セックス学習塾
noteを始めるにあたり書き下ろしたネタ。セックスの塾があったら面白いだろうなと思って書き出したもののオチが思い浮かばず、苦しんだ。ショートネタ。
A:習い事を始めたんですよ
B:あら、いいじゃないのよ。何を始めたの
A:塾に行き始めました
B:あら、珍しいね。ギター教室とか絵画教室とかじゃなくて、塾?
A:セックス学習塾
B:え?
A:SEPIX
B:やかましいわ。SAPIXに怒られるぞ。
A:ふざけてる?
B:いやいや、ふざけてるのはそっちでしょうよ。何がセックス学習塾だよ。狂ってんだろ。
A:真剣に聞いてくれよ。俺は真剣なんだから。
B:すまない。そもそもなんで通おうと思ったのよ。
A:いや、本当に言いづらい話ではあるんだけどセックスがまじで苦手なのよ。上手く出来ないんだよね。
B:ほうほう、具体的には?
A:セックス自体も苦手なんだけど、それまでの過程も苦手で…
B:そもそも女性とのデートとかにも慣れてないんだ
A:いや、本当にこんな歳で恥ずかしい限りですけど…
B:じゃあさ、ちょっと練習しよう
A:お前とセックスはしたくないなぁ
B:そっちじゃねえよ。それまでの導入部分だよ!
A:挿入部分?
B:馬鹿ちんが。俺が女性やるから、男性としてデートしよう
A:ありがとう。ここが予約していたレストランだよ
B:うわ〜!すごい美味しそうだね!早速入ろっか!
A:お前っていい奴だな
B:急に現実戻んなよ。続けるぞ。
A:何か飲もうか。このチャンパグネなんかどう?
B:シャンパンね。美味しそうだね。じゃあ私もそれにしようかな。
A:メニューも多くて悩んじゃうね。アペチゼルから何か頼もっか
B:アペタイザーね。ダメだわお前。セックス以前だわ。
A:何がダメなんだよ。雰囲気もバッチリだったろ。
B:英語が読めてないのよ。雰囲気以前の話だから。
A:塾で習わないとな…
B:まあここは事前に準備できるとこだからね。また対策を練ろう。ご飯が来たところからやろうか。
A:ありがとう。このお魚美味しいね〜!
B:本当に美味しいね。バターの風味が鼻を抜けるし、皮がパリッと焼けてるのに身はふっくらしてて!美味しいね〜!
A:ほんと!なんか凄いよね〜。凄いフライパンとか使ってんのかね?なんかすげぇなぁ〜!
B:ちょっとタイムで。
A:何がダメだったんだよ。
B:語彙力がなさすぎるよ。会話のレイヤーが違いすぎるもん。なんだよ凄いフライパンって。
A:月の石を使ったフライパンとか…?
B:あるわけねえだろ。NASAが許さねえよ。
A:料理の感想も勉強しないとな。
B:これも対策考えないとな。
A:もうさ、最後レストランから出るとこやろう。そこで俺がバチッと決めるから。
B:おお、頼むよ。
A:いや〜美味しかったね。そろそろ行こっか。
B:美味しかったね〜!
A:ここは僕が払うから先に出てて良いよ
B:本当に?ありがとう〜!
A:お会計お願いします!15000円と飲み物が6000円だったから23000円ですね。え、ちょっと多い?すみません。今指で数えますね。1,2,3,4,5…片手5本しかねえや(笑)電卓あります?
B:計算もできねえのかよ。それは論外だろ。
A:やっぱりSEPIXでみっちり習わないととダメか…
B:SAPIX行け。馬鹿。
AB:ありがとうございました。
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