高校入学のための就学支援制度まとめ

こんにちは、イシゲスズコです。

こんぺいとサロン関連の投稿に利用していたnoteですが、今回はTwitterで触れた高校入学に向けての就学支援制度についてまとめるために利用します。


発端は、Twitterのタイムラインに流れてきたとあるツイートです。

「公立高校に落ちたら私立に行く金がないから死ぬ」と書き込まれているのを見た方が「支援制度があるから今は落ち着いて頑張って」と書かれていたこと。

これを見て、先日見学に伺った私立高校の説明会で聞いた

「今は『お金がないから私立には通えない』ということはまずないです。色々な制度があるので入学が決まったら遠慮なく学校に相談に来てください」

というお話を思い出しました。

我が家の長男は春に中3になります、いよいよ受験生です。

そして我が家も裕福とは言えない暮らしをしています。支援制度の中には利用できるものもある可能性は高く、ひとごとではありません。

自分の備忘録としても、こんな制度があるよというご紹介という意味としても、今回自分が調べたり教えてもらったりしたことを取りまとめておこうと思います。

そもそもどのくらいお金がかかるのか

私が住んでいる大分県では、公益社団法人大分県人権教育研究協議会という団体が「知っていますか?就学支援のための制度-2018-」というタイトルのパンフレットを発行し、小中学校に通う児童に配布したり、市役所などに置かれていたりします。

このようなパンフレットは恐らくは各都道府県ごとに存在するのではないかなと思います。

また、友人から教えてもらいましたが、

https://高校授業料無償化.net/

このサイトに同じような情報が集約されているようです。

前述した私の手元にあるパンフレットには「高校でどのくらいお金がかかるのか」という大分県内の統計を基にした情報が記載されていました。

2016年度調査によると…

入学時(入学料・制服代・教科書代・副教材費・その他体操服等)

県立高校普通科 約11万3千円 私立高校普通科 約27万7千円

月々にかかる経費(授業料・施設維持費・PTA費・実習費・その他)

県立高校普通科 平均16,224円 私立高校 平均42,299円

これらとは別に、学年年間徴収金3万円程度や修学旅行費、卒業時の経費などが学校ごとに加算される可能性があることが記載されています。

また、部活動についての経費も想定されます(これについては集まった情報を最後にまとめます)


高校無償化について

まず把握しておく必要があるのが、高校無償化というお話についてだと思いました。

前述したサイトを参考にします。

2010年からスタートした高校授業料無償化は、簡単に言うと高校の授業料を国が支援してくれる制度です。
平成26年度(2014年)4月から高等学校等就学支援金制度に、名前が変わり一部内容も改正されて新制度になっています。
2014年4月からは新制度となり、公立高校でも私立高校でも対象となっています。
高校授業料無償化で公立高校は全額授業料が無料(月額9,900円)となり、私立高校でも同額補助されています。
また新たに所得制限が始まりました。
国公私立問わず、高校等の授業料の支援として「市町村民税所得割額・道府県民税所得割額」の合算額が507,000円(年収910万円程度)未満の世帯に「就学支援金」が支給されます。

公立高校は月額9,900円の授業料を全額カバーでき、また私立では年収に合わせて4段階の支給月額の変動があり、道府県民税と市町村民税の所得割額の合算額が非課税の家庭では月に24,750円(2.5倍)受給できるようです。

この高等学校等就学支援金制度申請制のため、給付を受けるためには入学する高校へ必要書類を提出する手続きが必要になります。

また、本人ではなく学校に直接支払われる仕組みになっています。

そのほかの給付金制度について

この支援金制度の他にも給付金制度はあるようです。

まず、都道府県が行う事業として、高校生等奨学給付金制度があります。

①生活保護を受けている世帯、②道府県民税および市県民税の所得割額が非課税(0円)の世帯で保護者が同一県内に住んでいる場合に給付されるものです。

こちらは授業料以外の学校にかかるお金の一部が都道府県から保護者へ支払われるもので、世帯の状況や第1子か2子以降かなどで金額の変動がありますが、非課税世帯の第1子が国公立の通信制以外の高校に進学する際には年80,800円支給されるようです。

