第2話:台湾テックニュースつまみ読み!(Jan 29-Feb 10)

初めに、台湾東部で発生した大地震により亡くなられた方々への御冥福をお祈りすると共に、被害に遭われた方々に心からの御見舞いを申し上げます。

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さて、今回はここ2週間で公開されたテックなニュースの中から個人的に興味深かったものをまとめてみようと思います。

予想以上にボリュームが膨らんでしまったので興味があるものだけつまみ読みしていただければ幸いです。


■Taiwan Lands the Prize

Jan 29 2018

先日、MS社のR&Dセンター設置の発表を受けて、Microsoft’s AI and Research Group のDavid Ku氏(chief technology officer)をはじめ関係者が「なぜいま台湾なのか?」を語っています。

中でも興味深かったのがKu氏のインタビュー。

“We wanted to be able to recruit local talent, and we also saw a big opportunity in Taiwan. [...] We may not have knowledge of specific vertical industries, but our local partners do, and they can help us penetrate local vertical industries,”

世界的な企業が続々と台湾に集まる背景をこの言葉が簡潔に表わしています。

台湾にはAI産業を発展させるだけの人と産業の地盤が既にある。

大手企業と言えどもAIはまだ発展途上の分野。

しかし、経験と実績のある地元企業や才能ある若手とタッグを組めばそれをブレイクスルーさせる何かが生まれる…!

日本でも中国でもインドでもなく、世界にそう感じさせたのは台湾なのです。

そんな可能性への期待が感じられました。

■Gogoro battery-swapping network expanded for all

Feb 01 2018

Gogoro社のCo-founderでありチーフエグゼクティブのHorace Luke (陸學森) 氏がGogoro社のバッテリーを使う電気スクーターメーカーに対してライセンスおよびその使用料を免除することを発表しました。

“We are looking to expand Gogoro’s infrastructure and share the benefits of our improved purchasing power with our partners,” Luke said, adding that he expects electric scooter prices to decline as production volume increases.

Luke氏のコメントから、Gogoroのインフラを解放することで他メーカーの参入を受け入れ、市場の拡大および生産ラインを向上させることが狙いだということが分かります。また、そうすることで将来的には電動スクーターの生産数が増え、1台あたりの価格も下がる予想がなされています。

この方針はGogoroにとってはライバル社を生み出しかねない危険な方針にも見えますが記事中にもある通り、こうせざるを得ない状況も背景にあります。

Taiwan cannot wait any longer if its goal of phasing out fossil-fuel powered scooters by 2035 is to be met on time, Luke said.

台湾政府は2035年までに非電気スクーターの販売を禁じる方針を打ち出しているため、市場を急ピッチで拡大・浸透させる必要があるのです。

電気スクーター市場を独占中のGogoro社ですが、「価格が高い」「電池交換が不便」という声も少なからずあり、そうしたニーズに応えるためにもライバル社の登場が逆に販売促進に繋がっていくという、まさに共存共栄を目指しての方針だと言えるでしょう。

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■Taiwanese Fintech Startup INSTO Raises $1.2 million in VC, Preps to Open Online Store

Feb 03 2018

台湾発のFintechスタートアップ企業であるINSTOが120万USドル(約1.3億円)を調達したことで、新製品およオンラインストアの開設を射程に捉えているというニュースです。

INSTOは決済サービスアプリで、特徴的なのがカスタマイズした支払いスケジュールに沿って分割払いが可能だというもの。また、専用アプリをダウンロードしていればユーザー間での決済も行えるのもなかなか面白い機能。

今回の資金調達で支払いオプションを拡げる「INSTO Store」の開設を進める一方で、今後数年でアメリカを中心とし、香港、日本、カナダへの市場拡大を計画しているということなので、ますます楽しみなサービスですね!


■3 Taiwanese cities named top 7 intelligent communities of 2018

Feb 08 2018

Intelligence Community Forum(ICF) が発表した2018年のIntelligent Communitiesのトップ7都市に台湾から嘉義、台南、桃園の3都市の名前が挙がったという記事。

そもそも"Intelligence Community"ってなんだ?

