで睡眠時間を与えてくれました。その翌日の夜からの搬入作業も、終電間際まで一緒に汗を垂らしながら手伝ってくれました。

展示開始の当日の朝も、もうひと仕上げという作業がもろもろ残っており、睡眠不足の体で会場に到着したら、想定外に、前夜終電間際まで手伝ってくれていたYさんまで手伝いに来てくださっていて…!そしてギャラリーのSさん親子も特別に手伝ってくださり、展示をサササッ、ギュギュッと一気にグレードアップしてくださいました。自分で仕上げられるか不安でしょうがなかったものを、人の力を大いに借りて、自分の想定していたよりもいいものを作り上げられたという嬉しさと安堵感でその朝の眠気も吹っ飛びました。精神的にも、物理的にも不安から解きほぐしてくださったみなさまに、本当に、本当に感謝しています。

三年前の自分と違うこと

前回の個展を行ったのは三年前。そのときの自分は……もちろん、たった一人で作り上げたわけではなく、人の助けを借りながら、ある程度の構想を実現してはいました。だけど多くのことを、自分ひとりでやろうとして、一人の手でできなさそうなものは初めから諦めていた。一方で今回は、自分ひとりの手では到底できないことも含めて想定して、挑戦しました。だからこそ「不安」も大きかったし、誰かの手を借りて実現したことに大きな達成感もあったし、感謝も大きいものでした。

たとえば、今回の展示空間は、一部レンガの壁になっています。
でもこのレンガ、よく見ると…

おや?

これは真っ白な壁に、紙を切って貼っているんです。元々はんこで彫って刷ったものをもとに「リソグラフ」という印刷をかけた紙でつくったレンガ。「いつもそこにあるよ」という顔をしていますが、違います。一枚一枚貼っているのです。たとえばこんなことって、一人じゃ到底できないんです。少なくとも私は。

はんことリソグラフ印刷は最高の相性

と、色々な方にご協力いただいたのは搬入・設営時だけではなく。準備段階でも大いなるご協力をいただきました。

レンガをはじめ、今回の印刷は「リソグラフ印刷」をたっくさん使っております!

(後ろにある機械がリソグラフの印刷機/中野活版印刷店)

こちらは小書店に合わせて制作した「蔵書票」。それぞれが3色で印刷されています。

版画やシルクスクリーンと似たような原理で、一色につき一つの版で重ねながら刷っていくリソグラフ印刷。重ねて刷っていく際に版がずれたりすることもあるのですが、それがまたはんこと相性のいい風合いを生み出します。うーん、しばらくリソグラフの虜になりそうです。

今回のDMから、印刷面で何から何までお世話になりました。

中野活版印刷店活版印刷とリソグラフができるデザイン事務所さん。オーナーの中野さんと相談したり、印刷機を眺めながら一緒に飲んだりもできます。JR荻窪駅、地下鉄丸ノ内線荻窪駅より徒歩7分の環八道路「荻窪2丁目」の交差点にあります。https://www.facebook.com/letterpress.so/

そして、noteでエッセイを公開する前に、原稿を読んでいただいた編集のAさん。構成や細かい調整などアドバイスをいただき修正して、なんとか形になりました。

そんな「小書店」にお立ち寄りくださいませ〜

と、想いがありすぎて長々と書いてしまいました。つべこべうるさくてすみません。でも本当にいろんな方のお力を借りたのは確かです。

ということで、引き続き6/23(日)まで開催しております。多少混み合う時間もありますが、ゆっくり話せるタイミングであればいくらでもお話しますので、話しかけてみてくださいね。ひっそりと立ち読みしてくださってももちろんOKです。そのときは話しかけないでオーラor札でも出しておいてください。(笑)

2019.06.17(月)-23(日) あまのさくや個展「小書店」-はんこと物語のある書店-時間:11:00-20:00場所:Gallery and Shop 山小屋(JR恵比寿駅西口改札を東側に出て徒歩2分)〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿1-7-6 陸中ビル1F

どうぞどうぞ、お待ちしております!

そして最後に、これは差し出がましいというか申し上げづらいことなのですが……。

くれぐれもお気遣いなく、手ぶらでお越しくださいませ!みなさまのお気持ちの差し入れなどは、本当にありがたいことに十分にいただいておりまして…!

一人でも多くのかたにいらしていただき、お話できることが、私にとっては一番嬉しいです。

街の書店に立ち寄るようにふらりと、お越しくださいませ。

最後に、「見かけたら一度はやる」と決めていた『文具』のガチャガチャで、ようやく一番欲しかったものを引き当てましたのでお見納めください。

特にオチもなくおわります。

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sakuhanjyo

絵はんこ作家 あまのさくやです。チェコ親善アンバサダー。ラジオ好き。 若年性認知症の父と、がんで逝った母についてのエッセイ「時をかける父と、母と」が、コミックエッセイ大賞準グランプリを受賞しました。チェコの小さな街にまつわる旅行記、エッセイを連載中です🇨🇿

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