詳細は文部科学省のサイトから確認できます。

また、友人からの情報で東京都の制度として私立高校等授業料軽減助成金事業というのもあるようです。

公益財団法人 東京都私財学団のサイトに詳細が書かれています。

このような私学に進学に対する助成金は自治体ごとに異なっているようです。調べ方についてはこちらに詳細が掲載されています。

検索方法
お住まいの地域の私立高校でその制度があるか調べたい方は「私立高等学校等授業料軽減助成」と「○○県」(お住まいの都道府県)で検索すれば情報を入手する事が可能です。
また高等学校等就学支援制度は国から、私立高等学校等授業料軽減助成は都道府県からなので対象者であれば両方もらう事が可能です。

ちなみに、大分県で検索をしてみたら県教委の高校生等奨学給付金制度のサイトがトップに上がってきて他にそれらしいものが見当たりませんでした…(残念)

市町村ごとの奨学金制度

大分県のパンフレットには市町村ごとの奨学金制度についての記載もありました。

市町村が行なっているものや個人、公益財団法人、ロータリークラブなど、様々な団体が関わっているようです。

看護や林業など特定の志望がある高校生を対象としたものや、通学方法により変動があるもの、毎月支給されるものや入学時のみなど、内容も様々です。

また、貸与だけでなく返還不要の給付や贈与という形のものも。

例えば大分市奨学金は新1年生30人予定を対象に公立高校で月額1万円、私立で2万円の貸与、大分市未来自分創造資金奨学生は新1年生25名程度を対象に入学支度金を10万円、進級時と卒業時にそれぞれ5万円ずつ給付、など色々な形式のものがあるようです。

これら自治体ごとの奨学金制度については、お住まいの地域の役所のサイトで調べることができると思います。

そのほかの経済的支援

私が参加した高校見学の際にいただいた各校のパンフレットの中には、それぞれの学校で受けられる支援制度が記載されていました。

その中には上記のような公的なものもありますが、ほかに、学校独自の奨学制度や割引制度が記載されている学校もありました。

保護者が卒業生だと対象になる制度もあるようです。

また、県のパンフレットには定時制・通信制高等学校(N高も対象になるんだろか)に就学した生徒や特別支援学校に就学した児童生徒のための経済的支援についても記載がありました。問い合わせ先はそれぞれの学校です。

部活動の経費について

実は、私が今一番びびってるのがここです。

学費についてはこれまでにまとめてきているように色々な減免制度や給付金があるらしいことがわかりますが、部活動にはこれらはありません。

Twitterでこの不安を呟いたところ

息子がアメフト部なのでめちゃくちゃイニシャルコストがかかりました。多分一年生の時は30万円くらいかな。もう一人の子は陸上部なので驚くほどお金がかかりません。部によりますよねー。
(Samanthaさん @Happy5_Samantha)
吹奏楽部も学校によっては楽器貸出だったり自費で購入だったりするので要注意です。忘れていましたが、私立中高の音楽の授業でありがちなバイオリンも、貸出の学校と私物持参の学校があります。入ってみないとわからないことが多すぎ...。
(Samanthaさん @Happy5_Samantha)
私は高校で弓道部に入りたかったんだけど、入部するのに20万、月の部費5000円とは別で矢が一本5千円すると聞いて諦めました…… 親は「それでもやって欲しかった」って言ってくれてたのですが
(相河柚希@ゆずのやさん @artartn)
部活の強弱で全然違うと思いますよ〜。うちは兄弟同じ競技で別々の私立高校へ行きましたが、弱小校の長男は3年間で3万かかったかな??という感じで、強豪校の次男はまだ1年生ですが1年でその10倍以上です。しかも保護者の車出しなど人的支援もいれると(時給換算すると)…ヒッてなる(T_T)
( Naomi Kimuraさん @naomico)
ユニフォームで7万飛びました…。それからも部費やら遠征費やら合宿費やら…。 キツかったです( ADHDママ。さん @ADHD86205705)

