先日、ツイートで変なの見たんですよね。
貼れるかな？
 https://x.com/pocomi_chi/status/1712015679313113242?s=20
 こんなの。

でね、まあ、そもそも論じるにも値しないんですけど、僕の悪心がムズムズしたんで反証しますね。
というか、ホワイトカラーがブルーカラーの肉体を持っていない、ブルーカラーがホワイトカラーの学歴高収入を得ていないという、全く世の中の情勢を理解していない大前提に基づいていて、最初から論理破綻してるんですけどさらに突っ込みます。
 
 
まず、「たまたま現代において評価される才能をもって生まれただけ」という点。
この人はそれを「高学歴高収入」と定義していますが、現代資本主義社会において、生まれついて評価される才能をもって生まれることは稀です。ていうかそんな才能ないです。
頭がいい、というのは才能ではなく努力です。
つまり、現代社会において、爆発的に稼ぐことはできないが安定した収入を得るもっとも簡単な方法が「勉強をする」というだけのことであり、結果的に、高学歴高収入と言われる人間は、才能があったわけではなく、時代に合った「努力」をしただけです。
 
これを「才能」「運」と言ってのけるあたりさすがだなという思いが溢れます。
 
むしろ、才能、運、という要素で語るのなら、スポーツ選手のほうがよほど恵まれた体躯と才能をもって生まれ（もちろん努力もしたが）その結果高収入を得ているわけで、そちらの方がよほど「運が良い」と言え、そもそも前段の理論が破綻に破綻しつくしています。
 
物事を逆説的に、表裏で考えられない人間は、この意見に対し賛同するのでしょうが、こんな理論覆すのも簡単です。
 
大谷翔平が、現代社会において運が良いだけ、という理論に基づけば、マンモス時代、ベースボールというものがこの世に存在しなかったら、彼はいったい何になっていたでしょうか？
マンモスに一番槍を刺すために突っ込むただ体がでかいだけのやつ。になります。
現代においてベースボールという競技があったからこそ、彼は輝いているのです。
ほら、大谷翔平のほうがよほど運が良い。すべてのプロスポーツ選手や芸能人などの、勉強をするというこの資本主義国家を生き抜く最も簡単な方法以外で稼いでいる人間は、マンモス時代に存在したら、体のでかいやつ、歌のうまいやつ、面白いやつ。ただそれだけです。
まあ、本人が、肉体的な話をしてるので、芸能人は置いといてスポーツ選手に焦点を当てましょうか。
 
例えばマンモス時代、ただ体躯に恵まれた大谷翔平だけでマンモスを確実に仕留めることができるのか？やみくもに突撃しても返り討ちにあうだけです。
多くの犠牲を払い脳筋プレイでやっと倒せるかもしれない程度です。
果たしてこれが、マンモス時代において、才能に恵まれたと言えるでしょうか？
 
兵の強弱はその量と質において決まらないというのは兵法の常識です。
これはつまり、マンモスを効率よく仕留めるためには、脳筋では非効率ということなんです。
大谷翔平のごとき体躯の持ち主を効率よく配置しタイミングよく攻め掛かるための采配が必要なんです。その采配を揮うのはだれか？
この人の理論でいえば大谷翔平ではないんですね残念ながら。
 
マンモス時代においても現代社会においても、体躯に優れた人間を効率よく使う頭脳が必要になるんです。それが高学歴にあたいします。
古代においては、知恵や知識、見識、経験がそれにあたるでしょう。
結局のところ、どんな時代においても、知恵を持った人間がいてこその優れた体躯ということになるのです。
 
これが絶対に覆らない世界の縮図なんですよ。
それが人類の歴史なんですよね。
 
もちろんプロスポーツ選手は、恵まれた体躯と才能に加えて人並み以上の努力をしているから成功しているわけで、あえて大谷翔平選手を例に挙げましたが、このツイートの発言者が言っているのは、もっと反知性主義的な内容で、そもそも特別な才能ではなくただの努力の結果である、高学歴高収入という別段たいしたこともない、努力をすれば資本主義国家においてはほとんどの人が手に入れられるステータスを、「才能・運」と言いのけるあたり相当だなと思いますし、ホワイトカラーがマンモス時代では役に立たないかのような貧相な想像力。
これらを集約すると、日本の無意識の反知性主義者の行き着く先がこれかと、辟易しながらこのツイートを眺めてました。
自分の発言が反知性に基づくものだと理解しないで発言してしまう、天然の反知性者、最近増えてますので気を付けてくださいね。
 
同調している人間もかなりのあれだなと思いますね。
 
このような人たちのことを一言で言い表すのであれば、
 
「努力をしたくない、努力をしなかっただけの結果を運と才能のせいにしたいだけ」
 
ですね。
 
へへ、へそで茶が沸くくらい破綻してるロジックを久しぶりに見たというお話でした。