監査役日記7 往査にいく

事業所などに監査に行くことを往査と言います。
普通は事前に連絡して行くことが多いですが、業務によっては現場を抜き打ちで訪問することもあります。

事前に連絡する場合は、メールなどで日時、監査の内容、準備してもらう資料、部屋などを連絡して準備をしてもらいます。
時間を効率的に使うことがお互いのためですので。


監査役が行う監査は本来は取締役の執行状況をチェックすることと、内部統制がきちんと効いているかを確認することが目的です。

取締役がいる事業所なら、取締役に時間をもらって、ヒアリングすることになりますが、いない場合は事業所長に本社からの指示内容がどうなっているか?とか、何か問題と思っていることはないか?などと現場の状況も聴きながら経営陣の動きを確認します。

内部統制が効いていることを確認するのは、内部監査部門が業務の執行状況を確認して、社内規程違反や法令違反がないかを監査しているので、その監査報告を確認して、更に不足だと思った点を確認すればいいのです。
会計監査も同様に監査法人の監査結果を確認すれば足ります。

ですから、往査するのは、内部監査部門または監査法人の往査に同行すれば調査の内容や発見した問題点をその場で確認したできるので好都合です。
また、彼らが監査している間に事業所長やその他の社員にヒアリングができれば実態を把握しやすくなります。
また、監査部門が時間がなくて見れなかった帳票などを調査できれば思わぬ発見があるかもしれません。
私は、事故報告書、トラブル報告書などは必ず確認するようにしています。本社に報告されていない内容があるかもしれませんし、事故の後の対策がどうなっているかを確認する必要があるからです。

また、内部監査部門や監査法人とは密接にコミュニケーションを取って、協力体制を構築しておくと、効率的で効果的な監査ができるようになります。

往査後に作成する監査調書は2つ作ることになります。
一つは当然ながら自分がヒアリングなどを行った内容です。
もう一つは内部監査部門の監査に立ち会って内部監査の結果を確認したという内容になります。資料としては、内部監査報告書となりますが監査の実施状況を見ることも内部統制が効いていることの確認にもなります。


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