など色々なご意見をいただきました。

どうやら、一概に私立だから高いとか、この競技だからお金がかかる、というお話ではなさそうです。

同じ学校内でも部による違いがあったり、同じ競技でも学校による違いがあったりするようです。また強弱で違うのではというお話もありましたが、全国大会に出るような強豪校だけど経費が抑えられているというお話もありました。

また、各部の保護者会のあり方や部費の状況は刻々と変動している可能性もあります。10年前と同じではない可能性も高い。

つまるところ、この件については「実際に入部している子を持つ保護者に話を聞く」しかないんじゃないか、というのがいまの段階の結論です。

これら情報を持っているのは、誰かという問題

ネットを駆使したりパンフレットをかきあつめたり実際に通っている保護者に聞いたりすることである程度の情報を得ることはできます。

ただ、地域に根付いた情報、実際に自分の世帯が、我が子が受けられるのは何か、というピンポイントの情報はなかなかに得づらいものだろうと思います。

じゃあ誰に聞けばいいの、という話になるんですが、友人は中学の面談の時に中学担任より情報提供があったようです。

また、私が参加した私立高校の説明会では担当の方が「私立は高いというイメージがあると思いますが、合格したけど通えない、ということは今はまずありません。色々な制度があるので合格が決まったけど困った、という場合は学校に問い合わせてください」と仰っていました。

おわりに

いろんな資料を見る限り、やはり私立高校はいろんな面でお金がかかるようではあります。でも、自分たちが高校を受験した当時とは違って今は15歳の段階でいろんな進路を見据えて学校選びをする傾向が強くなっています。

行きたい学科が私立にしかないお子さんもいるだろうし、うちの次男のように丁寧なサポートが必要な子によくしてくれる学校が通える範囲内に私立しかない可能性もあります。

公立しか無理、とか、カツカツでも生活できているから対象と思ってなかった、もらえるとは思っていなかったけど申請すればもらえたらしい、なんていうこともあるかもしれないし、ダメもとで利用できる制度があるのかを聞いてみるのもありだなぁと思います。

おまけです、中学生の君へ。

ここまで、あくまでも高校受験をする子供を持つ保護者の視点でまとめてきました。中2の息子を持つ自分に必要な情報だからです。

ただ、これを書くきっかけになったツイートの中にあったような、私立にはいけないから死ぬしかないと書いていた子は本当にいるのかもしれない、それはずっとどこかに引っかかっていることです。

私がここに書いてきた各種助成の申請のためには保護者の協力は必要不可欠です。保護者が手を出してくれなければどうにもならないものばかりです。

もしなんらかの事情でそれが望めないところにいる子がいたとしてなにか書けることは…と思いましたが、福祉現場にいる友人と話す中で個々のケースにより状況が違いすぎるのでまとめるのは無理ではないか、という結論に至りました。

もし君の保護者がこれら助成金の情報についてただ知らないだけだったら、どうぞこのサイトでも、文部科学省のサイトでも見せてあげてください。

中学校の先生に親にそれを知らせてくれと頼んでも良いかもしれません。

また、もし家庭にお金がないわけではないけれど教育費を出してくれないなどのネグレクトの状況があるなら、相談先はまた違ってくるかもしれません。

それぞれの状況により対処は違うこと、また、他人が介入するのはとても難しい問題であること、いろんな難しさがあります。

でも、私が大人として君に言えることがあるとしたら。

どんな可能性もあるから、死ぬな、生きろ、周りの大人を頼れ、どこにも行き先がないなら私に話しかけておいでできる限りのことはするから。

以上です。

高校入学にまつわるお金についてのお話はここまでです。

ここからはこんぺいとサロンのお話をちょっとだけ。

以前からポツポツ呟いてきましたが、こんぺいとサロン@福岡市を今年6月ごろ福岡市内で開催したいと考えています。サポートやnoteの購入でサポートしていただけるととても嬉しいです。

ありがとうございます!

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