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ホイポイカプセルを作りたくて、実験はじめます

みなさんには、諦められない夢はあるだろうか。
無理だと思えても、どうしても叶えたい夢が。

自分の中にあるそんな夢に気づいたのは、4年前だろうか。
7年前、仕事で疲れ切っていたわたしは、改めて自分がやりたいことを考えた。バケットリストを作り、小さなことは当然即実行し、ある程度大きなお金や時間がかかることもあらかた実行しきった。たとえば、星のや富士に泊まるとか、バルコニーで朝食を食べられる物件に住むといったものだ。これが7年前。
4年前はコロナ禍のさなか会社員を辞め、さらに深い「やりたい」を追求したタイミングだった。7年前のバケットリスト活動でおおむねその効能と限界を心得ていた私は、「一人ではできないがチャレンジしたい」項目を考えた。そんななかで出てきた夢の一つが、「ホイポイカプセルを作る」であった。

著作権を考えて模写したのだが魅力が伝わりづらい。心の目で見てほしい。

その夢の種が生まれたのは、2019年のGW、平成から令和への改元があったそのさなかにアルメニアを旅行していたことがきっかけだった。日本とは違って内陸のその国は、バスや電車で走っても走っても草原が広がるのみである。

アルメニアの草原 ずっとこれが続く

草原をバスで長時間走った後に到着した、世界最古(約6100年前)のワイン醸造所の遺跡を見たとき、わたしは、「人はこんな何にもないところに住めるんだ」とも、「人間が住む場所って6000年経ってもあまり変わり映えがしないんだな」とも、一種相反する感想を持った。
これまで30か国以上を旅行した私は、どこに行っても人の営みはある意味変わり映えがしないことにうっすら気づいて、つまり、飽きを感じており、もっと見たことのない刺激を求めていた。
たとえば、深く自然を感じたい。若いころにはむしろ退屈だった自然はいま、癒しやリセット・リトリート効果を感じさせ、街の中では凝り固まって出てこなかったアイディアや気づきをもたらしてくれる得難い場となっている。
これをするには、旅館やコテージでは物足りないのだ。
だけど、私には冒険家や登山家のようなフィジカルの強さも、鍛えるメンタリティもない...

でも、アルメニアのあの広大な草原は6000年前に人が住んでいたのだから、今でも滞在はできるのでは?そうなってくると…あのような草原でも快適に滞在できないか?もっと言えば、森の中でも、砂漠の真ん中でも快適に滞在するデバイスが欲しい!

そんなこんなで「ホイポイカプセル」的なプロダクトをつくる。
という夢を掲げることになり、事業化に乗り出したのでした。


ちなみにこの夢は、一時期はSOEL(わたしが今年2024年1月まで代表取締役を務めていた)の目指す方向として伝えてきたが、辞任後は、わたしの個人会社Conjunct合同会社でこの夢を引き継ぎ、事業を展開している。なので、これからの話は、わたしおよびConjunctの野心として受け取ってほしい。
SOELのときに語っていたことも参考になるとおもうので、
念の為記事も貼り付けておく。
東大発スタートアップが目指す
「大規模集積型インフラに依存しない自律分散型の電力供給システム」


ホイポイカプセルへの第一歩「移動式の家」

ホイポイカプセルが欲しい!と語っているが、いますぐに「カプセルが数百倍大きくなって住める家になる」みたいなことが出来るかというと難しい(できない?)のは十分承知している。

いまの技術で、その夢に近づくためのプロダクトとして考えているのが「移動式の家」。さらに、移動先でも快適に過ごすためには、エネルギー供給はオフグリッドで行う必要がある。

鎌倉でスタートする実証実験

誰もまだ見たことない「移動式のオフグリッドの家」。
一般的な家庭の電力消費量を、太陽光パネルだけでどうにかしようとすると毎日完全に晴れた場合で12m2以上の敷地が要る。(天気が悪い日を想定すると3倍以上)また、給湯も電気で行うとさらに必要面積が増えてしまうので、理想を言うなら熱は熱の形で確保したいところだ。給湯以外にも、エアコンや冷蔵庫などは電気を介さずに熱で機能させることはできないだろうか?そうすれば太陽電池の面積は少なくて済む。ただ、熱をどうやって圧縮・保存するか?また、家電を熱で動かすなら家電側の改造も必要になる…
などなど、考えていくべきことは山程ある。

このように、どんな技術が必要なのか?具体的にどんなものをつくるのか?
自分で試行錯誤していくことが必要だとの考えに至り、
2024年4月から鎌倉で実証実験をスタートすることに。

鎌倉市内某所 建設中の実証実験小屋

がっつり小屋型である。ここまで語ってきた「移動式」はどうした!というツッコミを受けそうだが...
まず移動式以前に固定式だとしてもエネルギー供給は難しい。まずは固定式で電気の確保・蓄熱の実験、家電の改造なども行いながら、必要な技術などを見極めていく予定だ。
(ちなみにこの実証実験の場は、わたしの自宅を貸してくださっている大家さんのご協力のもと成り立っている。この場を借りて、大家さん本当にありがとうございます。)

これからの展開。仲間が欲しい!

「移動式のオフグリッドの家」に向けて必要なステップとしては

・移動式の家に欲しい機能は何なのか
・そこにエネルギーを供給する手段(技術)は何があるのか

をまずは固めていくことだと考えている。
まだ誰も作ったことのないものなので、仕様書はおろか企画書もない。なにしろ、どこまで贅沢を尽くしたいかで必要な機能・技術も変わってくる…
一緒に考える、仲間が必要だ。
ホイポイカプセルで暮らしてみたい人から意見を頂いたり、
エンジニアではなく理系の素養のある方と、要素技術を語ったり、
エンジニアに家電を改造してもらったり…
などなど、もしこの取り組みに興味を持ってくれた方がいたら、ぜひ気軽に問い合わせてもらいたい。

さいごに、せっかくなのでドラゴンボールで締めてみようとおもう。

無理だと分かっててもやらなきゃなんねー時だってあるんだ」

そんな悟空の名言を胸に刻みながら、
自分の夢に向かって色々と試行錯誤していきます。

R.I.P 鳥山明先生

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