「下克上パパ」ー2:下克上の決意ー

ー2:下克上の決意ー

家に帰ると、娘はいつものように、学校の休み時間に書いた絵を見せて来る。

「お〜上手だね!かわいいね!」
そう言うと「ふふっ」と照れくさそうに微笑み部屋へと戻っていった。

妻はキッチンで食事の支度をしている。
今日はカレーかな、結婚して11年。いつもと変わらない日常。

でも、今日の俺の気持ちは違っていた。
どうも『会社あった事』で頭がつっかかっている。


「おかえり」両手にお皿を持った妻がやって来たので
思わず話した。

「あのさ、植村って覚えてる?」
「覚えてるわよ、何年か前にあなたの忘れ物を届けた時、受け取ってくれた人よね」
「そう、この前の人事で俺の上司になったよ」
「あら?そうなの?年下の上司じゃやりにくいわね」
「まぁそうなんだけどさ・・・」

その後、いきなり君付けで呼ばれた話を。

「まぁ気持ちはわかるけど、あなたも同じだけ頑張りなさいよ」

あまり気にも留めないような口ぶりで言うと、妻はまたキッチンへと戻っていった。


男は上下関係プライドを気にするところがある、特に俺は高いほうだと思う。
どうしても舐められるのが嫌いなタチ。

だから逆転を考えた。

営業成績では勝てないかもしれない。
ハッキリ言ってあいつの方が優秀。それは分かっている。

なので、別の方向で。

そういえば植村がこの前ロレックスの時計を買って周りに自慢していた事を思い出した。
部長就任記念とか言ってたな。

その時ふと思いついた。

だったらアイツより金持ちになってやる。

それならもっと高い時計だって買えるし、いざとなれば会社も辞められる。
もう上司に頭を下げることもない。

少々安易な考えだとは思ったが経済的優位に立つことは悪いことではない。
そう思い始めると、急にモチベーションが湧いた。


夜、俺はパソコンの前に向かった。
会社の収入以外に稼げる方法はないかと。

ネットサーフィンをしていると
あるサイトが目の前に飛び込んで来た。

「あなたもたったの3クリックで稼げます」

明らかに胡散臭いとは思ったが
昼間の悔しさが残っている今の俺はもう止められない。

勢いに乗せてそのままクリックしてしまった。

続く↓

「下克上パパ」ー3:ギラギラのページー
https://note.mu/sumahosho/n/n4c49a592f0a3


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