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ヒットを生むための問いを考える|日経電子版「U40の匠」を読んで

日経電子版のU40の匠という記事企画が面白いです。

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画像出典:U40の匠

今回は、上記記事を読んで知った具体事例をなるべく抽象化し、転用可能なポイントにまとめてみます。その上で、ヒットを生むために必要な問いを考えてみました。

結論はこちらです。

【チェックリスト】ヒットを生むための問い

☑️顧客を見ているか?
☑️顧客の勘所は何か?
☑️商品・サービスが実際に売られる/体験される現場を知っているか?
☑️伝えたいメッセージは顧客にとって分かりやすいか?
☑️自分以外の方を巻き込めているか?
☑️まずは小さく試すことができているか?(ex.一部の地域でテスト販売)
☑️ターゲット顧客は誰か?


実際の記事は、こちらから読むことができます!
長文記事でもないので、おすすめです。

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では、早速事例を見ていきます。

ローソンの「バスチー」

▽事例:3日で100万個売れたローソンのデザートの顔「バスチー」

実績:

・発売3日で売り上げ100万個を突破
・社内のデザート部門の売上高では18週連続1位を獲得

どんな人に売れているか:

・30~40代の女性が中心

背景:

・プレミアムロールケーキが出てから10年。次のローソンのデザートの顔となる商品が現れていなかった

目をつけたポイント:

・消費者がプレミアムロールケーキに抱くイメージは「安心感」=手軽だけど本格的なスイーツ
→裏を返せば、「人に伝えたくなるワクワク感が消えてきた」

・売り場をワクワクさせよう!
→人がワクワクするのは、おいしさや楽しさを誰かと共有したいとき

★転用可能ポイント

・人がワクワクするのは、おいしさや楽しさを誰かと共有したいとき
・商品カテゴリーの「売れ筋」を見る:愛好者の間口の広いスイーツのほうが潜在的にヒットしやすいと判断
・時流に乗る
・掛け合わせがヒットのタネ
・商品パッケージ:ローソンのスイーツでは珍しい原色の黄色
・キャッチーな商品名:「バスチー」
・刺さる要素を組み合わせる:「定番のチーズケーキ」×「プリンに似た食感」×「パッケージのインパクト」×「カラメルの味」×「キャッチーな名前」
・一部の地域でテスト販売
→需要の確認(1回目)
→いくつかパターンを作り適正価格を決める
(2回目)

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ソニーのノイズキャンセリングヘッドホン

事例:ノイズキャンセリングヘッドホンのソニー「1000Xシリーズ」

実績:

・国内シェアで首位
・「ベストノイズキャンセリングヘッドホン2019」ではソニー製品が上位2機種を独占(イギリスの権威あるオーディオ誌「What Hi-Fi?」が発表)

背景:

・どれを前面的に打ち出すか迷っていた:ノイズキャンセリング、高音質、独自技術や高機能の搭載

目をつけたポイント:

・どれも機能として優秀なだけに、「ユーザーにどんな商品なのか強いメッセージが伝わらず、かえって混乱してしまうのではないか?」と懸念
コンセプトの一本化へ踏み切る

・「1000X」のすべての機能を「ノイズキャンセリングヘッドホンを使った最高の音楽体験」に寄せる
→各機能はノイズキャンセリング機能を引き立てる存在と位置付ける

誰向けに作っているか:

・フリークエントトラベラー(飛行機で移動する人)向け
→届けたい体験として目指すコンセプトを「持ち歩けるコンサートホール」と位置付ける

課題

「業界最高性能」という証拠を示したい、しかし商品開発部からは懸念の声:No.1と言い切ることができればユーザーに分かりやすく商品の魅力が伝わる。しかし、商品を作るエンジニアにとっては調査工数も高いし、他社の商品開発状況もわからないと懸念の声(No.1と言い切るのはリスクにもなる)

→社内説得の足がかりに、販売会社向けのデモを実施。ヘッドホンの実物を触ってもらい、ヘッドホンの良さを知ってもらう!

★転用可能ポイント

・多機能だからこそ、分かりやすさを追う
・メッセージを強く打ち出すために、コンセプトを一本化する
・社外(ユーザー)に届けるためにも、まずは社内および販売パートナーの理解/協力を得ることが大事

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上記記事以外にも、

あのハマスタをDeNAベイスターズファンで青く染めたのは一度は夢を諦めかけた女性だった
アゲリシャスなキウイブラザーズを生んだのは2児の母だった

こちらの2記事から、下記の2点が共通しているように思いました。

消費者目線で考える
消費者を見る

以下、2記事の要約です。

◾️横浜DeNAベイスターズの記事
横浜DeNAベイスターズの原さんは、スタジアムの中でどうしても埋まらないエリアを埋めるべく、連日横浜スタジアムに足を運び、データだけでは見えてこない顧客の属性や観戦スタイルを観察連日の観察の末、コアなファンがいると思っていたエリアにも、ユニホームを着用せず、飲食を楽しむサラリーマンが目立つことを発見。ベイスターズファンと一緒にチームを応援したい層もいれば、ビールを片手に野球観戦を楽しみたい人もいると考え、課題として残っていたエリアに、そのエリアでしか体験できないビール半額券付きチケットを販売。これが見事に観客の心を捉える。小さな施策の積み重ねによって、観客動員率は97.4%に達した。
◾️ゼスプリインターナショナルの記事
キウイでお馴染みのゼスプリインターナショナルの猪股さんは、「世の中の人はみんなキウイが好きだ」という社内常識に切り込み、消費者調査を行い社内に消費者視点を布教。芸能人を起用したCMでは「消費者の印象に残るのは芸能人ばかり。コミュニケーションの中心にキウイ自体を据えるべき」と考え、キウイを模したキャラクターを使ったCMに変更。試行錯誤の結果、日本国内のみならず海外にも人気が出て、18年度の販売量は過去最高の2800万トレーになった。

ここまでの話をまとめてみましょう。

【まとめ】ヒットを生むための問い

ここまで見てきたポイントから多少言葉を言い換えて、汎用的に転用できそうなポイントを、再度自分なりにまとめてみました。

こう並べてみると、ヒットを生み出す銀の弾丸などはなく、プロジェクトを推進する人の力と、基本を徹底することが大切なのだろうと感じます。

☑️顧客を見ているか?
☑️顧客の勘所は何か?
☑️商品・サービスが実際に売られる/体験される現場を知っているか?
☑️伝えたいメッセージは顧客にとって分かりやすいか?
☑️自分以外の方を巻き込めているか?
☑️まずは小さく試すことができているか?(ex.一部の地域でテスト販売)
☑️ターゲット顧客は誰か?


今回は以上です!最後までご覧いただきありがとうございました!

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