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モイストポプリの話。


好きな漫画に極主夫道というものがある。
伝説のヤクザ不死身の龍(タツ)さんが足を洗い、主夫として生きていくというギャグコメディーである。

伝説級に強い龍さんだが、家事のこなしも伝説級。
可愛いキャラ弁を妻のミク氏に持たせてあげたり、薬膳料理を作ってみたり、ミシンで縫い物してみたりとまあ、とにかくすごい万能な龍さん。

第2巻の11話で、龍さんが(町内)会長への上納品としてモイストポプリを渡すという回がある。

極主夫道2巻11話より。 全てはここから始まった。

へえ、お花や果物の皮を塩漬けに…へえ、バスソルトにもなるのか…


「モイストポプリを作ってみたいなあ」


——そう思い立ったのが2023年1月頃。丁度去年の今頃。
今年は何か生産的な事がしたいなあ、なんて夢見てた時期である。

しかしモイストポプリにしてみたいと思った素材は、金木犀か柚子。
どちらも1月当時には手に入らない代物である。むしろ旬を過ぎたばっかりであった。


そこから更に時を経て2023年12月13日。
遂に近所のスーパーで見つけた。

1個売りがなかった。


そう、柚子である。

順当にいけば秋に咲く金木犀が先だったのだが、公園や道端に咲いてる金木犀って勝手に花をとって良いのか分からず諦めていた。
そして諦めている間に金木犀は散ってしまった。
最寄りの気軽に金木犀が採取できる場所は祖父母宅(香川県)で、採取出来たとしてもそんなに量がない。祖父母宅の金木犀は非常に控えめに咲く奥ゆかしい木なのである。

本題の柚子だが、旬の季節になってもスーパーに全く出回っていなかった(本来なら出荷時期は10月〜11月らしい)。
今回見つけたのも12月である。
どうやら今年の異常気象が原因で、出荷時期が大幅に狂ったらしい。

何はともあれありがたいので、早速購入した柚子でモイストポプリを作っていこう。

まずは材料から。

塩、柚子、瓶、以上。

材料と言っても大それたものは一切ない。
ネットでは「オシャレ岩塩()」なるもので作っているのが散見されたが、そんな小洒落たものはうちにはねえので普通の食塩。
あとは詰める用の瓶と、申し訳程度に写真映え要員として用意した塩を入れる木製のボウル。

作り方は至って簡単で、細切りにした柚子の皮を塩と層状に詰めていくだけである。

こんな感じで柚子の層と塩の層を作っていく。
上から見た図。

以上で終了である。
一つ失敗した点があって、それは「瓶の縁ギリギリまで塩と柚子を詰める事」だった。

何故かというと、内容物と蓋との間に空間が出来てしまい、柚子から出た水分が結露してしまうからである。

いくら塩漬けとはいえ、水分があると黴が発生する原因になってしまうので、失敗しやすくなる。
花びらならそこまで気にしなくても良いのだろうが、梅雨時期になどは特に注意すべきだろう。

そんなわけではい、終わり。

ちなみに余った果肉(柚子は種が大きく、果肉も果汁もほとんどない)は食べてみたらクッッッソ酸っぱかった(賛辞)ので、果汁を絞って蜂蜜とお湯で溶いて柚子蜂蜜にしていただいた。

業務スーパーで買ったライチの蜂蜜。

柚子一つに対して、絞れた果汁は小さじ一杯もないくらいなので、柚子は本当に可食部がない。種もごろごろ入っている。実は酸っぱい(拍手喝采)
そりゃ皮だけしか使われないわけである。

しかし柚子蜂蜜はめっちゃ美味しかった。
体もぽかぽかになれるので、皆様も柚子を見かけたら試してみてほしい。
ちなみに1月現在でも柚子はたまにスーパーで見かける。


そんなこんなで柚子のモイストポプリを作ってみたが、今は塩に柚子の香りが移るのを気長に待っている状況だ。

ああ、早くお風呂に使用してみたい。
それだけ。


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