"Intelligent Communities are those which have – whether through crisis or foresight – come to understand the enormous challenges of the Broadband Economy, and have taken conscious steps to create an economy capable of prospering in it. [..] They are located in developing nations as well as industrialized ones, suburbs as well as cities, the hinterland as well as the coast." 
What is an Intelligent Community?

要はICFが提唱するブロードバンド経済に対する理解を示し、かつそれを実践している地域が対象となるようです。

で、この「ブロードバンド経済」ってのがまた曲者なのですが…

ローコスト生産、ハイスピードコミュニケーション、そしてグローバルとローカルレベルのIT技術を駆使して、時差や文化を越えたコラボを実現させていく経済圏のことをいうようです。 (詳細はコチラ)

実はこれ、今回紹介する記事の中で一番意外でした。

日本人の間では嘉義や桃園は観光地としてそこまで広く認知されていません。

たとえば、嘉義

嘉義出身の友人からは「田舎」だと聞いていたため田畑が広がる農村地帯を勝手に想像していました。

実際に調べてみると…緑々しいイメージとは裏腹に、
2014年に台湾で最も空気が悪い地域と評価されており早速意外でした。

しかし、ここから嘉義の逆転劇がスタートします。

これじゃマズいと、ASUS社と組んで空気汚染度を測るAirBoxを主要道路に設置し、リアルタイムで測定結果を表示させるLED掲示板を設置しました。

一方で電気スクーターのバッテリー交換所を増やしたり、環境教育プログラムを各教育機関やコミュニティで積極的に行うなど、市民のマインドセットを変えるような取り組みを続けました。

その甲斐あって、1年後の2015年には国内で最も汚染粒子の削減に成功した都市として再評価されたようです。

また、時を同じくしてWi-Fiのホットスポットを約1,000箇所に設置、地元交通機関と協力した観光客を対象としたE-Serviceの充実、デジタル教育の推進など急ピッチでテック都市へと成長しているというのです。(詳細はコチラ

ひとつひとつの取り組みがスピード感があって興味深い。

これは別で記事を作った方がいいぐらいのボリュームになりそうなので
とりあえず今回は軽く触れるだけにしますが、桃園やの取り組み紹介も
非常に興味深いので興味がある方はぜひご覧くださいません。

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■AI robotics hub exhibition center opens in Taichung**

Feb 09 2018

穏やかな気候と都市部へのアクセスの良さから台湾人が住みたい都市No.1と言われている台中。

そんな台中がロボット工学に力を注いでいることはあまり知られていません。
(かくいう、この記事を読むまでは僕も知りませんでした。。)

台中にある中部科學工業園區(Central Taiwan Science Park (CTSP))ではロボット工学産業のプラットフォームを目指すべく、新しいハブをオープンしたという記事です。

オープニングセレモニーで中華民國科技部のChen Liang-gee (陳良基)氏は台中を"a city of intelligent machinery"(知能機械の街)であると表現し、ロボティクス・ハブが無限の創造力を生み出し、地元のロボット工学産業と世界を繋ぐだろうと述べています。

前回の記事でも紹介しましたが、台湾はAI産業ブームで世界的大企業が続々とR&Dセンターを台湾に設置し始めています。

台中を訪れた際、正直テック感を感じることがなかったのですが…
台北や高雄に続くテック都市としてどう様変わりしていくのか楽しみです!


本日のまとめ

予想以上にまとめるのに時間がかかりました…。
次回はもう少し絞った内容で狭く深く掘り下げるように頑張ります。

AI系やICに関する記事は違った角度からもう少しみてみようと思います。

最後になりましたが、この記事が少しでも台湾への関心に繋がれば幸いです。

それでは、また次回!

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Reference:
Taiwan Lands the Prize
Gogoro battery-swapping network expanded for all
Taiwanese Fintech Startup INSTO Raises $1.2 million in VC, Preps to Open Online Store
INSTO - Afford Anything, Schedule any Payments
- YouTube INSTO - Afford Anything, Schedule Any Payments
- 3 Taiwanese cities named top 7 intelligent communities of 2018
Intelligent Community Forum
AI robotics hub exhibition center opens in Taichung
CTSPについて



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Sumiya Ushiro

初創的空間

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