団体設立の動機

ー盆踊りに流れてくる曲たち

　皆さんの地元に、盆踊りの時期になると自然と流れてくる曲は無いだろうか。僕の地元・敦賀では、毎年9月に敦賀まつりが盛大に開かれ、民謡の夕べで「敦賀とてもすきすき」「大敦賀行進曲」「柴田音頭（すてな踊り）」の3曲が鳴り響く。

ー「敦賀とてもすきすき」を買う

　元々昭和歌謡が大好きで、レコードを収集していた僕は或る日、「敦賀とてもすきすき」のレコードを手に入れた。勿論、A面である「敦賀とてもすきすき」は耳馴染みのある素晴らしい曲だったが、問題はB面である。「敦賀ばやし」という曲が配されているのだが、全く聴いたことがない。歌詞はしっかり敦賀のことを歌っていて、曲はイントロから和太鼓とエレキというグルーヴ感溢れる素晴らしい仕上がりのものだったが、全くという程知らない。このときは、「いい曲だなぁ。最高！！！」と思っただけで終わってしまった。
　しかし或るとき、ふと感じた。
「この曲の踊りって、誰が踊れるんだろう。」
と。レコード世代の方ならご存知とは思うが、レコードジャケットにはよく振付もくっついていた。それが「敦賀とてもすきすき」「敦賀ばやし」にもあったのである。
　そこから敦賀の曲にどんどん興味を持ち始め、「大敦賀行進曲」「気比音頭」…とレコードも着々と集めていった。やはりどれにも振付がある。しかし、敦賀では全く踊っていないものばかり、そしてあることが頭を過る。
「今俺は興味があるから知っとるけど、じゃあ曲が作られた当時の人が居なくなっている30年後は、誰が知ってて踊れるん？」
こんないい曲たちが受け継がれず、無くなってしまうなんて有り得ないと思った。そこで、高校生が踊れば目を引くしいいんじゃないかと思い、団体を設立することにした…

団体設立まで

ー先生との出逢い

　団体を設立する上で踊りを習うことは必要不可欠であるため、まずは先生を探した。本町の親玉の女将・Kさんに紹介していただいたのが、花柳流さくら会会長・花柳太英大和先生である。1度直接お会いすることになり、先生のご自宅へ向かった。先生のお母さんが最初迎えてくださり、先生、お母さん、僕の3人でお話をした。思っていた以上に若い先生で驚いた。そこで、僕が考えていることについてお話をし、御稽古をつけていただけることになったのである。

ー市民団体の設立

　団体は敦賀高校の部活にしようか、市民団体にしようかと色々考えていたが、やはり敦賀市の補助金を活用しようと考え、市民団体にすることを選択した。先生が面倒を見てくださるとのことだったが、流石に全て頼りっきりでは申し訳ないと思ったからである。
　そこで、直ぐに南公民館内にある市民協働課へ伺い、担当者の方と話をした。団体設立という初めての経験だったが、担当者の・Kさんがとても優しく、真摯な対応をしてくださったのでスムーズに物事は進んでいった。
　そして、令和4年7月1日。「とても敦賀すきすき」が誕生したのである。
　補助金も申請し、ふるさと創生課との面談を済ませ、補助金をいただけることが確定した。

団体概要

ーメンバー

　現在は、高校生7名、大人5名の計12人で構成されている。高校生はフレッシュで、生き生きした人たちばかりです。大人の方々にも多くの場面でお世話になっています！

ー活動目的

　敦賀市民のソウル・ミュージックとも言える「民謡」を、高校生が主体となって将来に受け継いでいき、復活させ、盛り上げていくこと！

ー主な活動内容

①踊りの御稽古
月1、2回程度の御稽古をオルパークや公民館等で行っています。毎回着物を着付けていただき、頑張っています。
「敦賀とてもすきすき」「大敦賀行進曲」をはじめ、「気比音頭」「敦賀ばやし」などのディープなものも練習しています。
指先ひとつの動きで踊り全体の見栄えが変わってきてしまうので、そこまで意識をして練習に励んでいます。

②イベント等での披露
団体設立1年に満たないながらも、大きなイベントでの披露をさせていただいています。「TonTeen 2023」や「つるがこども縁日」などでは大盛況をいただきました。

③小中学校等での踊りの講習会
私はやはり、若い子たちが受け継いでいかなければならないと感じています。将来踊るのは今の若い子たちですし、今のうちにサイクルを作っていかなければならないと考えています。
昨年11月15日には敦賀西小学校3年生の皆さんを対象に初の講習会を開かせていただきました。敦賀西小学校さんからオファーをいただくことができました。初めてということで、どんな反応が返ってくるのかがとても心配でしたが、杞憂でした。とても笑顔で楽しんで一緒に踊ってくれたのです。休み時間をも返上して練習をしてくれる子まで出てくる程です。
今年の3月15日には角鹿中学校2年生の皆さんへ講習会をさせていただきます。

〆

「とても敦賀すきすき」はこんな感じで誕生した団体です。これから色々、団体のことに限らず発信していこうとおもうのでよろしくお願いします！