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理想の住まいを叶える建築家コラム

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建築家が提案する新築、リフォームのポイント、現代の家族にふさわしい住まいづくり、間取りの知恵のを連載いたします。
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#毎日更新倶楽部

住まいは夫婦のもの

子供と住まい04子供を中心にした住まいづくりの前に  ー子供の「子の自立」を考えるー 子供を中心にした住まいづくりの前に、次のことを考えたことがあるでしょうか。 一つめは、子ども部屋に、ベッド、机、本棚、クローゼットを置くスペース以上の広さが必要かどうか。 二つめは、親の寝室より環境が良く、広い部屋を与えることが、子どもの精神にどう影響を与えるか。 三つめは、「子どものため」という愛情や期待を優先し、夫婦はこうありたいという意識や感情を抑えて、粗末にしていないか。

家族とともに成長していく家

子供と住まい03  ー小さなリフォームでも家は変わるー 住まいを考えるとき、私たちは「家は家族とともに成長していく」というごく当たり前のことを、忘れているような気がします。 しかし今の時代は、家に対する考え方がずいぶん変わってきており、大切に使うというよりは、手入れが少なく便利で快適であればよいという、いわば消耗品的な思考が強いようです。 手のかからない材料、一度使ったら維持管理不要な材料といったら、新建材以外には殆どありません。 もともと、日本の住まいは、木、土、紙

問題を生んだ「子ども部屋」に共通しているもの

子供と住まい02 少年犯罪が増える理由 ー壊れた子どもを作る部屋ー 私たちの生活は、日常の何気ない仕種さえ、無意識のうちに住まいの構造によって習慣化されていることが案外多いものです。幼児期から思春期へと成長していく子どもにとって、住まいは人間形成の場そのもの。その住まいを子どもの躾や人間形成の場として強く意識している親は、極めて少ないのではないでしょうか。 親は、子ども自身の希望、受験勉強のための個室、という大義名分によって、快適すぎる子ども部屋を安易に与えてしまいがちで