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ドンブラザーズVSゼンカイジャーを許すな

ドンブラザーズVSゼンカイジャーを観た。
2023年5月4日のことだった。
上映開始は5月3日だったから1日置いたことになる。理由は単純に安くなるからであったが、その選択肢は間違いではなかったと思える。



✳︎このあとの内容はストーリーの重大なネタバレを含みます。
未見の方、気にしてしまう方は見ないで下さい。


映画「ドンブラザーズVSゼンカイジャー」は三部作の作品だった。
①ゼンカイジャーの後日談
②ドンブラザーズの1年後
③ドンブラザーズとゼンカイジャーが一緒に敵を倒す
この三部作構成は、仮面ライダーMovie大戦2010以来からよく使われる、両者の絡みが最後に急に出てきてよく分からないけど共闘して互いの敵を協力して倒すというもの。

正直好きじゃない。

仮面ライダーだとW×ディケイドからドライブ×鎧武までの5作品くらい?がこの3部構成で作られていて、その後ゴースト×ドライブでは最初から両者が協力し合う話の作り方になった。
それ以降は平成の先輩ライダー達を客演にして同じく話を進めていった。
私はこの話の作り方の方が好きだった。

その3部構成の第一部、ゼンカイジャー
とても面白かった。単純に本編後のスピンオフかと思うとゼンカイ脳になるステキな作品であった。文句のつけようもない。

問題はドンブラザーズだ。
ドンブラザーズは本編最後に、タロウの後継者ジロウが覚醒し、ジロウが代わりにドンブラザーズのリーダーとなる器となったことを理由に、タロウは記憶をなくし、戦士だった頃から休息を迎え記憶を無くすという終わり方を迎えた。
そのドンブラザーズパート、1年後を舞台に序盤で記憶を思い出すタロウ。
喫茶どんぶらに向かうも、かつての仲間は迎えに来なかった。
ジロウは金持ちから家を貰い自らも贅沢で傲慢な性格に磨きをかけていた。
ハルカは売れっ子漫画家として活躍、しかし締切間近でもカラオケをする、そのためにタロウの歓迎会に来なかったというのは少し腑に落ちない。

雉野は社長に、猿原は塾を開き、犬塚はソノイとケーキ屋さんになっていた。全て金はジロウから出ていた。
ドンブラザーズで戦うよりもジロウの金で貰った地位の方が楽しいと感じてしまうドンブラザーズ。

唯一ソノイだけは「戦いにフォーメーションを付けるな!」と異議を唱え、ジロウに敗北し、ドンブラザーズを追われた。だが、彼が1番幸せな生活を送っているように見えた。

不満たらたらなメンバーは、ポイントを使ってドンブラザーズ脱退を表明。
ジロウも「もっといいお供を見つける」と宣う。
お前何も成長してないなオイ。

そしてドンブラザーズ脱退後に、例の男が機界鬼となって襲いかかる。
逃げるドンブラザーズ、戦うタロウ。
しかして、タロウは彼らを庇って死んでしまった。

罪悪感に包まれるドンブラザーズ。自分たちがドンブラザーズをやめてなければ、と。
そしてタロウの仇を討つために、機界鬼へと挑むのであった。

誰もいなくなった葬儀場にソノイが現れ、口にして欲しくなかった言葉を告げる。
「タロウ、いつかお前にもらったこの命、返そう」
ソノイが死んだ時、復活に使われたタロウ汁を全てタロウに戻してしまったのだ。

そして機界鬼と戦うドンブラザーズ。
しかし、敗北してしまう。
そんな中沸くのはあの笑い声。
「アッハッハ!」
棺桶の中からタロウが復活したのだ。
そしてタロウの元に集うドンブラザーズ。タロウが戦い、他のメンバーが自由に戦う。それがドンブラザーズの強さであった。
ジロウの型に嵌めた戦い方はメンバーの力も出せず、ストレスを溜めるだけであった。
そのことに気付いたドンブラザーズの面々。
「俺があげた家だぞ!」というと、「俺たちを金で脅そうっていうのか?」とゴミみたいな発言に怒るイヌ。

なんだなんだと戦っていき、ゼンカイジャー側と合流。
なんだかんだと協力して強くなった敵を、とちらも協力して強くなり倒した。
そして何気なくソノイも現れていてジロウを倒し、一矢報いる。

この戦いが終わったあと、イヌはソノニと逃亡してた方が楽しかったと告げ、自作の指名手配書を貼り付けまくる。サイコパスかお前らはよー!

そしてソノザがソノイのおでん屋に向かうと、
ソノイが死んだように眠っているのであった。


という話で、
ドンブラザーズの1年間で得た絆とか、仲間とか、そういうのを全部1年間で失くして、
タロウによって本当の幸せに気付けたものの、
ジロウはわがままなままだし、
ソノイは死ぬ。
そんな素敵な作品がドンブラザーズVSゼンカイジャーであった。


俺は東映を許さない。

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