ムーミン谷の彗星まとめ

ムーミン谷の彗星関連の創作物をまとめたもの

ムーミン谷に彗星が墜落する話は人気ネタで、小説版で1回(初期版と最終版を分けるとしたら2回)、コミックスで3回、アニメで4回(パペットと楽ムーの再編版を含めると6回)、舞台で2回、計8回(11回)ほどもメディア化されている

1946年:ムーミンシリーズ2作目「Kometjakten(彗星追跡)」(ムーミン谷の彗星の初期版)がスウェーデン語でフィンランドで刊行。のちに1956年と1968年の二度にわたり、改訂版が刊行される。

Introduction to Moomin stories: Comet in Moominland, 1946
ムーミンの歴史

1947年10月3日~1948年:スウェーデン語系の新聞『ニィ・ティド』紙
に「Kometjakten(彗星追跡)」をもとにした初のムーミン・コミックス「ムーミントロールと地球の終わり」を連載。
当時トーヴェが交際していたアートスが編集長を務めていたヘルシンキのスウェーデン語系の新聞『ニィ・ティド』紙の子供欄への漫画をトーヴェに依頼。しかしムーミンパパが王党派新聞を読んでいることに読者から抗議があり、わずか半年、26話で連載を終わらせることになる。トフスランとビフスラン、モランはこのコミックで初登場した。小説版とはまた違った、外連味の強いムーミン谷の彗星となっているこのコミックは現在日本でも「ひとりぼっちのムーミン (筑摩書房ムーミン・コミックス14巻)」で読むことができる

ムーミンの歴史
もうひとつのムーミンの原点、コミックスの世界
ひとりぼっちのムーミン (筑摩書房ムーミン・コミックス14巻)
ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソンp233
ムーミンとトーベ・ヤンソンp47

1949年12月29日:初のムーミン舞台、「Mumintrollet och kometen(ムーミントロールと彗星)」上演。トーヴェと元恋人でヴィフスランのモデルであるヴィヴィカ・バンドラーにより、ヘルシンキのスウェーデン劇場に舞台化の企画を持ち込まれる。当初は脚本が子供向けとも大人向けともつかないと渋られるも、無事上演されることになる。ヴィヴィカが監督をし、トーヴェは脚本から舞台美術、衣装デザインなどに取り組む。演じたのは演劇学校の学生。ニィ・テイド紙に連載された「Kometjakten(彗星追跡)」をベースに、「Trollkarlens Hatt(楽しいムーミン一家)」やまだ未出版の
「Muminpappas bravader(ムーミンパパのほら話)」のテイストも入る。
さらに彗星がしゃべたりスナフキンが魔法使いだったりと、こちらも癖の強いムーミン谷の彗星らしい

ムーミンの歴史
Moomins at the theatre: Mumintrollet och kometen theatre play (1949)
Archive treasures: The original set design sketch for the “Comet in Moominland” play by Tove Jansson
トーベ・ヤンソン 人生、芸術、言葉p287
ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソンp181
ムーミンとトーベ・ヤンソンp49
2019年ムーミン展 THE ART AND THE STORY図録p250、p265

1956年(小説):「Kometjakten(彗星追跡)」が改訂され「Mumintrollet på kometjakt(彗星を追うムーミントロール)」として刊行

Introduction to Moomin stories: Comet in Moominland, 1946How Tove Jansson’s drawing style and the Moomins developed over the decadesムーミンを生んだ芸術家 トーヴェ・ヤンソンp52トーベ・ヤンソン 人生、芸術、言葉p363

1958年(コミック):イブニング版ムーミンコミックスで、第17話Moomin and the Cometが連載。

彗星がふってくる日 (筑摩書房ムーミン・コミックス9巻)

1968年(小説):最終改訂版、「Kometen kommer(彗星がやってくる)」刊行。
Kometjakten(彗星追跡)Mumintrollet på kometjakt(彗星を追うムーミントロール)を大幅に書き直した最終改訂版、「Kometen kommer(彗星がやってくる)」刊行。 最終的に初版のKometjakten(彗星追跡)とはキャラクターの性格からストーリーまで大幅に変わることになる。同年その最終改訂版をもとに、「トーベ=ヤンソン全集」にて日本語版「ムーミン谷の彗星」が刊行される。そのため初期版をもとに英訳されたきりの英語版と、最新版をもとにした日本語版とでは内容に大きな違いが生じている。

1969年(アニメ):アニメ旧ムーミン14話で、「ムーミン谷最後の日」で、彗星が地球に落ちるエピソードが放映される

1978年(アニメ):ソヴィエトで人形アニメーション、「Муми-тролль и комета」が放映。「ムーミン谷の彗星」をもとにしており、全3話からなる

How Moomin TV animations conquered the world
https://www.youtube.com/watch?v=Yj-f9WIKJwM

1978年(アニメ):ポーランドのパペットアニメーションシリーズにて、「ムーミン谷の彗星」に該当するエピソードが放映

1992年(アニメ):劇場版「楽しいムーミン一家 ムーミン谷の彗星」上映

https://www.shochiku.co.jp/cinema/database/04366/

1994年(コミック):フィンランドでオリジナルコミック、「PYRSTOTAHTI UHKAA」が刊行。文:ノーミ・へーベル。絵:モルデン・シュミット
「ムーミン谷の彗星」を平成ムーミンに近いデザインで書かれた子供向けコミック

ムーミンのぼうけん〈1〉彗星がやってくる
ムーミンのぼうけん〈2〉ムーミン谷をめざせ!

2010年(アニメ):1978年にポーランドで放送されたパペットアニメーションシリーズ「Opowiadania Muminków」から原作の「ムーミン谷の彗星」に相当する部分を中心に再編集、再吹き替えをした「劇場版 ムーミン谷の彗星 パペット・アニメーション」が劇場映画として公開される

劇場版 ムーミン谷の彗星 パペット・アニメーション

2015年(舞台):フィンランド国立バレエ団による本格的なバレエ作品『ムーミン谷の彗星』が上演され、話題を呼ぶ。2017年、新演目『たのしいムーミン一家』が日本で先行上演された

2023年9月(芬)(アニメ):フィンランドで1992年制作の劇場版「楽しいムーミン一家 ムーミン谷の彗星」の再吹き替え版が上映

https://x.com/MoominOfficial/status/1702596932718252224?s=20
Muumipeikko ja pyrstötähti -animaatio elokuvateattereihin syyskuussa

2024年末(アニメ):「MoominValley」のシーズン4が放映予定。ムーミン谷の彗星をもとにしたエピソードが予定されているという
[Season four will culminate in a thrilling ending as the beautiful valley faces its greatest threat yet – inspired by one of the most famous storylines within the original Moomin books, a comet speeds towards Moominvalley and nobody knows what to do. Only the kindness, acceptance and unique sense of humour of the beloved Moomins can save the day.]

https://www.gutsy.fi/post/gutsy-animations-moominvalley-secures-season-four-greenlight

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