「一次情報?知りませんけど」の時代は確実に来る

《有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。》を読んだ。

タイトルの通り、有名作品をザックリ漫画でまとめたもの。掲載されているのは、檸檬、羅生門、山月記、イワンの馬鹿、三四郎など名前は聞いたことあるけど、内容は知らないものばかり。

それぞれの作品がサクッと読めて理解できるレベルでまとまっている。文学作品に詳しくない人間にとっては入門書としてピッタリ。ホント面白かった。

ただし、この感想のみで終わってはもったいないので、情報発信を生業にする人間の立場から考えたことも書いてみます。

読み進めていく上で感じたのは、一次情報などまるで無視で消費しちゃってるな、ということ。

短い漫画を読んだだけで、その作品を知った気になってしまった。この漫画に綴られたことが事実だと思ってしまったのだ。いろんなことを省略されて描かれたものだというのに。

おそらく、一次情報となる原作をよめば、もっと詳しい展開が綴られ、作家独特の表現方法も楽しめるのであろう。

しかし、よっぽど興味の湧いたものでない限り、原作に触れようとは思わなかった。原作を読みたいと思ったのはイワンの馬鹿くらい。あとは、《へー、こういう作品があるんだ》で終わってしまった。

これって何かに似てると思いませんか?そう、キュレーションメディアである。

キュレーションメディアとは、ネット上に散らばっている情報を集めて作られた記事が掲載されているメディア。

言ってみれば、他人が作った一次情報から成るもの。他人のふんどしで勝負しているメディアなのだ。

読み手としては、知りたい情報がサクッと知れて良いのだが、その一次情報創作者としてはおもしろくない。自分の伝えたいことがねじ曲げられて、パーツとして記事を形成されてしまう可能性もあるからだ。

しかも、読み手としてはそんな創作者の意図など知らず、見たものが全て、是であると判断してしまう。まさに《一次情報なんて知らんがな》という感じで。

こうしたことがネットだけでなく、本の世界でも起きてるんだから、一次情報というものはこれからもどんどん稀有なものになっていくんだろうな、と漫画を読みながら思いました。

まぁ、そうなったらオリジナルを作り続ける人が減るわけだから、ライバルも減るってことなんだけどね。そういう人が報われてほしいよね、なんてことを最後にポジショントークとして書いておく。

ではまた!
らふらく^ ^を読みに来てね。

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